認定・専門作業療法士の取得でキャリアアップ・転職を成功させる

作業療法士(OT)になると、多くの人は「日本作業療法士協会」の会員になります。このような協会は、医師や看護師、理学療法士などにもあるもので、その職種における社会的な立場を確立することや、職種の仕事を一般の人々に広く認知してもらうことを目的に作られます。
そのような日本作業療法士協会が推奨する資格の中に、「認定作業療法士」と「専門作業療法士」があります。
この2つの資格は、作業療法士としての知識と技術をより高く保ち続けるために作られたものです。そのため、作業療法士としてキャリアップを目指している人にとっては、必ず取得しておくべき資格だといえます。
そして認定作業療法士と専門作業療法士の資格を取得するためには、満たさなければいけない条件があります。資格を取りたいと考えている人は、その内容を適切に理解しておかないと資格取得に失敗することになります。
そこで今回は、認定作業療法士と専門作業療法士の資格取得に必要な条件について述べます。

認定作業療法士

認定作業療法士とは、臨床実践、教育、研究及び管理運営 に関して基準以上の能力を作業療法士協会から認められた人をいいます。認定作業療法士制度は、生涯教育制度の改正とともに、平成15年に創設されたものです。
具体的には、以下の条件を満たすことで、認定作業療法士の資格を取得することができます。
・協会主催の「認定作業療法士取得共通研修3講座(教育法、研究法、管理・運営)」の受講を修了
・協会主催の「認定作業療法士取得選択研修2講座」の受講を修了
・事例報告3例の提出を修了
また、認定作業療法士を取得するためには、「基礎研修終了の有効期限内であること」と「都道府県士会に所属していること」が必須になります。認定作業療法士の資格を取ろうと考えている人は、この2点は必ず押さえておいてください。
さらに認定作業療法士は、5年ごとに更新する必要があります。そのため、資格を取得した5年以内に更新要件を満たさなければいけません。
認定作業療法士の更新要件は、以下の4点になります。
・基礎ポイントの取得
・臨床実践の報告
・後輩育成指導の経験
・作業療法啓発に関する社会的貢献
認定作業療法士を取得して、資格所有を継続していくためには以上のようなことが必要になります。

専門作業療法士

専門作業療法士とは、特定の分野において「高度かつ専門的な作業療法実践能力」を持った人に対して与えられる資格です。これは、平成21年に創設された「専門作業療法士制度」に基づいて認定されます。
専門作業療法士になるには、必ず認定作業療法士として認定されていることが条件になります。その上で、専門分野ごとに決められた専門作業療法士の資格認定試験を通過することが認定の要件となります。
そして認定試験を受講するためには、以下の4つに関する研修を修了する必要があります。
・研修実践
・臨床実践
・研究実践
・教育と社会貢献の実践
つまり、専門作業療法士の資格を取得するためには、「認定作業療法士であること」「4つの研修を修了すること」「資格認定試験に合格すること」の3つの要件を満たすことが必須になります
また専門作業療法士も、認定作業療法士と同じように5年ごとの資格更新を行う必要があります。そのため、資格取得後5年以内に、以下に記す2つの要件を満たさなければいけません。
・生涯教育基礎研修ポイントが25ポイント以上
・専門作業療法士新規取得要件における研究実践、教育と社会貢献の実践を会わせて15単位以上
専門作業療法士の資格を取得し、所有し続けるためには、以上のような条件が必要になります。
このように作業療法士が取得する資格には、日本作業療法士協会が認定しているものとして「認定作業療法士」と「専門作業療法士」の2つがあります。
認定作業療法士は、ジェネラリストとして全体的に作業療法士として一定基準以上の能力を有していることが求められます。
それに対して専門作業療法士は、ジェネラリストとしての認定作業療法士の視点を生かしながら、特定の分野において、より専門的な知識と技術を提供するスペシャリストとして高品質のサービスを提供することことが求められます。
どちらも、作業療法士として一定以上の高い能力を持っていることを示す資格になります。そのため、作業療法士としてのキャリアアップだけでなく、転職時のアピールとしても役立つ資格となります。
このように、認定作業療法士と専門作業療法士の資格は、作業療法士であればぜひ取得しておくべき資格だといえます。

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この記事を書いた人

DAISUKEのアバター DAISUKE 3代目代表

総合病院で理学療法士として勤務し、副業や起業を経験。
現在は副業で株式会社を立ち上げし副業社長として日々を過ごしています。
3代目管理人としてこのサイトを運営しています。

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