
認定言語聴覚士とは、日本言語聴覚士協会が運営する認定制度で、特定の領域について専門性を深めたSTが取得する資格です。講習会に参加するには、正会員で満5年を超える臨床経験があり、生涯学習システムの専門プログラムを修了している必要があります(日本言語聴覚士協会の公式サイトによる)。
この記事では、認定言語聴覚士の概要、取得までの流れ、更新の条件、転職やキャリアにどう生かせるかを整理します。条件は年度によって見直されるため、申し込む前に協会の最新の案内を確認してください。
この記事の要点
- 認定言語聴覚士は、日本言語聴覚士協会が2008年度から進めている認定制度です
- 講習会の対象は、正会員で、満5年を超える臨床経験があり、専門プログラムを修了した方です
- 講習会は、2日間を3回受ける全6日間の日程です
- 認定は5年ごとの更新が必要で、更新は申請して行います
- 2026年度から生涯学習プログラムの見直しが始まっているため、最新の案内の確認が大切です
認定言語聴覚士とは
日本言語聴覚士協会は、言語聴覚士の職能団体です。協会が言語聴覚士の専門性を高める仕組みとして進めているのが、生涯学習プログラムと認定言語聴覚士制度です。認定言語聴覚士制度は2008年度に始まった制度です。
認定は領域ごとに行われます。協会の案内では、次の6つの領域が挙げられています。開講される領域や日程は、年度ごとの募集案内で確認してください。
- 摂食嚥下障害領域
- 失語・高次脳機能障害領域
- 言語発達障害領域
- 聴覚障害領域
- 成人発声発語障害領域
- 吃音・小児構音障害領域
STの仕事は、失語症、摂食嚥下障害、高次脳機能障害、言語発達、聴覚など幅広い領域にまたがります。そのため、自分の職場や今後進みたい分野に合った領域を選んで学べる点が、この制度の特徴です。
認定言語聴覚士になるための条件と流れ
言語聴覚士の国家資格に加えて、いくつかの条件を満たす必要があります。協会の公式サイトに書かれている内容を、表にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会員区分 | 日本言語聴覚士協会の正会員 |
| 臨床経験 | 満5年を超える臨床経験(臨床経験6年目以上) |
| 事前に必要な学習 | 生涯学習システムの専門プログラムの修了 |
| 講習会の日程 | 2日間を3回受ける、全6日間 |
| 更新 | 5年を1クールとして、申請による更新が必要 |
表の内容は協会の公式サイトに基づくものです。講習会のあとに認定を受けるまでの手続きや、評価の方法などの細かな点は、年度ごとの募集案内で確認してください。
摂食嚥下障害の領域を例にすると、臨床で嚥下に関わる経験を積みながら、専門プログラムの講座を受け、条件がそろった年に講習会へ申し込む、という流れになります。早めに専門プログラムの受講を進めておくと、5年を超える経験年数に達した時点でスムーズに申し込めます。
認定の更新に必要なこと
認定言語聴覚士は5年を1クールとして更新が必要です。協会の案内では、更新は自動ではなく申請が必要で、更新されない場合は認定が取り消されるとされています。また、5年の期限内に次の3つの要件のうち2つを満たすこととされています。
- 日本言語聴覚学会への2回以上の参加、または日本言語聴覚学会への1回と関連学会への1回以上の参加
- 全国規模の学会での、認定領域に関する発表
- 認定領域に関する社会的貢献活動(所定書式の証明書が必要)
2026年度からは新しい生涯学習プログラムの申請受付が始まり、2027年度に完全移行する予定と協会が案内しています。更新を控えている方は、旧プログラムと新プログラムのどちらで手続きするのか、協会の案内で早めに確認しておきましょう。
転職やキャリアにどう生かせるか
認定言語聴覚士は、専門領域を継続して学んでいることを示す材料になります。応募先によって評価の度合いは異なりますが、次のような場面で役に立つ場合があります。
- 職務経歴書や面接で、専門領域への取り組みを具体的に伝えられる
- 摂食嚥下や失語症など、専門性を求める職場への応募で強みの一つになる
- 学会発表や社会的貢献の経験を通じて、他職種や地域とのつながりが広がる
資格手当の有無や金額は、職場ごとに異なります。気になる求人では、求人票や面接で「認定資格に対する手当や、研修参加への支援があるか」を確認しておくと安心です。
なお、協会は新しい生涯学習プログラムの中で「専門言語聴覚士」の新設を案内しています。取得条件などの詳しい内容は、協会の発表を確認しましょう。
よくある質問
Q. 臨床経験が5年未満でも、認定の準備はできますか
講習会への参加は、満5年を超える臨床経験が必要です。ただ、その前に生涯学習システムの専門プログラムを進めておくことはできます。経験年数に達する年に慌てないよう、計画的に受講しておくと安心です。
Q. 領域は複数取得できますか
複数の領域を取得できるかどうかは、制度の見直しなどで変わる場合があります。希望する場合は、協会の最新の案内や問い合わせ窓口で確認してください。
Q. 他団体の認定制度とは関係がありますか
他団体の認定制度での扱いは、団体ごとに異なります。認定言語聴覚士の取得が他の認定でどう扱われるかは、それぞれの団体の最新の案内で確認してください。
Q. 更新を忘れるとどうなりますか
協会の案内では、更新は申請が必要で、更新されない場合は認定が取り消されるとされています。5年の期限を手帳やカレンダーに書いておくと安心です。
まとめ
認定言語聴覚士は、学びを積み重ねてきたことを形にできる制度です。条件は年度によって見直されるため、最新の情報は日本言語聴覚士協会の公式サイトで確認してください。キャリアアップや職場選びの軸として、自分に合った領域から検討してみてはいかがでしょうか。
出典:日本言語聴覚士協会「生涯学習プログラムについて」「資格をお持ちの方へ」「新・生涯学習プログラム」(2026年11月時点で確認)