理学療法士転職は何年目が良い?求人を探す適切な時期やタイミング
理学療法士(PT)として転職するときに、転職するタイミングや時期について考えるのではないでしょうか?
特に「転職するのは何年目が良いのだろうか?」「理学療法士は何歳を過ぎたら転職が難しくなるだろうか?」「何月ごろが転職のベストタイミングなんだろうか?」などは、多くの理学療法士が悩むことです。
実際に、転職する適切な時期やタイミングはあります。ボーナス後や人員配置が変わるタイミングなどです。また求人数が増えるのは年末であるため、この時期に求人を探すと多くの求人から転職先を選べるようになります。
転職するタイミングを考えるときには、こうしたポイントを押さえた上で検討することが大切です。そこで今回は「理学療法士(PT)求人を探す適切な時期やタイミング」について解説します。
もくじ
何年目での転職がベストか?
転職するときに「何年目での転職が良いか?」を考える人は多いです。例えば「1年目で転職すると履歴書に響く」「一つの職場で3年は勤めた方が良い」といった話を聞くために、転職のタイミングに悩むのです。
確かに一般的な常識として1年未満の転職は好まれず、一つの職場で3年以上働くことが推奨されています。それでは、実際に理学療法士が転職するのは何年目がベストなのでしょうか?
以下に、転職するタイミングについて解説します。
理学療法士1年目での転職は避けるべき
理学療法士として働き始めて1年目(新人)で転職を考える人は多いです。思ったより給料が低かったり、仕事が忙しくて辛かったりするためです。
仕事が始まって最初の年は、仕事自体に慣れていないため非常に大変な時期になります。そのため、辞めて転職したいと考える人は多い傾向にあります。ただ可能であれば、1年目での転職は避けるべきでしょう。今後の転職に響くためです。
1年以内の転職経験があると、履歴書にその経歴が残ります。短い期間での転職があると、履歴書を見る経営者や管理者に悪い印象をもたれがちです。
例えば「忍耐力が弱い応募者なのだろう」「うちの職場でもすぐ辞めるのではないか?」といった印象を持たれます。その結果、履歴書だけで不採用になってしまう可能性が高くなるのです。
履歴書に1年以内で退職した経歴はずっと残るため、次の転職だけでなく転職のたびに同じ悩みに悩まされることになります。つまり、今後の転職全てに影響してくるのです。
こうしたことから、1年目の転職はできるだけ避けるべきだといえます。
2年目以降の転職は優遇される
ただ3年以上働かなければいけないかというと、そうではありません。理学療法士の場合、3年という区切りは重視されることはなく、1年以上働けば優遇される傾向にあります。1年現場を経験しているだけで即戦力として使えるためです。
実際、理学療法士の求人には実務経験1年以上という募集条件を載せている求人が多いです。例えば以下は、東京にある有料老人ホームの理学療法士求人になります。
求人の経験・スキルの欄に「実務経験1年以上」とあります。実際、実務経験が1年未満と1年以上で実力自体に大きな差はほとんどありません。働き始めて半年もすれば仕事自体には慣れるためです。
ただ理学療法士求人には、実務経験1年以上が条件として示されていることが多い傾向にあります。これは即戦力で使えることに加えて、忍耐力などが低い人が応募しないようにするためだと考えられます。
このように実務経験が1年以上で2年目以降になると、転職時に優遇されやすい傾向にあるのです。
転職時の年齢は若い方が良い
1年目での転職が良いかと同じように、年齢について悩む人も多いです。まだ20代であれば転職の年齢を考える人は少ないですが、30歳を超えると「まだ求人はあるのか?」と悩みがちです。ましてや40歳を過ぎると、「転職してついていけるだろうか…」という思いが出てきます。
実際に、転職するのであれば年齢は若い方が有利です。雇う側は長く働いてくれる人材を求めているからです。
20代のうちから長く働いてくれる人材は、将来的な管理職となる可能性が高いです。経営者は長く働いて病院の仕組みを良くわかっており、なおかつ信頼関係ができている人が管理職になることを望んでいます。
そのため、20代の転職者を求めている求人が多いのです。例えば以下は、神奈川県にある病院の理学療法士求人になります。
理学療法士求人でスキルアップを推した求人は、20代の応募者を求めているといえます。こうした求人であれば、30代や40代で応募すると採用されにくいと考えてください。
30代になると転職が難しくなる
ただ30代になると転職できないかというと、そうではありません。確かに20代と比較すると30代の求職者は嫌われる傾向にありますが、それでも30代で転職を成功させる人はたくさんいます。
また管理職を募集している求人は、30代の理学療法士を求めていることが多いです。
一般的な病院であれば、管理職を経験するのは20代後半から30代になります。管理職者を募集している求人は、管理職経験がある人を求めているため30代でも問題なく応募できるのです。
例えば以下は、長野県にある有料老人ホームの理学療法士求人になります。
管理職者を募集している求人です。こうした管理職を求めている求人であれば、管理職を経験した30代が優遇される傾向にあります。
40代からの転職は辛い
40代になると、なかなか転職するのは難しくなります。雇用する側は、40代で転職をする理学療法士に対して「何か訳がある」と考えるためです。
20代や30代であれば、スキルアップやキャリアアップのために転職をする理学療法士はたくさんいます。ただ40代でそうした目的で転職活動をする人は少ないためです。
例えば40代で転職するとなると「前職場で問題を起こして辞めざるをえない状況になった」「家庭の事情があって転職を余儀なくされた」など、何かしらの理由が隠れている場合が多いです。こうした転職者は、雇う側にとってはリスクがあるため、できるだけ避けたいと考えます。
また40代になると雇用側だけでなく、転職する側も大変です。職場が変わると覚えないといけないことが多く、精神的にも肉体的にも辛いからです。
例えば20代であれば、体力があるため新しい環境にもすぐ慣れることができます。その一方で40代になると、なかなか新しい環境にも慣れないため、もの凄くストレスを感じます。
また自分より年下の先輩理学療法士に、職場での仕事を教えてもらわなければいけないため、気づかれも強いです。
そのため、40代から転職して職場を変えるのには、転職側としても気合が必要になるのです。
もし40代から転職するのであれば、デイサービスやデイケアなどの介護施設がおススメになります。介護施設であれば、仕事自体がゆっくりしていますし、覚えなければいけない仕事も少ないため転職後の負担は小さいです。
また介護施設には、年齢や経験年数を問わずに募集している求人が多い傾向にあります。例えば以下は、千葉県にあるデイサービスの理学療法士求人です。
求人にブランクある方も歓迎とあります。介護施設では、若くて活力のあるスタッフより、経験があって利用者さんとコミュニケーションが上手く取れる人材を求めている傾向にあります。利用者さんが高齢者であり、経験がある理学療法士の方が利用者さんが安心するためです。
そのため40代から転職するのであれば、デイサービスやデイケアといった介護施設をお勧めします。
求人を探す転職活動時期はいつが良いか?
なお転職するときには、転職活動を始める時期を考えなければいけません。当然、求人が多く出ている時期に活動した方が希望に合った転職先が見つかりやすいです。一般的に求人がたくさん出やすい時期は、厚生労働省の「一般職業紹介状況」で報告されています。
以下は、平成29年11月から平成31年3月までの、募集されている求人数の数です。
表からわかるように、両年ともに11月~12月に求人数が増える傾向にあります。これは、翌年の4月からの入職者を狙った求人増加です。つまり、新卒者を狙って求人が増えるということになります。
ただこの時期には新卒者にこだわってない求人も多く出ているため、11月や12月に転職活動をして求人を探すと多くの求人から選ぶことができます。
4月と10月が転職のベストタイミング
求人数が増えるのは11月や12月ですが、実際に転職するベストタイミングは4月と10月になります。新年度と新期の月となるからです。
基本的に病院やクリニック、介護施設では3月が年度末、9月が半期末になります。この入れ替え時期に、人員配置変更や新規事業を開始するところは多いです。そのため、雇う側としても転職する側としてもベストなタイミングになります。
また逆に3月末や9月末に転職する人も増えるため欠員が出ます。この欠員と入れ替わりに入職すれば、双方にとってメリットが高いのです。
実際、求人数が多くなるのは11月と12月ですが、転職活動が活発になるのは1~3月になります。
このように転職する時期でベストタイミングは、4月か10月だということを知っておきましょう。
ボーナス後の7月、1月に転職する人は多い
また7月や1月も転職する人が多い傾向にあります。6月と12月に賞与(ボーナス)が支給されるため、賞与をもらってから転職しようと考えるのです。この場合、転職活動をするのは4~5月、9~11月がお勧めになります。この時期に求人を見つけておいて、転職先を決めておくのです。
ただ注意しなければいけないのは、早めに転職の意思を伝えることです。ただでさえ「もらい逃げ」のように捉えられがちな時期になります。その上、直前に退職を伝えると非常に迷惑がられる可能性が高いです。
そのため、遅くとも退職の1ヶ月前、可能であればもっと早い段階で退職の意向を伝えておくようにしましょう。
ちなみに私は最初の職場で12月に賞与をもらって転職しましたが、このときは3ヶ月前に退職することを伝えていました。
転職活動は早めに行う
それでは、転職活動はいつくらいから始めるのが良いのでしょうか? 理学療法士の場合、一般的な仕事よりも転職活動は早めにした方が良いでしょう。担当患者さんの引継ぎもあるため、職場へも早めに転職の意思を伝えた方が良いからです。
ただ長い時間をかけて転職活動をすればいいかというと、そうではありません。ある程度期間を決めて転職先を決めるようにしましょう。
転職活動期間は長すぎると失敗する
転職活動が長くなるということは、最初に紹介してもらう求人を断るということになります。転職サイトを使って転職する場合、担当のエージェントに希望を伝えて求人を紹介してもらいます。
当然、エージェントはあなたの希望に合った求人を優先的に紹介してくれます。もちろん、長く待つことで理想の求人が出てくるケースもあります。ただそうしたケースはよほど運が良くないと起こりません。
そのため、「いつかもっと良い求人が出るはず…」と考えて転職活動をダラダラしていると、どんどん理想とかけ離れた求人しか残らなくなってしまいます。
こうしたことから、転職活動は長く時間をかければ良いというわけではないのです。
退職時期は繁忙期を避ける
また今の職場を退職する時期も考えなければいけません。スムーズに円満退社をするためにも、職場が忙しい繁忙期の退職は避けるようにしましょう。
例えば、新人が入って教育などでバタバタしている4月などは非常に忙しく、経験者が辞めることは現場にとって迷惑です。
当然、病院や施設によって繁忙期は違います。例えば介護施設であれば、季節のイベント時期は準備で忙しい傾向にあります。整形外科クリニックであれば、運動会時期は怪我による患者さんが多くバタバタしています。
転職する時期に特別な理由がないのであれば、可能な限り繁忙期は避けるようにしましょう。そうすることが円満退職につながります。
退職は遅くても1ヶ月前に伝える
さらに、退職の意向を伝えるタイミングも重要です。法律上、2週間前に伝えれば問題ないと決まっています。しかし職場のことを考えると、遅くても1ヶ月前には退職の意向を伝えた方が良いです。
特に理学療法士の場合、担当患者さんの引継ぎがあるため、できるだけ早く伝えることが大切になります。
一人のスタッフが転職するとなると、そのスタッフが担当していた患者さんを残っているスタッフで分担しなければいけません。その際には、患者さんの状態や性格なども考慮して割り振ることが大切です。
他のスタッフの担当患者さんが少なければ、スムーズに引継ぎも終わる可能性が高いでしょう。ただ残るスタッフの担当枠に余裕がない状況であれば、2週間前から引継ぎを始めても終わりません。
そうしたことを避けるためにも、どれだけ遅くても1ヶ月前には退職の意図を伝えるようにしてください。
転職活動のタイムスケジュール
それでは、転職活動は具体的にどのようなタイムスケジュールで動けばいいでしょうか?
理想的であるのは、まず繁忙期を避けた転職時期を決めます。その上で退職予定の3ヶ月前から転職活動を行い、2ヶ月前には転職先を決めて履歴書送付や面接を始めます。そして退職の1ヶ月半前には転職先が決定した状態で、余裕をもって退職を伝えるのがベストです。
中には、転職先を決めずに退職の意向を伝えてしまう人がいますが危険なので止めましょう。退職だけ決まって転職先が見つからない可能性があるからです。
実際に私の知人で、転職するつもりで退職届を出して退職日までに転職先が決まらずに数ヶ月仕事がなく過ごした人もいました。そうならないようにするためにも、退職時期の約3ヶ月前から転職先を探して決まった後に退職届を出すようにしましょう。
転職時期、タイミングを見極めて失敗を避ける
理学療法士(PT)が転職するときには、転職するときの勤続年数や年齢を考えて行動することが大切です。1年目での転職は好ましくないですし、30代や40代になると転職先も絞られてきます。
また転職を成功させるためには、時期やタイミングも大切です。求人数が多い時期や職場に迷惑をかけない時期に転職することで、理想の職場が見つかりやすくなりますし、円満退社できるようになります。
さらに、ある程度余裕をもって転職活動をすれば、転職先が決まった上で早めに職場へ退職を伝えることもできます。
転職を考えたときには、こうした時期やタイミングを考えて行動するようにしましょう。そうすることでスムーズに転職活動が行えて、理想的な職場への転職を成功さることができるようになります。
リハビリ関係者が転職を考えるとき、転職サイトを活用するとより自分の希望に沿う求人を見つけることができるようになります。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉まで行うのは現実的ではありません。
一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や施設を含め、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。
ただ、転職サイトによって特徴が大きく異なります。例えば、電話だけの対応で素早さを重視する会社があれば、面接まで同行することで難しい案件への対応を得意としている会社もあります。他には、大手企業に強みを発揮する会社があれば、地方求人を多く保有している会社もあります。
これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。
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