理学療法士(PT)として勉強しておくべきこと:解剖学、鑑別診断学

 

理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などのリハビリ職者が就職・転職する際には、さまざまな職場があります。その中でも、総合病院やクリニック、デイサービスや通所リハビリテーションなどは多くのリハビリ職者が働く代表的なところです。

 

私は数年間理学療法士として働きました。その中で、実感したことは就職先によって、必要な能力や勉強すべきことは異なることです。

 

しかし、どのような職場に就職するにしても、理学療法士として必ず勉強しておくべきこともあります。その中でも「解剖学」と「鑑別診断学」の2つは非常に重要なものです。これら2つに関する知識は、理学療法士として仕事をする場合、全ての現場で必要になるものです。

 

そのため、普段から解剖学と鑑別診断学の勉強に力を入れておくことは、転職する際にも大いに役立ちます。

 

そこで今回は、「解剖学と鑑別診断学の重要性」について述べます。

 

解剖学

理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などの、人の体に関わるリハビリ職者には、解剖学の知識は欠かせないものです。その中でも理学療法士は、特に身体の機能について詳しくある必要があります。

 

例えば、歯を磨く動作ができない患者さんがいたとします。そのような場合、理学療法士は「どこが問題で運動が障害されているのか?」「〇〇関節の動きはなぜ制限されているのか?」など、体の細かい機能について考えます。

 

一方、作業療法士であれば、リハビリ内容は動作訓練が中心になります。運動が障害されているのであれば、「できない動作をできるように繰り返し練習する」といったリハビリを行うことがほとんどです。

 

つまり、理学療法士が身体機能を改善させ、作業療法士はそれを動作につなげるといったイメージです。身体機能を理解するためには、体の構造に関する知識が必要です。そのため、特に理学療法士は細かい解剖を学ばなければなりません。

 

これは、整形外科の病院であろうが、脳卒中といったような中枢疾患の患者さんのリハビリを中心とした病院でも同じです。

 

基本的に理学療法士が対応する患者さんは、何かしらの動作が障害されています。運動が行いにくいということは、体の関節や筋肉などの構造、もしくは機能に何らかの問題があるということです。理学療法士は、その原因を身体機能から考えて改善する必要があります。

 

そして、関節であろうと脳であろうと、結局は解剖学的な知識がないと原因を特定できません。

 

もし解剖学的な知識がなければ、障害されている運動に関与している体の構造が予測できません。また体を触っていても、「その部位に何の組織が存在するのか」を特定できません。このような状態では、患者さんの運動を妨げている問題を予測することもできませんし、治療も行えません。

 

こうした理由から、どのような職場で働くにしても理学療法士には解剖学の知識が必要といえます。

 

学校で学んだ内容では足りない理由

このような話をすると、「学校を卒業して国家試験を通っているから、解剖学に関しては十分な知識があるのではないか?」と考える人もいると思います。

 

しかし、学校で習うような解剖学的な知識だけでは臨床で通用しません。学校で学ぶ内容は、あくまで国家試験を通過するためのものです。患者さんの治療を行う場合は、養成校で教わったこと以上に細かい知識が必要になります。

 

解剖学は、体の器官系を大きく分けて「運動器系」「循環器系」「呼吸器系」と分類します。養成校で習うことは、筋や骨などの運動器系の解剖が中心です。そして、人の運動は、筋肉や骨といった運動器に関係する体の構造によって作られているように思えます。

 

ただ実際には、人の運動は筋肉や骨だけで構成されているわけではありません。胃や腸といったような内臓、筋肉を包んでいる皮膚、皮膚とつながっている髪の毛など、体の全ての構造が関連して動作が作られます

 

理学療法士は、基本動作の改善を目的に理学療法を行うため、運動に関わる要素は全て把握しておく必要があります。

 

つまり、学校では習わない内臓や皮膚などに関する解剖学的な知識も、臨床で患者さんを治療するためには欠かせないものだといえます。

 

私も離床に出て2年目までは、筋肉や骨、関節といった運動器に関する解剖学的な知識しか学んでいませんでした。しかしある講習会で、人の運動を作り出しているのは、筋肉や骨だけではないということを学びました。

 

そして実際に、筋肉や骨、関節以外の解剖学的な知識を学び、臨床で応用しました。そうすると、今まで良くならなかった患者さんの症状がどんどん改善していくという経験をしました。

 

このような経験から、学校で習うような筋肉や骨、関節だけではなく、内臓や皮膚など、その他の組織も関連して、運動は作られているということを実感ました。そのため、卒業後も、学校では学ばないような解剖学を勉強し続ける必要があると考えています。

 

理学療法士は診断ができない

日本においては、理学療法士だけではなく、作業療法士や言語聴覚士といったリハビリ職者は、医者が診断した後、医者の指示の下でリハビリを行うことができます。

 

そのため、理学療法士が対応する患者さんは、医者によって診断名が付けられた後にリハビリが処方されます。つまり、理学療法士は診断をする必要もありませんし、法律的にも診断をしてはいけません。

 

医者は、「脳梗塞」や「心筋梗塞」などの診断名に対して、薬を処方したり、外科的な処置を行ったりします。一方で理学療法士は、「脳梗塞後の後遺症」や「心筋梗塞による廃用性症候群」といったような、疾患の結果生じた機能的な問題に対して治療を行います。

 

このように、医者は診断を行い、理学療法士は疾患によって生じた機能障害に対してのリハビリを行います。このように職種毎に役割が分担されているため、、理学療法士には診断能力が必要ないと考えられます。

 

そして実際に、理学療法士の学校や卒後の教育で、診断学に対するプログラムは組まれていません。

 

理学療法士に鑑別診断能力は必須

既に述べたように、日本では理学療法士が診断する必要もありませんし、認められてもいません。

 

確かに、理学療法士に疾患を診断する力は必要ありません。しかし、対応している患者さんが「理学療法の適応か否か」という鑑別を行う力は必要になります。

 

例えば、心筋梗塞では左肩に痛みが生じることがあります。また腎炎になると、腰痛が出現することもあります。このように、内科疾患でも理学療法士が対応するような症状が認められる場合もあります。

 

基本的には、先ほども述べたように、医者が「リハビリを行ってよい状態」と判断した上でリハビリが処方されます。そのため、理学療法士が対応する患者さんは、医者によって「理学療法に適応である」と鑑別された状態であるといえます。

 

しかし、現実には全てがそうではありません。医者が「整形外科的な問題で起こっている腰痛」だと判断してリハビリを処方していても、「実際の原因は内科的疾患」ということもあります。

 

例えば、腎炎や膵炎、大動脈瘤などは腰痛の原因となる可能性がある内科疾患の一例です。。

 

そのような場合、理学療法士が評価する中で、問題に気づかなければいけません。このときには、疾患名までわかる必要はありません。ただ、理学療法で改善する症状かということを鑑別できれば問題ありません。

 

そして、もしこのような患者さんが来院されたときに、理学療法士も整形外科的な問題による腰痛だと判断して、整形外科的なことに対してリハビリを行っても症状は改善しません。むしろ、疼痛を悪化させて腎炎の病態を進行させることになる可能性が高いです。

 

こうした事態にならないためにも、理学療法士は、リハビリが処方された最初の段階で、「本当に理学療法が適応の症状であるかどうか」という鑑別診断を行わなければなりません。

 

今回述べたように、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などのリハビリ職者の中でも、理学療法士は、特に解剖学と鑑別診断学を学ばなければなりません。また、解剖学に関しては学校で教わるだけの内容では十分ではありませんし、鑑別診断学に関しては養成校のカリキュラムにすら入っていません。

 

そのため、理学療法士は卒業後も勉強し続ける必要があります。

 

そして、このような理学療法士に必須のことを勉強しておくことは転職する際にも役立ちます。面接時にアピールしたり、転職した後に仕事をスムーズに行ったりするためにも、、どのような職場でも必要になる解剖学と鑑別診断学に関しては、深く勉強をしておいて損はないといえます。



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