認定言語聴覚士とは?認定言語聴覚士を取得する条件やポイント

言語聴覚士(ST)の資格を取得すると、ほとんどの人は「日本言語聴覚士協会」の会員になります。日本言語聴覚士協会は、日本における言語聴覚士の社会的立場を確立することや、社会的認知を高めることを目的に作られています。
そのような日本言語聴覚士協会が勧める資格に「認定言語聴覚士」があります。認定言語聴覚士は、日本言語聴覚士協会の中で初めて作られた制度です。
言語聴覚士として、日本言語聴覚士協会が推奨する認定言語聴覚士の資格を所有していることは、転職やキャリアアップなどに有利に働きます。そのため、言語聴覚士として取得しておくべきものだといえます。
そこで今回は、認定言語聴覚士の資格取得に必要な条件について述べます。

もくじ

認定言語聴覚士とは

日本言語聴覚士協会は、2000年に職能団体として発足したものであり、理学療法士や作業療法士などと比較すると、歴史の浅い団体です。ただ、言語聴覚士の社会的ニーズはかなり高まっています。
言語聴覚士の仕事内容としては、大きく「失語症」「摂食・嚥下障害」「高次脳機能障害」という3つの障害を抱えた人に対するリハビリになります。
その中でも、全体の7割以上の言語聴覚士が摂食・嚥下障害に対するリハビリに関わっています。ただ、経験が浅い言語聴覚士や、養成校で摂食・嚥下障害の訓練や講義を受けていない言語聴覚士が多いため、質の高いサービスを提供できていないところがほとんどです。
また、摂食・嚥下障害はリスクが高いため、多くの言語聴覚士が不安に持つ領域です。そのため、社会的なニーズは高いものの、それに答えられるような十分な供給がないというのが現状です。
そこで、「摂食嚥下障害に対するリハビリを誰もが身近なところで受けられるように」と、日本言語聴覚士協会で摂食・嚥下障害に特化した認定制度として作られたのが認定言語聴覚士制度です。
2016年現在では、摂食・嚥下障害領域と失語・高次脳機能障害領域、言語発達障害領域の3つの領域に関するものがあります。

認定言語聴覚士になるための条件

認定言語聴覚士の資格を取得するためには、言語聴覚士の国家資格以外にも、いくつかの条件を満たさなければいけません。
まずは、認定言語聴覚士を取得するために必要な研修と試験を受けるために、以下の条件をクリアして登録が認められる必要があります。
・摂食、嚥下に関する臨床経験6年目以上
・協会が定める障害学習プログラム(基礎・専門)を修了
以上の条件を満たすことで、認定言語聴覚士の受講生としての資格を与えられます。そして、その後に症例発表と実技を含めた研修を6日間受け、認定を受けるための筆記試験に合格すると認定言語聴覚士の資格を取得できます。
また、「日本摂食・嚥下リハビリテーション学会」でも、多職種の会員を対象に摂食・嚥下に関する学会認定士の資格制度を設けています。そして学会認定士は、認定言語聴覚士であれば、申請のみで取得することができます
つまり、認定言語聴覚士を取得しておくと、言語聴覚士だけでなく他職種との関わりも持てるようになります。そのような意味でも、認定言語聴覚士の資格は、取得しておいて損はないものだといえます。
さらに注意しなければいけないことは、5年ごとに認定言語聴覚士の資格を更新しなければいけないということです。そのために必要なことは、以下の4つです。
・日本言語聴覚士学会に2回以上参加すること
・取得した領域において、学会発表、論文発表、教育講演、特別講演のうち最低1つを行うこと
・更新の申請書を提出すること
・生涯学習プログラムの専門講座などによって、さらに研鑽を重ねること
以上の4つを、5年間の間に履行することで、認定言語聴覚士の資格を更新することができます。
今回述べたように、認定言語聴覚士を取得することはそう簡単なことではありません。ただ、認定言語聴覚士を持っていることは、言語聴覚士における社会的立場の確立と、職域拡大のためには欠かせないものだといえます。そのため、言語聴覚士としてキャリアアップを考えている人は、ぜひ取得しておくべき資格だといえます。


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