作業療法士が有給消化率の高い求人を見つける方法

作業療法士（OT）が転職する際には、人それぞれ転職先に求める条件があると思います。例えば、「整形疾患の患者さんを担当できる職場が良い」「給料が高いところが良い」といった例が挙げられます。
そうした中でも、「有給消化率が高い」という条件は、ぜひ転職する作業療法士が求めるべきものだといえます。
そこで今回は、「作業療法士が有給消化率の高い求人を探すべき理由」と「有給消化率が高い求人の見つけ方」について述べます。

有給休暇の基礎知識

作業療法士の中には、有給休暇に関する知識をほとんど持っていない人もいます。しかし、有給消化率について考える際には、有給休暇に関する基本的なことは理解しておく必要があります。
そこで初めに、有給休暇に関する基礎知識について述べます。
有給休暇は、正式には「年次有給休暇」といわれます。有給休暇とは、勤務する病院で一定期間勤続した作業療法士に与えられる休暇のことを指します。
そして、有給休暇の付与は法律によって定められています。具体的には、以下に示す2つの条件を満たした作業療法士は、有給休暇を取ることができるようになります。
・雇用日から6ヶ月以上経過している
・雇用期間の8割以上出勤している
以上の条件を満たすと、有給休暇を獲得することができます。そのため、作業療法士として転職した場合、有給休暇を利用することができるのは、転職後6ヶ月経過してからになります。
また、常勤の作業療法士だけではなく、非常勤（パート）であっても有給休暇は付与されます。ただ、取得できる日数や条件が異なるため、その違いについては認識しておくようにしてください。
以下に、常勤と非常勤（パート）における有給休暇の違いを記します。
・常勤の場合

勤続期間	有給休暇数
6ヶ月	10日
1年6ヶ月	11日
2年6ヶ月	12日
3年6ヶ月	14日
4年6ヶ月	16日
5年6ヶ月	18日
6年6ヶ月以上	20日

・非常勤（パート）の場合

週労働日数（年）	有給休暇数（勤続年数）
4日（169～216日）	7日（6ヶ月）、8日（1年半）、9日（2年半）、10日（3年半） 12日（4年半）13日（5年半）、15日（6年半以上）
3日（121～168日）	5日（6ヶ月）、6日（1年半）、6日（2年半）、8日（3年半）、9日（4年半）10日（5年半）、11日（6年半以上）
2日（73～120日）	3日（6ヶ月）、4日（1年半）、4日（2年半）、5日（3年半）、6日（4年半） 6日（5年半）、7日（6年半以上）
1日（48～72日）	1日（6ヶ月）、2日（1年半）、2日（2年半）、2日（3年半）、3日（4年半） 3日（5年半）3日（6年半以上）

転職する場合には、有給休暇に関する以上のような基本的な知識だけは、理解しておくようにしてください。

有給消化率の高い職場に転職すべき理由

作業療法士が転職する際に、転職先に「有給消化率が高い」という条件を求めることをお勧めします。そこで、作業療法士が有給消化率の高い職場に転職すべき3つの理由を述べます。

仕事を効率良く行うことができる

作業療法士に限ったことではありませんが、仕事をしている中で、どうしても疲労が溜まってやる気が出なくなる時期があります。
そうしたときの仕事は、行っている本人も楽しくないですし、仕事のスピードも遅くなります。そうなると、結果的に仕事効率が非常に悪くなります。特に、患者さんに対してリハビリを行なう作業療法士の場合、患者さんのリハビリに大きく影響することになります。
当たり前ですが、疲れてやる気がないような作業療法士がリハビリを行なっても、患者さんの意欲は高まりません。
そのような場合に有給休暇を利用することができれば、休暇によってリフレッシュして、再び集中して仕事を行うことができるようになります。その結果、患者さんの意欲も下がることなく、効果的なサービスを提供することができます。
このように、患者さんに対するリハビリを効果的に行なうためにも、有給休暇が消化しやすい職場に転職すべきだといえます。

退職時に利用できる

作業療法士が職場を退職する際には、引越しや転職先の研修、書類の準備など、行なわなければいけないことがたくさんあります。
多くの人は、退職や転職に関わる準備のために余った有給休暇を利用します。
基本的には、有給の利用が認められることが一般的ですが、中には有給休暇が余っていても、退職前に消化させてもらえないような職場もあります。そうなると、結果的に退職や転職時に余裕を持って準備することができなくなります。
こうしたことを避けるためにも、作業療法士は有給消化率が高い職場に転職すべきだといえます。

自己研鑽が行ないやすくなる

作業療法士の中には、休みを利用して勉強会に参加したり、トレーナー活動を行なったりする人も少なくありません。このような場合、どうしても公休だけでは日数が足りないこともあります。
そうしたときには、公休だけではなく有給を利用して勉強会やトレーナー活動に参加することになります。
このように、作業療法士が自己研鑽を行なうためには、どうしても公休だけでは難しい場合もあります。そのときに、有給休暇を使いにくいような職場であれば、勉強会やトレーナー活動を行ないにくくなります。
そうならないためにも、作業療法士は有給消化率の高い職場へ転職すべきだといえます。

有給消化率が高い求人の探し方

作業療法士の多くは「有給消化率の高い職場」へ転職したいと考えます。ただ、このような有給消化率に関しては、インターネットなどに載っている求人情報から読み取ることができません。
そこで以下に、「作業療法士が有給消化率の高い求人を探す方法」について述べます。

知り合いに紹介してもらう

インターネットやハローワークに載っているような作業療法士の求人情報には、有給消化率に関して詳しく記載されていることはほとんどありません。そのため多くの場合は、転職先の有給消化率を知らないまま転職することになります。
しかし、転職先におけるある程度の有給消化率を知らずに転職すると、転職後に「思ったように有給が使えない」という状況になる可能性もあります。そうなると、希望する講習会に参加したり、トレーナー活動を行なったりすることができなくなります。
このような場合、知り合いに紹介してもらうことで、有給消化率を把握した上で転職することができます。
つまり、事前に働いている人に話を聞くことで、病院における内部事情に関して、より信頼性の高い情報を得ることができます。そうすることで、転職先の有給消化率を知った上で転職活動を行うことができるようになります。
特に作業療法士の場合、専門学校時代の同級生や勉強会で知り合った人などに頼ることで、県内の病院であれば情報を得ることができる可能性はかなり高いです。
このように、転職する際に転職先の情報を得るためには、他の病院に勤める作業療法士とのネットワークを作っておくことが大切です。こうした意味でも、普段から出身校や近くの病院で行なわれる勉強会、県士会の集まりなどには、積極的に参加しておくことをお勧めします。

転職サイトを活用する

既に述べたように、知人に紹介してもらうことで有給消化率などの内部事情を知ることができます。しかし、全ての職場において、そのように情報を得ることができるわけではありません。
また情報を提供してくれる人も、全ての情報をあなたに提供してくれるとは限りません。
基本的に勤務している職場の内部情報は、コンプライアンスの問題によって外部に漏らすことができません。そのため、あなたが望んでいるほど詳しい情報が得られない場合も多くあります。
そこで、有給消化率といったような病院の内部事情を知った上で転職活動を行いたい場合は、作業療法士専門の転職サイトを活用することをお勧めします。
転職サイトでは、担当のアドバイザーが付いて、あなたの転職活動をサポートしてくれます。
そして、転職サイトのアドバイザーには、作業療法士の転職支援経験が豊富な人が多くいます。そうしたアドバイザーであれば、アドバイザー同士や病院とのつながりといったような幅広い情報網を持っています。
そのため、アドバイザーを上手く利用することで、病院内の内部事情などの情報を得やすくなります。
今回述べたように、作業療法士は「仕事を効率良く行えるようになる」「退職時に利用できる」「自己研鑽が行いやすくなる」という3つの理由から有給消化率が高い職場へ転職すべきだといえます。
また、作業療法士が有給消化率の高い求人を探す方法には、「友人に紹介してもらう」「転職サイトを活用する」という2つがあります。
ただ、友人から紹介してもらった場合には、得たい情報量が不十分だということもあります。そのため、作業療法士が有給消化率などの転職先における内部事情を把握した上で転職を行いたい場合には、転職サイトを利用することをお勧めします。
ぜひ転職サイトを上手く活用して、有給消化率の高い職場への転職を成功させてください。
作業療法士として転職する場合は、ぜひ「有給消化率の高さ」を意識して求人を探すようにしましょう。

リハビリ関係者が転職を考えるとき、転職サイトを活用するとより自分の希望に沿う求人を見つけることができるようになります。自分一人では頑張っても1～2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉まで行うのは現実的ではありません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や施設を含め、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって特徴が大きく異なります。例えば、電話だけの対応で素早さを重視する会社があれば、面接まで同行することで難しい案件への対応を得意としている会社もあります。他には、大手企業に強みを発揮する会社があれば、地方求人を多く保有している会社もあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

オススメ転職サイトの特徴と違い　→