医療・介護領域の若手理学療法士が知っておくべき管理職の心得

若手理学療法士の多くは将来に不安を抱えていたり、今の働き方を続けるべきか悩んでいる理学療法士が多いのではないでしょうか。

その不安を解決するための一つに管理職に就任するという挑戦があります。

管理職は理学療法士としての年収・給料アップやキャリアアップに留まらず、他業種へのキャリアを広げる可能性を持ったポジションです。

今回は理学療法士における管理職の職務内容、実際の求人、管理職のメリット・デメリットについて解説していくのでぜひ参考にして下さい。

もくじ

理学療法士における管理職ってどんな業務をしてるの?

そもそも管理職はどの役職を指しているのか?

管理職についてWikipediaで調べると「労働現場において、労働者を指揮し、組織の運営に当たる者を指す」と書いてあります。理学療法士の多くは、自身が所属する病院の理学療法科科長やリハビリテーション部の部長などが管理職に当たります。

理学療法士における管理職の業務内容について

管理職をしている理学療法士に対して、若手理学療法士ほど「臨床業務を離れて何をしているか分からない人・・・」というイメージを持つことが多いのではないでしょうか。

それには理由があり、管理職の業務は部署のマネジメントや部下の教育といった、現場からは見えにくいものになります。また経営会議と言われる組織の方向性を決める場にも参加し発言しています。

理学療法士における管理職は40歳以上が当たり前なのか?

管理職の理学療法士は、俗に言うベテランと言われる年代が多い傾向です。その理由は、年齢を重ねる内に職場に関する多くの問題に対応できるようになっていくことが考えられます。これは一般企業における終身雇用型の昇進システムにも見られるシステムです。

しかし、だからといって若手の内に管理職になれないというルールはありません。むしろ管理職に求められるスキルを早く身に付けることで、若手理学療法士の管理職は誕生します

実は理学療法士は若手が管理職になるチャンスが転がっている職種

先述したように多くの人は、管理職=ベテラン理学療法士のイメージを持っています。その一方で理学療法士の職業人口は30歳以下の割合が非常に大きいことが特徴です。

さらに医療・介護施設は増加傾向にあり、若手理学療法士をまとめる人材が必要になります。つまりこれからの時代は、これまで以上に管理職が多く求められるわけです。そのため、若手理学療法士は管理職になるチャンスが残されています。

どんな場所で理学療法士は勤務しているのか?

理学療法士の多くは医療・介護領域で働いています。

そのため今後理学療法士における管理職の需要が大きくなることが考えられるわけです。また需要がある場所への転職は年収・給料アップにつながるため、そういった目標がある理学療法士こそ管理職を目指しましょう。

都道府県別では理学療法士の割合はどれくらいいるのか?

理学療法士が不足している場所は下の図にあるように関東圏です。

これは病院・クリニック、介護施設等の数が非常に多いことが影響しています。つまり、関東圏には管理職を任せられる理学療法士求めている病院・クリニック、介護施設等が多く、チャンスが転がっているわけです。

将来キャリアアップを目指そうと思っている若手理学療法士こそ、関東圏で働くことをおすすめします。

どんな職場で求人が出ているのか?

関東圏では次のような理学療法士求人が出ています。

1箇所目

2箇所目

3箇所目

3つの求人の共通点として年収が一般的な理学療法士よりも10万〜20万円アップすることが挙げられます。その一方で管理職に応募するのに最低でも3年目以上の臨床経験が必要になることが注意点です。

管理職になった際に乗り越えないと行けない壁について

何をしても誰か批判してくる

管理職に対して批判したことがある人は多くいるのではないでしょうか。

部署全体の管理をする管理職にとって、判断基準は組織目線です。部下と同じ現場目線で考えるわけではなく他部署を含めた組織として正解と思われる判断をする必要があります。

そのため管理職の判断は部下全員が納得する答えになることはほとんどありません。また管理職を理解しようとする部下は少ないため孤独を感じやすいのです。それを乗り越えて部下をコントロールする必要があるため、高いレベルのスキルが必要になります。

他部署とのコミュニケーションを取らないといけない

管理職は部署の業務を円滑に進めるために、リハビリテーション科以外の部署と連携する場面が多くあります。そのため専門外の部署と密なコミュニケーションを取れる能力が必要となります。

この能力は一つの部署で、決まった人とばかりコミュニケーションを取っているだけでは磨かれません。他にも、部下の意見を反映させるために経営陣ともコミュニケーションを取る必要があるため、経営的視点も必要です。

経営陣からは人的資本の育成と定着・獲得を期待される

経営陣が期待する管理職の成果の一つが部下の育成です。また育成と同じくらい在職職員の離職率低下と新入職員の就職率アップも期待されます。

どちらも一朝一夕で出せる成果でないため、管理職にとって悩みのタネになりやすいのです。特に年の離れた若手理学療法士の気持ちを汲み取ることは難しいためついつい悩んでしまいます。

部署の業務効率改善と売上アップを目指さないといけない

基本的に現場で経験年数を重ね続けた理学療法士はPDCAサイクルを回すことが得意となるため、一見すると業務効率改善は得意分野に思えます。

しかしそこに売上の問題が重なると、理学療法士の管理者の多くが困ってしまいます。なぜなら売上アップや経営陣との意見交換は、PDCAサイクルで考えるだけでは上手くいかないからです。

さらに売上が上がらないと、経営陣からはきちんと成果を出すようお叱りを受けます。その結果焦って部下が納得しない業務改善策を実施して、部下からの信用を失ってしまう管理職は多いです。

理学療法士が管理職になることで得られるメリット

管理職は転職で給与アップを狙いやすい!

先述したように管理職がぶつかる壁は非常に多いです。

その一方で参入障壁が高いポジションだからこそ、その経験は転職において非常に重宝されるという一面もあります。そのため転職時に年収・給料の交渉がしやすく、転職後の年収・給与アップも狙いやすいのです。

転職市場において他の理学療法士が経験していないポジションで仕事をしているというのは、非常に希少性が高くなります。

他業種でも活用できるスキルが磨けるため食いっぱぐれない

若手理学療法士の中には、理学療法士の将来性を不安視している人も多いのではないでしょうか。そんな人こそ管理職でしか磨けないポータブルスキル(社会人基礎力)を習得しましょう。このポータブルスキルは、汎用性が高く他業種で働くときにも重宝される能力です。

この能力を手に入れておくことで、将来別業種で働く際に年収・給料アップを目指すことが可能となります。そのためキャリアに他業種を考えている若手理学療法士は、ぜひ管理職へトライし若いうちに高いレベルの経験値を獲得しておきましょう。

自分で働き方を選べるレアカードな人材になれる

ノンポータブルスキルは理学療法士の管理職に必要なスキルでありながら、他業界でも通用する能力です。そのため理学療法士としての働き方が自分に合わない、もしくは時間に縛られない働き方をしたいと考えた時に実現できます。さらにこのスキルを持っている人材はレアカードな人材として転職市場で重宝され、休みをしっかり確保しながら高年収も目指すことができます。

そのため多少大変なことがあっても理学療法士として管理職を経験することで得られるメリットは大きいです。

キャリアアップのために転職サイトを活用しよう

これまでの管理職は一つの職場で長い期間働き続けた理学療法士が任せられるものという流れが強くありました。しかし職業人口の増加に伴い若手理学療法士にもチャンスが回ってくるようになっています。そして管理職は年収・給与が多いだけでなく、キャリアアップや自分らしい働き方を実現できる可能性が非常に高いです。

しかし、管理職求人を探すのが難しかったり、信用できる情報がないことも多いため、ぜひリハビリ職専門の転職サイトを活用して自分がトライしたい!と思える求人を探し出しましょう

転職サイト活用法


リハビリ転職で失敗しないために必要な理想の求人・転職先の探し方とは!


リハビリ関係者が転職を考えるとき、転職サイトを活用するとより自分の希望に沿う求人を見つけることができるようになります。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉まで行うのは現実的ではありません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や施設を含め、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって特徴が大きく異なります。例えば、電話だけの対応で素早さを重視する会社があれば、面接まで同行することで難しい案件への対応を得意としている会社もあります。他には、大手企業に強みを発揮する会社があれば、地方求人を多く保有している会社もあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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