理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)として転職活動を始める際、多くの人が利用するのが転職エージェントです。しかし、登録した途端に「電話が鳴りやまない」「希望と全く違う求人を大量に送ってくる」「担当者と話が噛み合わない」といったストレスを抱えるケースは後を絶ちません。
日々の臨床業務で忙しい中、自分のペースを乱されるような連絡が続くと、転職活動そのものが嫌になってしまいますよね。
今回は、「エージェントの連絡がしつこい」「担当者と合わない」と悩むリハビリ職の方へ向けて、角を立てずに連絡をコントロールする賢い対処法と、失敗しない担当者変更の進め方をメールの例文付きで徹底解説します。
なぜ転職エージェントの連絡は「しつこく」なりがちなのか?

「自分の電話に出ない対応が悪いのかな?」と自分を責める必要はありません。まずは、エージェント側がなぜあのような必死な連絡をしてくるのか、その「裏側の仕組み」を客観的に理解しておきましょう。
1. 成功報酬型のビジネスモデルによるインセンティブ
転職エージェントのほとんどは、求職者が無料で利用できる代わりに、転職が成立して初めて採用側の病院や企業から紹介手数料(一般的に理論年収の20〜35%程度)を受け取る「成功報酬型」のビジネスモデルです。
つまり、担当するキャリアアドバイザーにとっては、あなたが「入職」しなければ売上がゼロになります。そのため、営業的なノルマを持つ担当者には、「早く動いてほしい」「他社ではなく自社経由で決めてほしい」というインセンティブが強く働き、結果として連絡が急かされるような形になりやすいのです。
2. 数十人から百人以上の求職者を同時に担当している
キャリアアドバイザーは、あなた一人だけをサポートしているわけではありません。同時に数十人から、多い人では100人以上の求職者を抱えています。
一人ひとりの細かい事情(「今日は日勤だから夕方まで電話に出られない」など)を完璧に把握するのは難しく、システムを使った求人の一斉送信や、機械的な自動マッチングが行われることがあります。これが、「こちらのペースを無視した一方的な連絡」に感じてしまう原因です。
3. 病院や企業の選考スケジュールに追われている
採用活動を行っている病院や企業には、「いつまでに面接を組みたい」「いつまでに内定の返事が欲しい」という厳格なスケジュールがあります。エージェントは企業側から急かされている場合があり、そのプレッシャーがそのまま求職者への連絡の頻度や強さに直結してしまうケースもあります。
この担当者で大丈夫?「合わない」と感じた時の5つの危険サイン

連絡が多いだけでなく、「そもそもこの担当者に任せて大丈夫なのか?」と不安になることもあるでしょう。以下の5つの危険サインに当てはまる場合は、担当者の変更を検討すべきタイミングかもしれません。
1. 希望条件とズレた求人ばかりを大量に押し付けてくる
「残業が少ない回復期リハビリテーション病棟」を希望しているのに、人手不足で激務な急性期病院や、全く希望していない訪問看護ステーションの求人ばかりを提案してくるケースです。これは、あなたの希望よりも「受かりやすい求人」や「自社のノルマ」を優先しているサインです。
2. 入社や内定承諾、応募を強引に急かしてくる
「今すぐ応募しないと枠が埋まってしまいますよ」「この条件で内定が出たのだから、今すぐ承諾すべきです」とやたらと決断を急かしてくる担当者には注意が必要です。転職はあなたの人生の大きな決断であり、エージェントの実績作りのために急いで決めるものではありません。
3. 高圧的・上から目線で話を聞いてくれない
あなたのこれまでの臨床経験を否定したり、「その条件ではどこも受かりませんよ」と頭ごなしに決めつけたりする担当者とは、健全な信頼関係を築くことはできません。良きパートナーとして伴走してくれる担当者を見つけるべきです。
4. 連絡スピードが極端(しつこすぎる、または遅すぎる)
就業中にも関わらず四六時中しつこく電話をかけてくる一方で、こちらから面接の対策や求人の詳細について質問すると、何日も放置されるようなケースです。対応に誠実さを欠く担当者は、いざという時の条件交渉でも頼りになりません。
5. リハビリ業界の知識が浅く、アドバイスが的外れ
「PTとOTの役割の違いを分かっていない」「施設基準や診療報酬の基本的な仕組みを知らない」など、リハビリ業界特有の専門知識が不足している担当者もいます。具体的なフィードバックが得られず、一般論や精神論ばかりを語る担当者では、効果的な面接対策は望めません。
連絡を激減させる!段階的に使える3つの具体的対処法

エージェントの連絡に疲弊した場合、いきなり着信拒否や無視をするのはNGです。まずは段階的に以下の対処法を試し、主導権を自分に取り戻しましょう。
対処法①:連絡可能な「時間帯」と「手段」を文字で指定する
リハビリ職は日中ずっと患者様の対応をしており、電話に出ることは不可能です。「仕事中なので出られません」と伝えるだけでは、時間を変えて何度も着信が残ってしまいます。ポイントは、「電話ではなくメール(またはLINE)にしてほしい」と連絡手段を明確に指定することです。
【電話からメールへ変更してもらう時の文面例】
〇〇様
いつもお世話になっております。
現在、日中は患者様の対応等で電話に出ることが難しいため、今後のご連絡は原則【メール(またはLINE)】でお願いいたします。
急を要する確認事項や、どうしてもお電話が必要な場合は、事前にメールにてご都合の良い候補時間をご連絡いただけますと幸いです。
対処法②:連絡や提案の「頻度」を制限する
システムから1件ずつ小出しに求人が送られてきて、その都度返信を求められると疲れてしまいます。「週に1回、まとめて送ってほしい」と具体的な数値と頻度で依頼しましょう。
【連絡頻度を下げ、求人をまとめてもらう時の文面例】
〇〇様
いつも求人のご紹介ありがとうございます。
いただいた求人を週末にじっくりと比較検討したいため、今後は私の希望条件に合う求人を【週に1回、5件以内】にまとめてお送りいただけますでしょうか。
面接の調整など緊急の用件を除き、日常的な個別のご連絡は控えていただけますと大変助かります。
対処法③:求人紹介だけを一時的に「ストップ」する
「今は忙しくて転職活動どころではない」「一度自分の希望を整理したい」という場合は、エージェントを退会しなくても、求人紹介のみを一時停止することが可能です。
【求人紹介を一時停止する時の文面例】
〇〇様
いつも手厚いサポートをいただきありがとうございます。
現在、現職の業務が立て込んでおり、一度立ち止まって転職時期や希望条件を再考したいと考えております。
そのため、誠に勝手ながら新しい求人のご紹介は一度停止していただけますでしょうか。活動を再開する際には、こちらから改めてご連絡いたします。
角を立てずに「担当者変更」を依頼するコツとメール例文
上記の対処法を試しても連絡のペースが改善されない場合や、そもそも担当者と合わない場合は、「担当者変更」を依頼しましょう。
担当者変更は日常茶飯事!気まずく思う必要はない
「担当を変えてもらうなんて失礼なのでは?」「ブラックリストに載って良い求人を回してもらえなくなるのでは?」と心配する方がいますが、その心配は無用です。
転職エージェントにとって、担当者の変更は日常茶飯事です。相性が合わないまま他社に乗り換えられてしまうくらいなら、担当者を変えて自社で転職を決めてもらった方がエージェント側にとってもメリットがあるからです。
やんわりと伝える「感謝・理由・お願い」の基本構成
変更を依頼する際は、感情的に批判をぶつけるのではなく、「感謝 ➔ 理由 ➔ お願い」という構成でポジティブかつ丁寧に伝えます。
個人の性格や能力を否定するのではなく、「進め方のペース」や「目指す方向性とのズレ」を理由にすると角が立ちません。また、直接担当者に言いにくい場合は、エージェントの公式サイトにある「問い合わせ窓口(フォーム)」から連絡するのがスムーズです。
【メール例文】問い合わせ窓口へ送る担当変更の依頼
件名: 担当者様ご変更のご相談(登録番号:〇〇〇〇)
〇〇エージェント 問い合わせ窓口ご担当者様
いつもお世話になっております。[自分の氏名]と申します。
貴社の転職支援サービスにおいて、現在は〇〇様にご担当いただき、熱心にご対応いただいていること誠に感謝しております。
この度ご連絡いたしましたのは、今後の転職活動の進め方についてご相談があったためです。
〇〇様には様々なアドバイスをいただいておりますが、私が目指しているキャリアの方向性と、現在ご紹介いただいている求人のプランとの間に少しズレを感じております。また、連絡のペース等に関しても、私の現在の就業状況と少し合わない部分がございました。
今後の転職活動をより自分に合った形でスムーズに進めていくため、大変恐縮ではございますが、可能であれば担当者様の変更をご検討いただくことはできますでしょうか。
お手数をおかけしてしまい誠に申し訳ございませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。
[署名(氏名・連絡先)]
担当者と合わないリスクを分散する「複数併用」と「正しい退会手順」
どれほど優れたエージェント企業であっても、最終的には「人と人」の相性です。リスクを減らし、納得のいく転職活動を進めるための基本戦略を押さえておきましょう。
転職エージェントは「複数登録」が鉄則
1社だけに依存してしまうと、その担当者がハズレだった場合に転職活動全体が停滞してしまいます。転職を成功させているリハビリ職の多くは、2〜3社(大手総合型のエージェントと、リハビリ職に特化した専門エージェント)を併用しています。
複数を利用して比較することで、自分と最も相性の良い優秀なアドバイザーを見極めることができます。他社の利用を隠す必要はなく、「他社でも選考を進めている」と正直に伝えることで、エージェント側も「早く良い求人を出さなければ」と優先度を上げて対応してくれるというメリットもあります。
退会やブロックをする前に必ず確認すべきこと
どうしてもそのエージェントの利用を辞めたい場合でも、いきなり着信拒否をしたり、LINEをブロックしたりするのは厳禁です。
もし「書類選考中」や「面接予定」「内定の回答待ち」の求人が残っている状態で音信不通になると、応募先の病院や企業に多大な迷惑がかかり、最悪の場合は業界内で悪評が立ってしまうリスクがあります。
退会する際は、必ず現在の選考状況を確認し、進行中のものがあれば「他社で内定が出たため、現在進んでいる選考はすべて辞退でお願いします」と明確に伝えてから退会手続きを行ってください。退会後もシステムから自動で連絡が来る場合は、個人情報に関する専用窓口へデータの削除依頼を出しましょう。
まとめ:自分に合ったパートナーを見つけて転職を成功させよう
転職エージェントの連絡がしつこい、担当者と合わないと感じたときは、我慢してストレスを抱え込む必要はありません。
エージェント側のビジネスの仕組みを理解した上で、連絡のルールを明確に指定し、それでも改善されなければ遠慮なく担当者変更を申し出ましょう。転職活動の主役はエージェントではなく、あなた自身です。
複数のエージェントを上手に使い分けながら、あなたの目指すキャリアにしっかりと寄り添い、二人三脚で歩んでくれる信頼できるアドバイザーを見つけ出してください。
まずは無料で転職相談してみよう
転職を考えはじめたら、まずはリハビリ職専門の転職エージェントに相談するのがおすすめです。
登録・相談はすべて無料です。
まずは登録して実際の求人情報を見てみることから始めましょう!
数年前まではあまり一般的ではありませんでしたが、現在好条件の職場を見つけている療法士はサイトから検索しています。



