「訪問リハビリに興味はあるけれど、実際にどんな働き方なのかイメージがわかない」。そう感じている理学療法士・作業療法士の方は少なくありません。この記事では、訪問リハビリの仕事内容や給料の考え方、1日の流れ、向いている人の特徴までを整理します。転職を検討するときの判断材料としてお役立てください。
訪問リハビリとは|病院・施設との3つの違い

訪問リハビリは、利用者の自宅に出向いてリハビリを提供するサービスです。介護保険または医療保険が適用されます。病院や施設のリハビリとは、働き方の前提が大きく異なります。主な違いを3つに整理しました。
1. 生活の場でリハビリを行う
訓練室ではなく、利用者が実際に生活している空間が現場になります。玄関の段差や浴室の手すりなど、その方の生活動作に直結した課題にアプローチできます。設備が整った環境ではない分、限られた条件の中で工夫する力が求められます。
2. 1対1でじっくり関われる
1回あたり40〜60分程度を、利用者と1対1で過ごします。複数の患者さんを同時に見る必要がないため、一人ひとりにじっくり向き合いたい方には魅力的な環境です。一方で、その場で相談できる同僚がそばにいないという側面もあります。
3. 移動時間が業務に含まれる
訪問と訪問の間には移動が発生します。車や自転車で移動する時間も勤務時間の一部です。担当エリアの広さによって、1日に回れる件数や体力的な負担が変わってきます。求人を見るときは、担当エリアの範囲も確認しておきたいポイントです。
訪問リハビリの給料をどう考えるか

まず前提として、リハビリ職全体の給与水準を確認しておきます。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士を合わせた平均月給は300,900円、年間賞与は714,400円でした。年収に換算すると、およそ444万円です。(出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」)
訪問リハビリの分野では、この水準より高い金額が提示される求人も見られます。訪問件数に応じた手当が設定されているケースがあるためです。ただし注意したいのは、提示されている年収の「内訳」です。
求人票で必ず確認したい3点
- 基本給とインセンティブの割合:訪問件数に連動する部分が大きいほど、体調不良やキャンセルの影響を受けやすくなります
- 1日あたりの訪問件数の目安:想定件数が多すぎないか、移動時間を含めて現実的かを確認します
- 移動手段と車両・交通費の扱い:社用車があるか、自家用車の場合はガソリン代や保険がどう扱われるかは事業所によって異なります
年収の総額だけで比較すると、入職後に「思っていた条件と違った」となりかねません。内訳まで踏み込んで確認することをおすすめします。
訪問リハビリの1日の流れ

事業所によって差はありますが、一般的な1日の流れは次のようなイメージです。
| 時間帯 | 主な業務 |
|---|---|
| 8:30 | 出勤・その日の訪問先とカルテの確認 |
| 9:00〜12:00 | 午前の訪問(2〜3件) |
| 12:00〜13:00 | 休憩(事業所に戻る場合と、外で取る場合があります) |
| 13:00〜16:30 | 午後の訪問(3〜4件) |
| 16:30〜17:30 | 記録作成・報告書のまとめ・翌日の準備 |
1日あたり5〜6件程度が一つの目安です。記録業務をどこで行うか(訪問先で入力できるのか、事業所に戻ってからか)によって、残業の発生しやすさが変わります。この点も面接で確認しておくと安心です。
訪問リハビリに向いている人・慎重に考えたい人
向いている人
- 利用者一人ひとりとじっくり関わりたい方
- 生活動作に直結したリハビリにやりがいを感じる方
- 自分で判断してリハビリを組み立てたい方
- ご家族との関わりや在宅での支援に関心がある方
慎重に考えたい人
- チームで相談しながら進めたい方(訪問中は基本的に一人で判断します)
- 急性期の医療的な知識や技術を集中的に磨きたい方
- 運転が苦手な方(担当エリアによっては移動距離が長くなります)
ここに挙げた項目は、優劣ではなく相性の話です。ご自身がどんな働き方に納得感を持てるかという視点で見ていただければと思います。
訪問リハビリへの転職を進めるステップ
訪問リハビリの求人は、訪問看護ステーション・訪問リハビリテーション事業所・病院や老健の在宅部門など、運営元がさまざまです。運営元によって働き方や研修体制が変わるため、比較しながら探すことが大切になります。
ステップ1:条件の優先順位を決める
給与・訪問件数・エリアの広さ・研修体制のうち、どれを優先するかを先に決めておきます。すべてを満たす求人は多くないため、優先順位が決まっていると判断がぶれません。
ステップ2:複数の求人を比較する
訪問リハビリは事業所ごとの差が大きい分野です。1件だけ見て決めるのではなく、複数を並べて比較すると、提示条件が相場と比べてどうなのかが見えてきます。
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ステップ3:面接で働き方の実態を確認する
1日の訪問件数、記録業務のタイミング、移動手段、緊急時の対応体制。この4点は入職後の働きやすさに直結します。面接の場で遠慮なく質問しておきましょう。
よくある質問
経験が浅くても訪問リハビリに転職できますか?
事業所によっては、経験3年以上を目安としているところもあります。ただし同行研修の体制が整っている事業所であれば、経験が浅い方を受け入れているケースもあります。研修期間の長さと内容を確認してみてください。
運転免許は必須ですか?
多くの事業所で普通自動車免許が条件となっています。都市部では自転車や電動自転車で訪問する事業所もあるため、免許がない場合はエリアを絞って探すことになります。
訪問リハビリから病院に戻ることはできますか?
可能です。在宅での経験は、退院支援や生活期の視点を持つ人材として評価されることがあります。キャリアの選択肢が狭まるわけではありません。
まとめ
訪問リハビリは、生活の場で1対1でじっくり関われる働き方です。給与面で高い条件が提示されることもありますが、内訳と訪問件数の実態まで確認することが大切になります。ご自身が納得できる働き方かどうかという視点で、複数の求人を比較してみてください。
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