デイケアの求人へ理学療法士が転職し、勤務する仕事内容や給料は

理学療法士としてデイケアへの転職を考えるとき、デイケアの仕事内容や給料について理解しておくことは大切です。

一言でデイケアといっても、クリニック併設なのか病院併設なのか、それとも介護老人保健施設併設なのかで理学療法士の役割は全く異なります。そのため、それぞれの仕事内容を理解した上で転職先を選ばないと、あなたが想像していたものと全く違う仕事内容になる可能性があるのです。

またデイケアは給料が高い傾向にあるため、他の病院やクリニックの求人よりも年収が高い求人を見つけることができます。ただこれを知らずに求人を探すと、妥協して理学療法士の平均並みの安い給料の求人に応募してしまうかもしれません。

そうしたミスマッチを防ぐためにも、転職する前にデイケアにおける仕事内容や給料事情を知っておくことが大切です。そこで今回は「理学療法士が転職するデイケアの仕事内容と給料」について解説します。

デイケアの理学療法士求人と仕事内容、役割

デイケア(通所リハビリ)には、施設基準によって理学療法士を配置することが決められています。具体的には、リハビリを実施する利用者10人につき、理学療法士か作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、介護職員のいずれかが1名必要になるのです。

また理学療法士をはじめとしたリハビリ職種が在籍することで算定できる加算があるため、デイケアでは積極的に理学療法士を募集しています。

さらにデイケアはデイサービス(通所介護)とは違い、施設基準で医師が常勤していることが決まっています。クリニック(診療所)か病院、介護老人保健施設が併設されていることも、施設基準として定められているのです。

そのため、デイケアで募集されている理学療法士求人は以下の3つになります。

  • クリニック
  • 介護老人保健施設
  • 病院

以下に、求人例を示しながらそれぞれの施設における特徴を述べます。

クリニック(診療所)のデイケアはリハビリ重視

全体的にデイケアを併設しているクリニックは少ないです。ただデイケアがある診療所では、デイケアのスタッフとして理学療法士が募集されています。クリニック併設のデイケアには運動機能向上を目的とした利用者さんが多いため、作業療法士や言語聴覚士ではなく理学療法士が求められているのです。

例えば以下は、東京にあるクリニックに併設されたデイケアの理学療法士求人です。

こうしたクリニックのデイケアには、比較的元気でリハビリを重視している利用者さんが多い傾向にあります。介護保険を利用する人の中でも、これ以上悪くなるのを防ぐというより「もっと元気で活動的になりたい」という人がクリニックのデイケアを利用するためです。

例えば「デイケアまで自分の車で通い、機械でしっかり運動をして帰る」という人もたくさんいます。さらに併設した整形外科へ通院する人が多いため、整形外科疾患を患っている利用者さんが大半を占めるのも特徴です。

クリニック併設のデイケアは元気で自立度が高く、リハビリに対するモチベーションが高い利用者さんが多いと考えてください。そのため理学療法士にも、よりレベルが高い運動のリハビリ指導が求められます

また元気な人が多く送迎にかかる負担が少ないため、送迎業務を理学療法士が任せられることも少ないです。

病院併設のデイケアは医療目的の人も多い

病院併設のデイケアはクリニック併設のデイケアよりも数が多いため、理学療法士の求人もたくさんあります。例えば以下は、大阪にある病院併設のデイケアの求人です。

病院併設のデイケアでは、その病院からの退院後に通う利用者さんが多い傾向にあります。そのため、病院の主となる診療科に関連した疾患を患った利用者さんが多くなるのです。

例えば脳神経外科専門病院に併設したデイケアであれば、脳卒中後の麻痺で歩きにくくなってる利用者さんの歩行訓練などをします。また整形外科専門病院に併設したデイケアなら、骨折後の利用者さんが半数以上を占めることになります。

またクリニックとは違い、医療行為を目的とした利用者さんも多いです。例えば胃瘻(いろう)や褥瘡(じょくそう)部位の処置、点滴などです。

もちろん医療行為が必要な方にもリハビリを実施しますが、病院併設のデイケアはクリニック併設のデイケアよりも介護度が高い利用者さんが多いと考えてください。

介護老人保健施設のデイケアは日常生活動作の獲得目的

デイケアを運営している施設の中で、最も数が多いのが介護老人保健施設(老健)です。デイケアの半分近くが老健併設の施設になります。そのため、理学療法士の求人も一番多い傾向にあります。例えば以下は、東京にある老健の理学療法士求人です。

老健併設のデイケアに通う利用者さんの多くは、老健を退所した人が通っています。老健は入所できる期間が決まっているため、その後のリハビリを引き継ぐ場として利用されているのです。そのためデイケアでのリハビリも、老健と同じような内容が求められます。

例えば「トイレからの立ち上がりができるように」「お風呂を安全に入れるように」「車いすではなく杖歩行ができるように」など、日常生活動作の再獲得を目的とした利用者さんが大半です。例えば以下のように、利用者さんの住み慣れた家の周りで、歩行器を使って外に出れるように歩行訓練をします。

当然、理学療法士にも日常生活レベルを再獲得するリハビリが求められます。クリニック併設のデイケアよりも、少し介護度の高い利用者さんに対するリハビリが多くなるのです。

また「老健にあるショートステイを使用したい」という目的で、老健併設のデイケアを利用している人も多いです。ショートステイを使うということは自宅で介護が必要な人なので、やはり利用者さんの介護度は高くなります。

デイケアの理学療法士求人の給料

それでは、デイケアにおける理学療法士求人の給料はどれくらいなのでしょうか? 一般的な理学療法士求人の給料相場が年収350~400万円と考えると、デイケアは平均より少し高いと考えてください。

デイケアがあるということは、必ず病院やクリニック、介護老人保健施設が併設されています。つまり、ある程度規模が大きな医療法人や社会福祉法人が母体であることが多いのです。そのため、デイケアの理学療法士の求人は給料が高い傾向にあります。

例えば以下は、神奈川県にある介護老人保健施設のデイケア求人です。

詳細を確認すると、通勤手当は実費支給とあります。通常、通勤手当は2万円と設定されているところが多いので2万円と仮定します。賞与は基本給の3ヶ月分であるため、ここから年収を計算すると「(月給28万円 + 通勤手当2万円) × 12ヶ月 + (基本給17万6000円 × 賞与3ヶ月) = 年収412万8000円」となります。

理学療法士で年収が400万円を超える求人は少ないので、高額の求人といえます。また以下は愛知県にある、クリニック併設のデイケア求人です。

詳細を確認すると月給は23万円であり、手当は全て支給されれば合計で月に5万8000円、賞与は基本給(18万円)の4.5ヶ月分とあります。つまり年収は「(月収23万円 + 手当合計5万8000円) × 12ヶ月 + (賞与18万円 × 4.5ヶ月分) = 年収426万6000円」となるのです。

このようにデイケアの理学療法士求人は年収400万円超えと、平均よりもやや高めであるといえます。

また2つの求人を見てわかるように、デイケアは福利厚生の充実によって年収が高くなります。そのためデイケアの年収を確認するときには、必ず福利厚生まで含めて考えるようにしましょう。

理学療法士転職におけるデイケア求人の注意点

デイケアへ転職する際は、いくつか気をつけなければいけないことがあります。特に、以下の2点は転職前に必ず確認しておくべきことです。

  • 送迎の有無
  • デイケア以外の業務の兼務

以下に、それぞれについて解説します。

デイケアであれば理学療法士で送迎を任せられる可能性もあり

デイケアの利用者さんの半数以上は送迎の車を利用されます。自分で車を運転できない人がほとんどだからです。デイケアの送迎は基本的に介護職のスタッフが担当します。理学療法士は送迎には関与せず、個別のリハビリが主な業務になるのです。

ただ中には、理学療法士が送迎を手伝うデイケアもあります。送迎スタッフの急な休みによるサポートはもちろんのこと、慢性的な人手不足で日常的に送迎を任せられる施設もあるのです。

例えば、以下は愛知県にあるデイケアの求人になります。

求人票の仕事内容に「業務上車の使用あり」とあり、送迎も理学療法士の業務内容に含まれている可能性が高い求人だといえます。

これまで利用者さんの送迎経験があるなら問題ないかもしれません。ただ送迎の経験がなければ、いつもと違う大型車でなおかつ利用者さんを乗せての運転となるとかなりのプレッシャーになります。送迎が嫌で転職を考える人もいるほどです。

もし求人票に送迎業務の記載がなければ、必ず転職サイトの担当エージェントを介して確認するようにしましょう。

デイケア以外の業務を兼務する可能性が高い

また先に述べたように、デイケアはクリニックや病院、介護老人保健施設に併設されています。そのためデイケアへ転職しても、他の勤務と兼業になる可能性が高いです。

例えば以下は、愛知県にある通所リハビリが併設されたクリニックの求人になります。

仕事内容を確認すると「外来、入院の理学療法業務、介護施設・通所リハビリ、訪問リハビリの実施」とあります。これは、デイケアだけでなく外来や入院、訪問リハビリも全て兼務する可能性があるということです。

例えば、私が広島と熊本で勤めたクリニックはどちらもクリニックとデイケアの兼務であり、クリニックがメインの人もいればデイケアがメインの人もいました。何も確認せずにデイケアだと思って転職すると、クリニックでの業務が主になってしまう可能性もあるのです。

そのためデイケアへ転職する前には、転職サイトのエージェントを介して必ず転職後の配置や兼務の割合、転勤の有無を確認するようにしましょう。

理学療法士としてデイケア求人への転職を成功させるには

一言でデイケアといっても、母体がクリニックか病院、もしくは介護老人保健施設なのかで業務内容は大きく異なります。そのため、まずはあなたが「どのような利用者さんを対象にリハビリをしたいか」を明確にすることが大切です。

また福利厚生の詳細や送迎の有無、他の施設と兼務も、デイケアへの転職時は必ず確認すべきことだといえます。

転職後のミスマッチを防ぐためにも、デイケアへの転職前はこうしたデイケアの特徴や注意点、年収などを全て把握しておくことが大切です。その上でデイケアの求人を探して転職すれば、デイケアへの転職を成功させることができます。



リハビリ関係者が転職を考えるとき、転職サイトを活用するとより自分の希望に沿う求人を見つけることができるようになります。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉まで行うのは現実的ではありません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や施設を含め、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって特徴が大きく異なります。例えば、電話だけの対応で素早さを重視する会社があれば、面接まで同行することで難しい案件への対応を得意としている会社もあります。他には、大手企業に強みを発揮する会社があれば、地方求人を多く保有している会社もあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。


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