ブランクで不安を抱える理学療法士が復職を成功させる転職求人の探し方

理学療法士(PT)としてブランク明けで復職を考えているときには、さまざまな不安を抱えているのではないでしょうか?

例えば、「仕事と子育ての両立は大丈夫か?」「勉強はついていけるか?」「不採用になるのではないか?」といった3つは、ブランク明けの理学療法士が抱えやすい不安です。

確かに、ブランク明けは忙しかったり勉強が辛かったりすることもあります。ただブランク明けの復職を経験した理学療法士のほとんどは、こうした不安を持ちながらも問題なく復職しているのです。

そうはいっても、ブランク明けで復職するときには状況や希望に合わせた転職先を選ぶことが大切になります。不安を解消してくれる転職先を選ぶことが、理学療法士としてスムーズな復職につながるのです。

そこで今回は「ブランクで不安を抱える理学療法士(PT)が復職を成功させる転職求人の探し方」について解説します。

もくじ

理学療法士がブランクとなる3つの理由

理学療法士がブランクとなる理由は人によって異なります。ただブランクとなる理由は、主に以下に記す3つのケースが多いです。

  • 結婚(寿退社)によるブランク
  • 出産・育児によるブランク
  • 病気での退職によるブランク

以下に、それぞれについて解説します。

結婚(寿退社)によるブランク

女性理学療法士には、結婚のタイミングで退職して一時的に現場を離れる人もいます。いわゆる、寿退社というものです。

例えば、お付き合いをしている人が県外であれば、結婚して同棲するために勤めている病院を退職しなければいけません。結婚して最初から別居という人は少ないです。こうした状況であれば、結婚を機に一度退職をする人が大半になります。

もちろん結婚相手が県外であっても、引っ越し先で転職先を探して理学療法士として働く人も多いです。ただ中には「せっかくのタイミングだから」「妊娠・出産を考えているから」という理由で、結婚を機に専業主婦になる人もたくさんいます。

実際に私の知人は、結婚を機に10年勤めた職場を退職して県外へ行き専業主婦となりました。

このように、結婚による寿退社をきっかけにブランクとなる人は多いです。

出産・育児によるブランク

結婚したときに辞めずに、出産を機に退職する人もいます。産休や育休を取る人が多いですが、中には「育児に専念したい」と考えて退職する人もいるのです。小さいときは保育園に預けるのではなく、できるだけ子どもと一緒に過ごしたいと考えて退職する人もたくさんいます

例えば私の妻は、長女の妊娠をきっかけに職場を退職しました。その後、子育てに約3年間ほど専念して子どもの幼稚園入園と共に復職しました。

出産や育児でブランクとなる理学療法士は多いです。期間は人によって異なりますが、子どもが幼稚園へ入園する3年前後を休むのが一般的です。中には「子どもが小学生に入学するまで」と考える人もおり、そうなると理学療法士として7年のブランクとなります。

この間に2人目が生まれるとなると、10年以上のブランクを抱えて復職することになります。また出産を機に退職しなくても、産休・育休を取ると約1年のブランクを抱えることになります

こうした出産や育児は、女性理学療法士がブランクを抱える一番多い理由だといえます。

病気での退職によるブランク

また中には、体調を崩してブランクを抱える理学療法士もいます。病気を治すために仕事から離れてブランクになるのです。

例えば、職場の人間関係が悪化してうつ病になってしまう人もいます。病院というさまざまな職種が一緒に働く職場では、人間関係のトラブルが起こりやすく精神的な病にかかってしまう人は多いのです。

うつ状態が悪化すると、一度現場を離れて治療に専念しなければいけません。期間は人によって違いますが、治療のために数ヶ月~数年のブランクとなる理学療法士もいます

他にも「仕事で持病のヘルニアが悪化して手術を受けないといけなくなった」「趣味のフットサル中に靭帯を切って手術をしなければいけなくなった」なども、理学療法士ではよく聞く話です。

こうした身体的な事情によってブランクを抱える理学療法士もたくさんいます。

ブランク明け理学療法士が復職時に起こりやすい不安

ここまで述べたように、ブランクとなる理由は人それぞれ違います。ただブランクから復職するときは、誰もが不安を抱えるのが普通です。特に以下の3つは、ブランク明けの理学療法士が抱えやすい不安だといえます。

  • 子育てと仕事は両立できるか?
  • 勉強はついていけるか?
  • 不採用になるのではないか?

以下、それぞれについて解説します。

子育てと両立できるか?

出産や育児によるブランク明けの理学療法士が抱える不安として最も多いのが「仕事と育児の両立に対する心配」です。

育休中などで仕事をしていないときは、基本的には育児と家事をして過ごすことになります。ただこのときに、育児と家事を行うことでも手一杯になる人がほとんどです。そのような状況で「本当に仕事を始めて子育てと両立できるか?」という不安を持つ理学療法士は多くいます。

いわゆる「ワーママ(働きながら育児をするママ)」に対する不安です。しかし、実際に仕事と育児を両立している人には「ワーママは体力的には大変だけど仕事を始めた方が楽になった」という人も多いのです。

育児だけであると24時間子どもと接しているため、気を休める暇がありません。一方で仕事を始めると、休憩中などは1人の時間として使うことができます。そのため「気持ち的に楽」と感じるのです。

またワーママに協力的で理解のある職場であれば、さらに仕事と子育ての両立は楽になります。例えば以下は、島根県にある病院の理学療法士求人です。

こうした子育てを推した求人であれば、育児との両立に対して職場の理解がある可能性が高いため、非常に働きやすいです。例えば子育てに理解がある職場であれば、子どものイベント時に有給を取りやすかったり、子どもの体調不良時に早退しやすかったりします。

実際、以下のように求人票の詳細にも「120日以上の年間休日に加えて、育児休暇や年次有給休暇、希望休暇などがとりやすい環境」とあります。

ワーママとして家事と育児の両立は確かに大変ですが、先に述べたように「育児で24時間子どもと一緒にいるよりも仕事を行っているほうが楽」と感じる人もたくさんいます。

そのため、復職する際に子育てとの両立に対して過剰な心配は必要ないと考えてください。

ただ、再就職には家族の協力が必ず必要ですので、この機会に家族間で家事や育児の役割についても話し合うようにしましょう。そうすることで、再就職後の家族間トラブルを減らすことができ、精神的にも安定して仕事を行えます。

また時短正社員など、子育て中の人に合わせた働き方ができる職場もあります。復職の際は転職サイトの担当エージェントに相談して、あなたの希望に合った働き方ができる職場を見つけることが大切です。

ブランク明けで勉強はついていけるか?

理学療法士は、医学全般に関する内容や理学療法士に特化した知識・技術を学びます。それらの知識や技術の大半は文献や書籍などからではなく、臨床で患者さんや利用者さんと接する中から学びます。

確かに学校で習う教科書的な内容も大切ですが、臨床で仕事をするためには実践での学びが欠かせません。そのため出産を機に産休や育休で理学療法の臨床を長年離れてしまう場合には、どうしても知識や技術が衰えてしまうのです。

例えば、理学療法士は患者さんの体に触れてリハビリを実施します。ブランク明けは数年ぶりに患者さんの体を触ることになるため「どのように触れた方がいいのか?」「力はどれくらい加えていいのか?」などの感覚がうまくつかめないのです。

このような悩みは、ブランクがある理学療法士の大半が復職する際に持つものです。

しかし、実際にブランクから再就職・転職した理学療法士の多くは「知識や技術に関してはあまり心配する必要がなかった」という人がほとんどです。大半の理学療法士は「1ヶ月も経てば慣れる」といいます。

また中には、ブランク明けの理学療法士に対して教育を行っている職場もあります。復職サポートをしてくれるのです。そうした職場であれば、先輩理学療法士から教育を受けながら復職することができます。例えば以下は、埼玉県にある総合病院の理学療法士求人です。

求人に「ブランクのある方や、経験面に不安がある方も丁寧に指導いたします」とあります。こうした職場であれば、先輩理学療法士のサポートを受けながら復職することができるのです。

例えば、復職した最初は患者さんを担当させられるのではなく見学から始まったり、担当者数を少なくしたりなどの考慮をしてもらえます。また空き時間や業務後に、先輩理学療法士が勉強会を開いてくれる職場もあります。

こうしたサポートが充実した職場であれば、知識や技術に対する不安があっても問題なく復職することができるのです。

このように理学療法士としてブランクがあっても、専門的な知識や技術に関してはそこまで心配しなくても大丈夫だといえます。

不採用になるのではないか?

ブランクから復職するときに「ブランクがあると不採用になるのではないか?」という不安を抱える人も多いです。採用試験において、ブランクがマイナス要因になると考えてしまうためです。

確かに、ブランクがある理学療法士を採用しない職場もあります。例えば、即戦力や管理職の理学療法士を求めている職場などです。

しかし、そうした職場を除けばブランクがあるからと不採用を受けることはありません。中には「ブランクの方も歓迎」ということを推している求人もあります。例えば以下は、京都府にある病院の理学療法士求人です。

求人にあるように、経験が浅かったり、ブランクがあったりする理学療法士も歓迎していることがわかります。こうした求人であれば、ブランクがマイナスになって不採用を受ける可能性は低いです。

このようにブランクありの人でも受け入れている求人はたくさんあるため「ブランクだから不採用になる」という心配はそこまでしなくてもいいと考えましょう。

正社員なら残業少なめの求人へ

ここまで述べたように、ブランク明けはさまざまな不安を抱えやすいですが、実際には問題なく復職できる理学療法士がほとんどです。ただそうはいっても、ブランク明けで復職するときにはある程度転職先を選んだ方が良いでしょう。

中でもブランク明けから正社員に戻るときには、できるだけ残業が少なめの求人を見つけて転職するようにしましょう。ブランク明けで久しぶりの仕事は、想像以上に体力的に辛いからです。また子育て中であれば、残業が日常的にあると子育てにも影響します。

例えば子育て中で子どもを保育園に預けていたとします。復職した職場で残業が多いと、その分だけ延長保育をお願いする日が増えてしまいます。また残業が多くなると疲れて子育てするのも辛くなります。

そうならないようにするためにも、ブランク明けで復職するときにはできるだけ残業が少ない職場を選ぶことが大切です。

例えば以下は、東京にある介護老人保健施設の理学療法士求人になります。

このように、残業が少ない職場は求人に大きく残業が少ないことを記載しています。それが施設の求人の強みとなるからです。

もし求人に残業に関する記載がなければ、必ず転職サイトの担当エージェントを介して残業について尋ねるようにしましょう。残業が多くて辛いと、せっかく復職したのにすぐに再転職を考えることになりかねないため注意してください。

子育て中なら託児所ありの求人がお勧め

また子育てと両立しながら復職する場合は、託児所がある職場へ転職することをお勧めします。託児所付きの職場であれば、子育てとの両立が非常に楽になるためです。

例えば職場と保育園の場所が遠いと、保育園への送迎だけで30分から1時間もの時間を取られてしまいます。その分だけ朝早く起きたり、夜寝る時間が遅くなったりするのです。

さらに保育園に通っていると、子どもは体調を崩しやすくなります。他の園児から風邪をもらう可能性が高いためです。

保育園中に子どもが体調を崩すと、保育園から職場に連絡があります。子どもの体調が酷くなければ様子見でそのまま預かってくれるかもしれません。しかし、あまりに体調が悪いときにはすぐに早退して子どもを迎えに行かなければいけないのです。

そうしたとき患者さんの予約が入っている場合、患者さんはもちろんのこと他のスタッフにも迷惑をかけることになります。

このとき院内に託児所があると非常に便利です。まず、職場と託児所が同じ場所であるため、送迎の時間がかかりません。また子どもが体調を崩したときでも、融通を効かせて対応してもらえます。

例えば以下は、東京にある病院の理学療法士求人です。

求人に「院内託児所完備」とあり、復職したときに託児所が利用できる職場であるとわかります。こうした託児所が完備した職場であれば、子育て中でも負担が少なく安心して働くことができます。

ブランク明けでワーママとして仕事と育児を両立しなければいけないときは、こうした託児所がある職場への転職をお勧めします。

パートより時短正社員がお勧め

なおブランク明けで復職するときに、パート・非常勤という働き方を検討する人も多いです。フルタイムだと体力や子育てに支障が出る可能性があると考えるためです。

確かにパートであれば自分で働く時間を選べるため、早く帰るという働き方ができます。ただパートではなく「時短の正社員」という働き方でも、短い時間で早く帰ることは可能です。しかも時短の正社員であればパートと同じように自由な働き方ができるうえに、社会保険やボーナスなどの福利厚生が充実しています。

例えば、以下は訪問看護ステーションの理学療法士求人になります。

雇用形態として「正社員(時短)」、給与条件を確認すると「30万円保障」「週30時間以上、週4日勤務で常勤可能」とあります。つまり週に30時間働けば、最低でも月収30万円になるということです。

1ヶ月の勤務が120時間(30時間 × 4週)と考えると、時給換算すると「30万円 ÷ 120時間 = 2,500円」となります。正社員になると、これに社会保険料や賞与(ボーナス)などの福利厚生も加わるため、非常に好待遇だといえます。

週30時間であれば、5日間出勤すれば1日6時間で帰れます。9時に出勤すれば1時間の昼休憩を挟んでも16時には退社できるのです。ブランク明けの復職で短い時間で働きたいと考えているなら、パートよりも時短の正社員の方がお勧めになります。

ブランク明けの理学療法士が不安なく転職を成功させる

理学療法士(PT)としてブランクを抱える理由は人それぞれ違います。ただ、ブランク明けの復職時に共通しているのは、誰もが不安を抱えているということです。

例えば、出産・育児に伴うブランクであれば「仕事と子育ての両立」に対して不安を持ちやすいです。また他にも、長年現場から離れていたために勉強に対して心配する人もたくさんいます。

基本的にブランク明けに起こりやすいこうした不安があったとしても、問題なく復職できると考えてください。

ただそうはいっても、ブランク明けで復職するときには転職先を選ぶことが大切です。例えば育児中であれば、「託児所ありの職場」「残業が少ない職場」など、状況や希望に合った転職先を見つけるようにしましょう。

こうした点を考慮して転職活動を行えば、ブランク明けでも問題なく復職できるようになります。


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