理学療法士が知っておきたい面接のポイント【具体例あり】

理学療法士(PT)が病院や施設に転職をする場合、転職試験において「面接」は必須となります。
転職試験時の面接での態度や姿勢が転職試験合格の鍵を握る大きなポイントとなります。

しかし、理学療法士は普段の業務において、営業や面接を行うことが少なく、転職試験時の面接で上手くいかずに転職に失敗するケースが多いようです。
「緊張してしまい考えていた内容が伝えられない」「そもそも何を伝えていいのかわからない」等と面接に対する苦手意識を感じている理学療法士が多く、転職試験時の一番の課題となっています。

そこで今回は「理学療法士(PT)が転職を成功させるために面接で押さえるべきポイント」について、実際に私が転職試験時の面接の際に聞かれた質問も提示しながら解説します。

もくじ

理学療法士の面接前の事前準備のポイント

理学療法士が転職試験時の面接に挑む際には、事前準備が重要になります。事前準備をしっかり行なっているか否かで、面接での受け答えに大きく影響を及ぼします。

ここでは、事前に準備すべきポイントについて「情報収集」について解説していきます。

病院や施設のホームページでの情報収集

まず始めに確認すべき項目は、転職先(病院や施設)の「理念」についてです。転職先にホームページがあるのであれば、ホームページ内に必ず理念が記載されています。あなたが現在勤務している病院や施設にも掲げられた理念があると思います。理念とは、経営者が持っている基本的な考えのことを指します。つまり、「会社の活動方針の基準となる基本的な考え」のことです。理念の中でも繰り返し使用されている語句に注目しましょう。

注意すべきポイントとしては理念をただ丸暗記するのではなく、その理念が何を達成するために掲げられているのかを考える必要があります。

そこで、理念の多くは抽象的なものが多いため、実際に理念に対して行なっていることについて調べてみましょう。そうすることで、実際に病院や施設が何を行なっていきたいのかを把握することができます。

例えば、「地域の健康増進への挑戦」という理念を掲げている病院があるとします。この理念に対して、実際に地域支援活動としてこの病院が何を行なっているのかを確認していきます。この情報収集をした上で面接に挑むことで、あなたが理学療法士としてどのような地域支援活動を行なっていくのかを具体的に提案することが可能となり、大きなアピールポイントとなります。

このように、事前の情報収集を行なっているからこそ面接当日に落ち着いた状態で挑むことができます。

病院や施設の所在地の地域特徴

多くの病院や施設は、地域を重要に考えていることが多いため、転職先の地域の特徴に関して調べることは必須になります。

例えば、地域の名産品や伝統行事などについて調べておくことが重要になります。

面接での質問で、「この病院や施設の位置する○○市についてどう思いますか?」と聞かれることがあります。地域密着を謳っていることが多く、知っているだけでも、地域に関心を持っているというアピールポイントになります。

また、近隣の病院や施設に関しても調べておくことで、志望している病院や施設の他とは違う魅力について考えることができます。

面接当日の身だしなみと面接対策

それでは、事前準備を行なった上での当日の面接対策は具体的にはどのようなことをすればいいのでしょうか?

ここでは、面接当日の服装や身だしなみと面接におけるスキルについて解説します。

面接当日の身だしなみと服装

人は視覚からの情報が80%程度と言われており、このことは第一印象にも大きく影響します。せっかく、上記の内容で事前に対策をしたにも関わらず、第一印象で悪い印象を与えてしまうと話している内容以前の問題となってしまいます。また、理学療法士は業務において清潔感を重視される傾向にあります。

そのため、面接当日の身だしなみと服装について抑えていきましょう。

  • 髪型は、男性女性ともに前髪を垂らしても目が隠れないぐらいの長さ。
  • 前髪が長い方は、左右に分けることで表情が見えるように。
  • 襟足は、ジャケットと髪の間からシャツの襟が見えるように。
  • 女性の場合は、ヘアピンは柄物を避けて、目立たないもの。
  • 服装は、上の写真のようにスーツが基本となります。スーツは黒系や濃紺で、シャツは白のワイシャツ、男性のネクタイは派手すぎないもの。
  • 下着にも配慮が必要で、色や柄の見えないものにしてワイシャツの上から透けないもの。

これらのポイントを抑え、採用担当者に清潔な印象を与え、第一印象で清潔感を与えましょう。

面接におけるスキル

次に面接におけるスキルについて確認していきましょう。

  • 挨拶ははっきりと、語尾は短く。
  • 姿勢は背筋を伸ばし顎は軽く引く。
  • お辞儀は45°を意識し、頭を下げた後は2秒ほど止まる。
  • お辞儀をしたまま歩き出さない。

面接での受け答えの際に意識すべきポイントは、以下の3つになります。

  • 相槌を打つ
  • 質問内容を繰り返し返答する
  • 返答の最後は、「以上が〜です。」の形で終わる

上記の3点が重要となります。

具体的に説明していきます。例として、志望理由について聞かれたとします。始めに相槌を打ち、質問内容を聞き、次のように答えていきます。「はい、私の志望理由としては貴院の〜に共感を得たためです。また〜、以上が私の志望理由になります。」

このようにメリハリをつけ話すことで、採用担当者に質問内容を理解していることを伝えることができます。また、採用担当者が複数人での面接の際は、次の方が質問しやすくなります。

理学療法士の面接での質問例と返答例

最後に、理学療法士の転職時の面接で実際によく質問される内容とその返答について紹介していきます。

ここでは、いくつか具体例を紹介しますが、自分自身に置き換えて考えていくことが重要になります。ありきたりな内容ではなく、あなた自身だからこそ伝えられる内容を意識して伝えていきましょう。

転職理由と志望理由

新入職と転職の大きな違いは、当たり前ですが転職の場合は勤務経験があるという点になります。そのため、履歴書や職務経歴書にも書いてあるとは思いますが、この部分を深掘りして聞かれることになります。

転職理由としては、「給与が安くて」「残業が多くて」などのネガティブな理由はオススメできません。給与や残業の面だけならこの病院や施設でなくても良くないか?となるためです。

これらの理由よりも、「新しい環境を求めて」「挑戦」「豊富な診療科であり、現職場ではできない経験をするため」等のポジティブな志望理由の方が面接官に好印象を与えることができます。

具体例としては、以下のようになります。

3年6ヶ月現在の病院で働き、脳卒中患者様に対するリハビリテーションの流れを急性期から在宅に至るまで経験することができました。その中で、自身の患者様に対する考え方の視野の狭さを感じ、より包括的に患者様に対して考えたいと思うようになりました。

そして、自身の自己分析を行うと呼吸器疾患や循環器疾患の方に対する経験不足を感じました。そのため、多くの疾患の方のリハビリテーションを行うことで、経験に基づき広い視野で患者様に対して接することができると考え転職を決意しました。

このように、前職での経験を踏まえ自身に足りない経験をできる環境ということを強調して伝えていくと好印象です。

また、情報収集の項でも触れましたが理念について触れ、地域の他の病院や施設と比べた上で、志望先でしかできないことについて強調することが重要となります。

これらの内容は、丸暗記するのではなく、要点を抑え強調したいポイントを明確にすることが重要です。

まとめ

今回述べたように理学療法士の転職時の面接のポイントとしては、事前の準備と当日の対策が必要になります。いずれにしても、志望する理由について深く考え、ありのままの思いを伝えることが他の理学療法士と差をつけるポイントとなります。

中でも新卒採用と異なり既卒採用の場合、採用側はあなたを即戦力として考えていることが多く、「自分のこれまでの経験・経歴」や「自分を採用することで得られるメリット」、「経験を生かしてどのようなことで貢献することができるか」などを明確にして伝えれば転職を成功させる確率を上げることができます。

ぜひ、以上に挙げたポイントを抑えて面接に挑み、一緒に働きたいと感じさせるような面接にしていきましょう。

また、リハビリ専門転職サイトに登録すれば、担当のアドバイザーが面接対策や履歴書・職務経歴書のアドバイスをしてくれます。希望をすれば面接の模擬練習も可能であり転職成功の可能性が拡大します。既卒での転職の場合は転職サイトのアドバイザーの利用をオススメします。

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一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や施設を含め、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって特徴が大きく異なります。例えば、電話だけの対応で素早さを重視する会社があれば、面接まで同行することで難しい案件への対応を得意としている会社もあります。他には、大手企業に強みを発揮する会社があれば、地方求人を多く保有している会社もあります。

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