言語聴覚士として保健所、保健センターに転職するメリット

言語聴覚士(ST)が働く職場として、保健所や保健センターといった行政サービスを考えたことがある人は少ないかもしれません。

しかしこの記事を見てくださっているということは、保健所や保健センターといった行政サービスへの転職に興味があるということだと思います。

そこで今回は、言語聴覚士が保健所や保健センターへ転職するメリットについてまとめましたので、最後まで見てみてください^_^

もくじ

保健所と保健センターの違い

言語聴覚士というと、医療機関や介護保険施設などで言語や嚥下、コミュニケーション能力に障害を持った人に対してリハビリを行う職業、というイメージが強いかもしれません。
しかし、保健所や保健センターではそのような実際の訓練などは行いません。保健所や保健センターで働く言語聴覚士の仕事は、言語や嚥下、コミュニケーション能力に悩みを持った人たちやその家族に対する相談業務になります。
また、保健所と保健センターというと、似たような名称であるため、そこで働く言語聴覚士に求められる役割も同じように感じるかもしれません。しかし実際は、保健所と保健センターでは、言語聴覚士として行う業務内容には違いがあります。
どちらも相談業務が主にはなりますが、それぞれで求められるものが異なります。
保健所の特徴は、保健センターと比べると、より広域で専門性の高いサービスを行っているということです。
例えば保健センターの場合、「子供が上手く発音できない」「学校の友達と上手にコミュニケーションを取ることができない」といったような身近な相談が多くなります。一方保健所では、そのようなものに加えて、以下のような内容に関する相談も受けます。
・事故や病気の後遺症
・高齢者の聴覚、言語、嚥下障害
保健所では、このような相談も多く受けます。その際には、「医療機関で治療を受ける必要があるか」や「介護保険施設や社会保険施設の利用を検討すべきか」といったようなアドバイスを求められることも少なくありません。
保健所と保健センターには、以上のような違いがあります。

保健所・保健センターへ転職するメリット

今まで述べたように、保健所と保健センターでは、同じ言語聴覚士であっても求められることは異なります。ただ、保健所と保健センターへ転職することで共通して得られるメリットもあります。それは、公務員に準ずる待遇を受けることができるということです。
保健所や保健センターに勤務している言語聴覚士は、個人経営の病院や老人関連施設で働く言語聴覚士と違い公務員として扱われます。
言語聴覚士が公務員として働く場合、一般の職場とは違ったさまざまなメリットがあります。その中でも、最も挙げられることが「安定性」だといえます。
公務員であれば、母体が国や県、市といったようにとても安定しているものになります。そのため、個人経営の病院や介護保険施設、社会福祉施設などと比較すると、潰れて無くなるという可能性はかなり低くなります。
また「土日祝日、年末年始休み」といったように、休日もしっかり確保されており、家庭との両立を図りやすいことも公務員として働く魅力の一つです。さらに、公務員であれば収入面も安定しています。福利厚生やボーナス、退職金、共済年金(*H27年10月以降、厚生年金に一元化)など、公務員ならではの待遇が多くあります。
このように、言語聴覚士が保健所、保健センターへ転職するメリットは、公務員に準ずる待遇を受けることができるということだといえます。

言語聴覚士が保健所・保健センターへ転職する際に注意すべきこと

言語聴覚士が、保健所・保健センターへ転職すると、公務員の待遇を受けられるというメリットがあります。ただ、保健所・保健センターへ転職する際には、いくつか注意すべきこともあります。
以下に、言語聴覚士が保健所・保健センターへ転職する際に注意すべきことについて記します。

求人が少ない

保健所、保健センターは、冒頭でも述べたように公務員に準ずる待遇を受けることができるため、かなり人気が高い求人です。そのため、言語聴覚士が転職したいと考えても簡単に求人情報が見つかることはありません。
そのため、保健所、保健センターに転職したいと考えている場合は、一般的な求人サイトだけを見ていては不十分です。
インターネットなどにある言語聴覚士の求人サイトに加えて、各保健所の公式サイトに載っている採用状況を定期的に確認することが大切です。保健所の求人が募集されると、ホームページには必ず情報が載ることになります。
ただ、このような言語聴覚士の求人サイトや保健所のホームページに関しては、どうしても情報を見逃してしまう可能性が高いです。
そのようなことを避けるために、言語聴覚士の転職サイトを利用することは有効な手段の1つです。転職サイトに保健所や保健センターへの転職を希望していることを伝えておくと、担当のアドバイザーが常に情報をチェックして求人が出るとすぐに教えてくれます。
そのため、あなたが言語聴覚士の求人サイトや保健所のホームページを毎日のように確認していなくても、保健所の求人情報を見逃すことが少なくなります。
このように、言語聴覚士として保健所、保健センターへ転職したいと考えている場合は、求人数が少ないということに注意しなければいけません。その際に、言語聴覚士の転職サイトを活用しておくと、求人情報の見逃しが少なくなります。

臨床から離れる

言語聴覚士が保健所、保健センターで働く場合、2つに若干の違いはあるものの基本的には相談業務が主な仕事になります。
保健センターと比較すると保健所の方が、相談内容が多岐に渡るため、幅広い知識が求められることになります。
例えば、保健センターの場合は、「子供の発音が少し気になる」といったような身近な相談が多いです。一方で保健所の場合、事故や病気の後遺症や高齢者の聴覚障害といったようなことに対する相談もあります。
そのような相談の場合、その場では対応できないことが多く、医療機関や介護保険施設、福祉施設などの紹介が必要になることもあります。つまり保健所では、より広域で専門性の高いサービスが求められます。
このように、保健所と保健センターで言語聴覚士として働く場合は、病院などと違い相談業務や他施設とのパイプ役といった仕事が主になります。つまり、臨床からは離れることになります。言語聴覚士の中には、臨床にやりがいを強く感じている人もいます。
そのような人にとっては、病院などと比較すると、保健所、保健センターでの仕事は少し物足りなさを感じるかもしれません。
今回述べたように、言語聴覚士が保健所や保健センターへ転職すると、多くのメリットを得ることができます。ただ、言語聴覚士が保健所、保健センターへ転職する際には「求人が少ない」「臨床から離れる」ということに注意しなければいけません。
そのため、保健所、保健センターといった職場の求人は人気が高く、なかなか見つかるものではありません。自分で求人情報を得るためには、各保健所や保健センターのホームページで、採用情報を確認することが大切です。また、転職サイトに登録することも、このような求人を見つけるためには有効です。
担当のアドバイザーにあなたの希望を伝えておくことで、そのような求人が出た場合はすぐに教えてくれます。そうすることで、求人情報を見逃すことがなくなります。そのため、保健所や保健センターへ転職したいと考えている人は、ぜひ転職サイトに登録することをお勧めします

余談ですが
保健所などのように求人が少ない「社会福祉協議会」での働き方についても詳しくまとめていますので、是非ご覧ください。
👉 リハ職が社会福祉協議会に転職するデメリット、給与、注意点を解説

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