育休後にブランク明けで再就職・転職する理学療法士が持つ不安
「子供も大きくなったし、そろそろ理学療法士(PT)として復帰しようかな」と考えてはいるものの、ブランク明けでの復職に不安を抱えていませんか?
理学療法士の中には、産後に数年間のブランクがあり再就職する女性も多くいます。専門職である理学療法士は、多少のブランクがあっても他の職種ほど再就職先を見つけることには苦労しません。
正社員でも非常勤(パート)でも、労働条件さえ選ばなければ転職先は見つかります。
しかし、産後にブランクがある女性理学療法士は、復帰の際にさまざまな不安要素を抱えている場合が多いです。そのことが原因で、再就職・転職をためらっている人もいます。
そこで今回は、「育休後にブランク明けで再就職・転職する理学療法士が抱える不安」について述べます。
もくじ
育休中の理学療法士が再就職の際に抱える5つの不安
理学療法士の場合、育児で数年のブランクがあって再就職・転職する人でも、労働条件に強いこだわりがなければ、多くの場合は苦労することなく転職先が見つかります。
ただ、再就職する理学療法士自身が、復帰に対していくつかの不安を抱えていることが多いです。特に、「専門職である理学療法士であるからこそ持つ悩み」というものがあります。このとき育休中の人が、それらのことへの対策を知っておくと、復帰する際に過剰に心配することがなくなります。
以下に、ブランク明けで育児中の理学療法士が抱えやすい5つの不安について記します。
理学療法士としての専門的知識が欠けている
リハビリの専門職である理学療法士は、医学全般に関する内容や、理学療法士に特化した知識・技術を学びます。
そして、それらの知識や技術の大半は、文献や書籍などからではなく、臨床で患者さんや利用者さんと接する中から学びます。確かに、学校で習うような教科書的な内容も大切ですが、臨床で仕事をするためには実践での学びが欠かせません。
そのため、出産を機に産休や育休で理学療法の臨床を長年離れてしまう場合には、どうしても知識や技術が衰えてしまう可能性があります。
このような悩みは、ブランクがある理学療法士の大半が、再就職・転職する際に持つものです。
しかし、実際にブランクから再就職・転職した理学療法士に話を聞いてみると、知識や技術に関しては、あまり心配する必要がないようです。大半の人は「1ヶ月も経てば慣れる」といいます。
このように、数年のブランクがあっても、専門的な知識や技術に関しては、そこまで心配しなくても大丈夫だといえます。
医療保険や介護保険制度に関する知識が欠けている
理学療法士は、医療保険制度や介護保険制度など、国が定めた制度を利用したサービスを提供することがほとんどです。そして、このような制度は数年ごとに改定されます。
そのため、産休や育休で数年間ブランクがある場合は、以前働いていたときと復帰後に大きく制度が変わっていることもあります。
理学療法士として、患者さんや利用者さんに関する制度を理解していることは必須です。制度の内容を把握しておかないと、患者さんや利用者さんに提案できるサービスの幅が狭まり、リハビリの進行に支障がでます。
そうしたことを避けるためにも、理学療法士は産休中や育休中でも、医療保険や介護保険の改定については把握するようにしておきましょう。
このような制度の改定は、テレビのニュースでも流れていますし、厚生労働省のホームページなどにも載っています。医療保険・介護保険ともに、数年に1回の改定ですので、確認するようにしておいてください。
理学療法士として働く体力が不安
理学療法士に限ったことではありませんが、数年間のブランクがあると、「1日仕事を行う体力があるだろうか?」という不安は誰もが抱えるものです。
産休中や育休中は家事や育児で大変といっても、仕事とは行う内容が異なります。また、以前は仕事や家事をこなすだけでよかったものの、産休や育休後は、それに育児も行わなければなりません。そのため、多くの人は産休や育休後に復帰する際には、体力面に関して不安を抱えています。
そうした不安を解消するためには、育休中や産休中も、時間を見つけて運動を行うように心がけることが大切です。
子供がいるため、1人で運動することは難しいかもしれませんが、子供と一緒に散歩をしたり、子供が寝ている間にストレッチをしたりすることはできます。このように、ハードな運動ではなく簡単な運動でも継続して行うことで、自然と体力は付きます。
また、ブランク後は「正社員の理学療法士としてではなく非常勤(パート)として復帰して、慣れてきたら正社員として再就職する」という方法も1つの手段です。
さらに職場によっては、「育児中は勤務時間を短くして早く帰ることができる」といった制度を取り入れているところもあります。そのような病院であれば、制度を有効に活用することで、体力面の不安を解消することができます。
このように、ブランク明けであっても、さまざまな方法で体力面の不安は解消できます。ただ、先ほども述べたように、あなた自身でも体力が衰えないような工夫を行うことも大切です。
患者や利用者、病院スタッフとののコミュニケーションが不安
理学療法士は、患者さんや利用者さんに接する仕事であるためコミュニケーション能力がとても大切になります。そして、日々の業務を行っていると、自然とコミュニケーション能力は付いてきます。
一方で産休中や育休中は、どうしても人とコミュニケーションを取ることが少なくなります。特に、育児や家事に追われて家の中にこもっているような状態の人も少なくありません。
そのため、理学療法士として再就職した後の患者さんや利用者さん、病院のスタッフなどとのコミュニケーションに不安を抱える人は少なくありません。
そうした不安を解消するためにも、地域で行われている子育てクラブや児童館などに積極的に行くことをお勧めします。そのような場では、子育中で同じような立場にある人たちが多く集まります。そのため、知らない人であっても話しかけやすく、気軽にコミュニケーションを取ることができます。
このような機会を利用して、人とのコミュニケーションを取ることで、理学療法士として再就職する際に持つ不安も小さくなります。
理学療法士という仕事と育児の両立が不安
ブランク明けで育児中の理学療法士が抱える不安として最も多いのが、「仕事と育児の両立に対する心配」です。
育休中は、育児だけを行うことでも手一杯になる人がほとんどです。そのような状況で、「理学療法という仕事まで行うことができるのか?」という不安を持つ人は多くいます。
しかし、実際に仕事と育児を両立している人に話しを聞くと、「体力的には大変だけど、仕事をしていた方が楽」という人も少なくありません。
育児だけであると、24時間子供と接しているため、気を休める暇がありません。一方で仕事を始めると、休憩中などは1人の時間として使うことができます。そのため、「気持ち的に楽」と感じる人が多いようです。
確かに、家事と育児の両立は大変ですが、このように、「仕事を行っているほうが楽」と感じる人も多いです。
そのため、過剰な心配はせずに再就職しても大丈夫だと考えてよいでしょう。また、再就職には家族の協力が必ず必要ですので、家族間で家事や育児の役割についてもこの機会に話し合うことをお勧めします。そうすることで、再就職後の家族間トラブルを減らすことができ、精神的にも安定して仕事を行えます。
そして、不安が大きい場合は、正社員の理学療法士として復帰するのではなく、非常勤(パート)として働くことも1つの有効な手段です。あなたのペースに合わせた再就職プランを考えてみましょう。
今回述べたように、ブランク明けで育休中の理学療法士が再就職する際には、多くの悩みを抱えていることがほとんどです。
しかし、多くの理学療法士は、心配を抱えながらも復帰しています。そのため、このような状況でも過剰な心配はせずに再就職して問題ないといえます。ただ、「全く苦労しない」というわけではありませんので、周りの協力を得ながら行うことが大切です。
リハビリ関係者が転職を考えるとき、転職サイトを活用するとより自分の希望に沿う求人を見つけることができるようになります。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉まで行うのは現実的ではありません。
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