転職を成功させる理学療法士へ！採用担当者が語る「理想の人物像」と「退職理由」の真実

2025年6月1日2025年6月12日

理学療法士として、新たなステージで輝きたいあなたへ。

このブログを読んでいるあなたは、きっと今の職場で培った経験を活かし、もっと自分らしく、もっとやりがいを感じられる職場を求めていることでしょう。しかし、「転職」という二文字は、期待と同じくらい不安も伴うものです。特に中途採用の場合、採用担当者がどんな理学療法士を求めているのか、そして面接で必ず聞かれる「前職を辞めた理由」にどう答えるべきか、頭を悩ませている方もいるかもしれません。

この記事では、リハビリテーション科の管理職として、日々多くの理学療法士の面接を行っている私が、「中途採用で本当に欲しい人物像」と、「意外と合否を大きく左右する退職理由の伝え方」について、採用側の本音を交えて徹底解説します。

これを読めば、あなたの転職活動が成功に一歩近づき、理想の職場と出会えるはずです。

採用担当者が「ぜひ採用したい！」と熱望する理学療法士の人物像

中途採用において、私が面接で「この人こそ採用したい！」と心から思う理学療法士は、単にスキルや経験が豊富というだけではありません。もちろんそれらも重要ですが、それ以上に、一緒に働く仲間として、そして患者様の人生を支えるプロフェッショナルとして、どのような資質を持っているかを重視しています。

具体的には、以下の4つのポイントを兼ね備えている方を高く評価します。

1. 変化に適応し、成長し続けられる「素直さ」と「学習意欲」

医療の世界は日進月歩。昨日までの常識が明日には古くなることも少なくありません。だからこそ、新しい知識や技術を積極的に吸収し、自身のやり方や考え方を見直せる素直さは非常に重要です。

「もっと知りたい」「もっと上手になりたい」という知的好奇心と向上心を持ち、研修会や勉強会に積極的に参加し、最新の知見を臨床に活かそうと努力できる方。
先輩や同僚からのフィードバックを真摯に受け止め、自身の成長の糧にできる柔軟な姿勢を持っている方。

経験に安住せず、常に学び続ける姿勢がある方を高く評価します。

2. チームの一員として貢献できる「協調性」と「コミュニケーション能力」

理学療法は、医師、看護師、医療ソーシャルワーカーなど、多職種との連携なくしては成り立ちません。患者様の情報を共有し、最適なリハビリテーションを提供するためには、円滑なコミュニケーション能力と協調性が不可欠です。

患者様やご家族だけでなく、多職種のスタッフとも円滑な人間関係を築き、建設的な意見交換ができる方。
自分の役割を理解し、周囲と協力してチーム目標の達成に貢献できる方。

いくら優れたスキルを持っていても、チームワークを乱したり、孤立したりするようでは、組織全体のパフォーマンスを下げてしまいます。

3. 患者さんと真摯に向き合う「人間性」と「責任感」

理学療法士は、患者様の人生に深く関わる仕事です。そのため、技術や知識はもちろんのこと、患者様の気持ちに寄り添い、真摯に向き合う人間性と、自分の仕事に対する責任感が強く求められます。

患者様の痛みや苦しみに共感し、尊厳を持って接することができる倫理観の高い方。
担当する患者様に対して最後まで責任を持ち、目標達成のために最善を尽くせる方。困難な状況でも諦めずに取り組める粘り強さも大切です。

患者様からの信頼を得られるかどうかは、理学療法士としての資質を大きく左右します。

4. 困難に立ち向かう「健康」と「ストレス耐性」

理学療法士の仕事は、体力と精神力を要します。患者様の身体を支える介助、長時間の立ち仕事、そしてなかなか成果が出ない患者様との関係性など、心身ともに負担がかかる場面も少なくありません。

日々の業務を継続的に遂行できる体力があり、自己の体調管理に気を配れる方。
困難な状況やプレッシャーの中でも冷静さを保ち、適切に対処できるストレス耐性がある方。

心身ともに健康であることは、長く理学療法士として活躍するために不可欠な要素です。

意外と合否を左右する！「前職を辞めた理由」の真実と伝え方

面接で必ず聞かれる「前職を辞めた理由」。この質問は、採用担当者があなたの仕事に対する価値観や潜在的なリスクを見極めるための重要なポイントとなります。単に事実を知りたいだけでなく、あなたがどのような状況で退職を決断し、次に何を求めているのかを探っています。

採用担当者が知りたい意図は主にこの3点です。

入職後のミスマッチを防ぐ： あなたが前職を辞めた理由が、当院（施設）では解消できる問題なのか、それとも当院でも発生しうる問題なのかを確認し、新たなミスマッチを防ぎたい。
ストレス耐性・問題解決能力： 困難な状況に直面した際に、どのように考え、行動するのかを知りたい。感情的に退職を決めたのか、冷静に状況を分析し、解決策を模索したのか、そのプロセスに注目している。
人間関係・協調性： 人間関係を理由に退職した場合、その原因があなた自身にあるのか、客観的に見て避けられない状況だったのかを見極めたい。協調性やチームワークを重視する医療現場では、この点は非常に重要。

では、具体的にどのような回答がNGで、どのような回答が成功につながるのでしょうか。

避けるべきNGワードと回答例

面接官にネガティブな印象を与えかねない回答は、絶対に避けるべきです。

NGワード：不平・不満、批判、責任転嫁
- NG例1：「上司と合わなくて辞めました。〇〇（具体的な不満）が本当に嫌で…」
  - 採用担当者の本音： 「うちの病院でも同じ不満を言って辞めるのでは？」「協調性がないのでは？」と感じます。どんな職場にも不満はつきもの。それを乗り越えようとする姿勢が見えません。
- NG例2：「残業が多くて体が持ちませんでした。もう少し楽な職場で働きたいです。」
  - 採用担当者の本音： 「責任感が薄いのでは？」「体力的に問題があるのでは？」と判断します。自己管理能力や、仕事への意欲を疑問視してしまいます。
- NG例3：「給料が安すぎたので、もっと高いところを探しています。」
  - 採用担当者の本音： 「給料だけで仕事を選ぶ人？」「モチベーションが低いのでは？」と感じます。仕事内容や組織への貢献意欲よりも、金銭的なことばかり考えていると思われてしまいます。

採用担当者の心に響く成功例と回答のポイント

前向きな姿勢と、自身の成長意欲をアピールすることが成功の鍵です。

成功例1：自身の成長・スキルアップへの意欲をアピール
- 「前職では回復期病棟で〇年間、多くの患者様のリハビリテーションに携わらせていただき、大変貴重な経験を積むことができました。しかし、今後はより幅広い疾患や、貴院が強みとされている〇〇（具体的な専門分野）のリハビリテーションにも深く携わりたいという思いが強くなり、貴院の〇〇（具体的な取り組みや教育体制）に魅力を感じ、応募いたしました。」
- ポイント： 前職での学びや感謝を伝えつつ、自身のキャリアプランや成長意欲を明確にすることで、ポジティブな印象を与えます。ネガティブな側面ではなく、自身の「次なるステップ」としての転職であることを強調しましょう。
成功例2：新しい環境で貢献したいという意欲をアピール
- 「前職では地域に密着した医療を提供しておりましたが、今後はより専門性の高いリハビリテーションに特化した環境で、自身の知識や技術をさらに深め、患者様により質の高いサービスを提供したいと考えております。特に貴院の〇〇（具体的な設備やプログラム、理念など）に感銘を受け、私のこれまでの経験が、貴院の〇〇（具体的な貢献できる点）に貢献できると確信しております。」
- ポイント： 前職の経験を活かしつつ、応募先への貢献意欲と、なぜ応募先でなければならないのかを具体的に伝えます。応募先のことを深く調べていることもアピールできます。
成功例3：やむを得ない環境変化を前向きな転機として捉える
- 「前職では〇月に組織再編があり、私の専門分野とは異なる部署への異動が決まりました。これを機に、かねてから興味のあった〇〇（応募先の専門分野）に挑戦し、より専門性を高めたいという思いが強くなりました。貴院の〇〇（具体的な専門性や教育体制）に魅力を感じ、この分野で貢献したいと考え、貴院を志望いたしました。」
- ポイント： 環境変化を理由にする場合でも、それをポジティブな転機として捉え、新たな挑戦への意欲を示すことで、前向きな姿勢をアピールできます。