人事担当経験者が教える決断前の自己分析ステップ
「このまま今の職場で働き続けていいのだろうか…」
「給料もなかなか上がらないし、将来が少し不安…」
「家族との時間も大切にしたいけど、キャリアアップもしたい…」
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)として経験を積んでこられた、特に30代前後の皆さん。日々の業務に追われながらも、ふとご自身のキャリアについて、そんな風に考えることはありませんか?
回復期病棟で8年間頑張ってきたけれど、給与の伸び悩みを感じ、訪問リハビリという新しい分野にも興味がある…
でも、家族もいるし、簡単には決断できない。
そうしたお悩み、よく耳にします。
私は長年、医療・福祉分野の施設で管理職として、人事採用にも携わってきました。多くのセラピストのキャリアを見てきた経験から断言できるのは、転職という大きな決断の前には、徹底的な自己分析が不可欠だということです。
「自分の強みがよくわからない」「なんとなく、ここじゃない、もっと良いところで働きたい」といった漠然とした思いのまま転職活動を始めてしまうと、思うような結果に繋がりにくかったり、転職後に「こんなはずじゃなかった」と後悔したりするケースも少なくありません。
今回は、皆さんがご自身のキャリアとしっかり向き合い、採用担当者の視点も踏まえて「自分の市場価値」と「本当に望む働き方」を見つけるための自己分析ステップを、具体的にお伝えします。このステップを踏むことで、自信を持って次のキャリアへ進むための土台が築けるはずです。
1. なぜ迷うのか?「不満」と「希望」を言葉にする
まず、あなたが今感じている「モヤモヤ」の正体を突き止めましょう。なぜ転職を考え始めたのでしょうか?
- 現状への不満: 給与、労働時間、人間関係、評価制度、業務内容のマンネリ化…具体的に何が一番気になりますか?
- 将来への不安: このまま今の職場でスキルアップできるか、役職は? 5年後、10年後の自分の姿を想像できますか?
- 叶えたい希望: 例えば「訪問リハビリに挑戦したい」「もっと専門性を深めたい」「家族との時間を確保できる働き方がしたい」「マネジメントに関わりたい」など、ポジティブな動機は何でしょうか?
【人事担当者Tips】 面接では必ずと言っていいほど転職理由を聞かれます。ここで、不満だけでなく「将来こうなりたい」というポジティブな希望や目的を具体的に語れると、採用担当者はあなたの意欲や計画性を評価しやすくなります。まずは自分自身のために、正直な気持ちを書き出してみましょう。
2. 今いる場所で、できることは? – 転職決断前の冷静な現状分析
転職は選択肢の一つですが、最終手段と考えるのが賢明です。今の職場で、状況を改善できる可能性は残っていませんか?

- 異動や役割変更の希望: 部署や担当業務が変われば、新たなスキルを習得できたり、環境が変わったりする可能性があります。
- 上司への相談: 給与や待遇、キャリアパスについて、具体的な希望や考えを伝えてみましたか? 改善提案をしてみるのも良いでしょう。
- 業務改善: 自分自身の工夫で、仕事の進め方を変えたり、効率化を図ったりすることはできませんか?
【人事担当者Tips】 現職で課題解決に向けて行動した経験は、「主体性」や「問題解決能力」のアピールになります。もし、様々な手を尽くしても改善が見込めない、あるいは努力に見合わないと感じる場合は、それが転職を決断する一つの根拠となります。
3. あなたの「市場価値」は? – 採用担当者目線でのキャリア棚卸し
さて、ここが今回の肝となるステップです。「自分の強みがわからない」と感じている方も、心配いりません。これまでの経験を客観的に振り返り、あなたの「価値」を見つけ出しましょう。

- 経験・スキルの棚卸し:
- 担当領域・疾患: 脳血管、運動器、呼吸器、小児、老年期、精神科、難病… 具体的にどんな患者さんを、どのくらいの期間担当しましたか?
- 役割・役職: リーダー、サブリーダー、新人指導、実習生担当、委員会活動、勉強会講師などの経験は?
- 習得手技・知識: 特定の治療手技、評価バッテリー、学会発表、研修受講歴、専門・認定資格など。
- 実績: 業務改善によるコスト削減、患者満足度向上への貢献、後輩育成の実績など、具体的な成果があれば書き出しましょう。(可能であれば数値化できるとベターです)
- 強みの発見:
- 「当たり前」にやっている業務の中に、実はあなたの強みが隠れています。(例:多職種連携がスムーズ、難しい患者さんとの信頼関係構築が得意、資料作成が丁寧など)
- 同僚や上司、患者さんから褒められたこと、感謝されたことを思い出してみましょう。
- 過去の成功体験を振り返り、「なぜ上手くいったのか?」を分析してみましょう。
- 価値観の明確化:
- 仕事をする上で、あなたが絶対に譲れないものは何ですか?(給与水準、ワークライフバランス、専門性の追求、職場の雰囲気、通勤時間、教育体制など)
- 特に、ペルソナ例のようにご家族がいらっしゃる方は、「家族との時間」や「安定性」といった要素も重要な判断基準になりますね。
【人事担当者Tips】 採用担当者は、応募書類や面接を通して「この人は、うちの施設(会社)で活躍してくれるか」「どんな貢献をしてくれるか」を見ています。あなたの経験やスキルが、応募先のニーズとどう合致するのかを具体的に示すことが重要です。この棚卸しは、そのための材料集めなのです。特に、リーダー経験や後輩指導経験、業務改善への貢献などは、多くの職場で評価されるポイントです。
4. あなたにとっての「良いところ」とは? – 転職で実現したいことの具体化
自己分析で見えてきた「自分の価値」と「大切にしたいこと」を基に、「なんとなく良いところ」という漠然としたイメージを、具体的な転職先の条件に落とし込んでいきましょう。
- Must(絶対条件)/ Want(希望条件)リスト作成:
- Must: これだけは譲れない最低限の条件(例:年収〇〇万円以上、年間休日〇日以上、通勤時間〇分以内、訪問リハビリの経験が積める、残業月〇時間以内など)
- Want: あれば嬉しい条件(例:託児所あり、資格取得支援制度、研修が充実、チームワークが良い雰囲気、新しい手技を学べるなど)
- キャリアプランとの接続: 「訪問リハビリに興味がある」なら、どのような形で関わりたいのか(立ち上げ?既存チーム?)、そのために必要なスキルは何か、具体的に考えてみましょう。
- 情報収集の軸: このリストが、求人情報を効率的に探し、比較検討する際の「軸」となります。

【人事担当者Tips】 面接で「将来どうなりたいか(キャリアプラン)」を聞かれた際に、自己分析に基づいた具体的なビジョンを語れると、目的意識の高さを示せます。また、企業の理念や求める人物像と、あなたの希望がどれだけマッチしているかを、あなた自身が見極めるためにも、このステップは非常に重要です。
まとめ:自分の軸を見つけ、自信を持って次の一歩へ
ここまで、自己分析のステップを一緒に見てきました。いかがでしたでしょうか?
転職を迷う時期は、ご自身のキャリアと真剣に向き合う貴重な機会です。焦って結論を出す必要はありません。今回ご紹介したステップを通して、
- あなたが本当に望む働き方(価値観)
- あなたの強みと市場価値
- 転職によって実現したい具体的な目標
これらを明確にすることが、何よりも大切です。これが「キャリアの軸」となり、今後のあなたの選択に自信を与えてくれるはずです。
自己分析の結果、現職に留まるという選択をするかもしれませんし、本格的に転職活動に進む決意をするかもしれません。どちらの道を選んだとしても、ご自身の軸を持って進むことが、納得のいくキャリアに繋がります。
あなたの可能性を最大限に活かすために
「自己分析はしてみたけど、自分の強みをどうアピールすればいいか分からない…」
「キャリアプランがまだ漠然としている…」
「応募書類の書き方や面接対策に不安がある…」
そう感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。特に、採用担当者の視点を意識した効果的なアピール方法や、自身のキャリアプランを客観的に評価してもらうことは、一人では難しいものです。
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