育休後にブランク明けで再就職・転職する作業療法士が持つ不安
作業療法士(OT)の中には、出産を機に一度退職して現場を離れる人が少なくありません。そしてその中の多くは、子供が幼稚園や小学校に入学するときに、作業療法士として再就職・転職を考えます。
ただ、そのように数年間のブランクがある上に、育児をしながら作業療法士として現場に復帰する人の中には、不安を抱えているが多くいます。
そして、その不安が元で、作業療法士として再就職・転職することを躊躇している人もいます。そのため、同じような状況にある作業療法士が実際に持つ不安について知っておくことは大切です。
そうすることで、同じような悩みを持つ人がいることを知ることができるため、再就職・転職への不安が小さくなります。
そこで今回は、「育休後のブランク明け作業療法士が再就職・転職する際に抱える不安」について解説します。
もくじ
知識・技術に関する不安
作業療法士は、リハビリに関する専門職です。そのため、リハビリに関することはもちろんのこと、医学や介護、その他健康に関係する知識・技術を有している必要があります。そうでないと、患者さんや利用者さんに質の高いサービスを提供することができません。
そして、そのような知識や技術は、日々の業務で患者さんに対してリハビリを行うことや、臨床で感じた疑問を文献や教科書を使って調べることで磨かれます。
そのため、作業療法が行く休中に臨床を数年間離れる時間ができると、どうしても専門的な知識や技術が衰えてしまいます。確かに、育休中でも文献や参考書を読むことで、ある程度の知識を維持することはできます。しかし、紙面上で学ぶことができるものは限られています。
また作業療法士の多くは、医療保険や介護保険制度の下で仕事をしています。そのため、そうした保険制度に関する知識も欠かすことができません。
ただ医療保険や介護保険は、数年に1回のペースで大きく変わります。つまり、育休中に数回の制度改定が行われることになります。そうなると、育休後に再就職・転職したときには、以前働いていたときと医療保険や介護保険に関する制度が全く異なっている可能性があります。
このように、育休後にブランク明けで再就職・転職する作業療法士の多くは、「専門的知識・技術」「制度に関する知識」に関して不安を抱えています。
しかし、実際にブランク明けで復帰した人に話を聞いてみると、ほとんどの人は「1ヶ月もすれば慣れる」「一度しっかり覚えたことはまた思い出す」といいます。そして、制度に関しても、「働き始めて改めて学べば問題ない」ようです。
ただ、作業療法士として再就職・転職してから、新たに制度を学び始めると、最初のうちは患者さんや利用者さんのサービスに支障が出る可能性があります。そうしたことを避けるためにも、医療保険や介護保険に関しては、育休中も意識して情報を取り入れておくようにしましょう。
医療保険や介護保険の大きな改定は、数年に1回です。そうした情報は、インターネットからでも簡単に得ることができるため、できる限りチェックするようにしましょう。
コミュニケーションに関する不安
作業療法士は、患者さんはもちろんのこと、医師や看護師、ケアマネなど、多くの人とコミュニケーションを取らなければいけない職業です。そして、そのようなコミュニケーション能力は、毎日人々と接していることで自然と身についていきます。
そして育休中の作業療法士は、そのように患者さんや職場のスタッフなどとコミュニケーションを取る機会がほとんどなくなります。
また、子育てをしていると子供中心の生活になるため、そのような仕事に関係する人たちばかりでなく、友人などと話す機会も少なくなります。そのため、人とコミュニケーションを取ることが極端に減ります。
そうなると、作業療法士として再就職・転職する際に、「患者さんや職場のスタッフと上手くコミュニケーションが取れるだろうか」と不安になる人も少なくありません。特に作業療法士という仕事では、コミュニケーション不足は患者さんからのクレームにつながるなど、トラブル発生の原因となりやすいです。
そこで、再就職・転職の際に起こるそうした不安を解消するための方法として、「地域で開催される子育てクラブなどに参加する」ことをお勧めします。
どこの地域でも、県や市が中心となって子育て支援のために、さまざまなクラブやイベントを行っています。そうした場では、同じように子育てや再就職・転職に悩む人たちが多く集まります。そして、同じような立場にある人たちが集まるため、気軽にコミュニケーションも取ることができます。
こうした機会を上手く利用して、コミュニケーション能力を維持することができます。そうすれば、作業療法士として再就職・転職する際に出てくる不安も小さくなるはずです。
家事と育児の両立に関する不安
子供がいて再就職・転職する作業療法士の多くは、育児と仕事の両立に対して不安を抱えています。
育休中は育児と家事にだけに専念しているといっても、非常に忙しい日々を過ごしています。そのような状況で作業療法士として再就職・転職するとなると、「本当に仕事と育児を両立できるのか?」と不安になるのも当然です。
しかし実際には、仕事と育児の両立に関しては、あまり不安を持たなくても大丈夫のようです。
そのような経験をしている人に話を聞いてみると、「何とかなる」や「1日中子供といるよりも気持ち的に楽」「収入が増えるため、生活自体は楽になった」というように、ポジティブな意見が多いです。
こうしたことからも、あまり仕事と育児の両立に関しては、そこまで不安に思う必要はないといえます。
ただ、仕事と育児の両立が大変であることは変わりありません。そのため、実家が近いのであれば、両親に頼ったり、旦那さんに家事を手伝ってもらったりするなどの工夫も行うことが大切です。
また、常勤職での再就職・転職が不安な場合は、最初は非常勤(パート)として復帰することも不安を少なくする1つの方法だといえます。そして、仕事と育児の両立に慣れたら、常勤に戻るという方法もあります。。
このように、家事と育児の両立は大変ですが、問題なく行えることがほとんどです。そのため、過剰な心配はせずに作業療法士として再就職・転職して大丈夫だといえます。
今回述べたように、育休後のブランク明け作業療法士が再就職・転職する際には、多くの不安を抱えている場合がほとんどです。
しかし、どのような悩みであっても過剰に心配する必要はないといえます。ただ、「全く苦労しない」というわけではありませんので、周囲の協力を得ながら再就職・転職を行うことが大切です。
リハビリ関係者が転職を考えるとき、転職サイトを活用するとより自分の希望に沿う求人を見つけることができるようになります。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉まで行うのは現実的ではありません。
一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や施設を含め、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。
ただ、転職サイトによって特徴が大きく異なります。例えば、電話だけの対応で素早さを重視する会社があれば、面接まで同行することで難しい案件への対応を得意としている会社もあります。他には、大手企業に強みを発揮する会社があれば、地方求人を多く保有している会社もあります。
これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。
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