リハビリ特化型デーサービスへ転職する理学療法士が抱えやすい悩み

理学療法士が転職する現場として「リハビリ特化型デイサービス」は人気が高い転職先です。リハビリ特化型デイサービスとは、主にリハビリを目的としたデイサービスであり、半日のサービスであるところもあれば、終日のデイサービスもあります。

 

特にリハビリ特化型デイサービスは、名前の通りリハビリが売りです。そのため、被保険者の中でも運動意欲や自立度の高い人が対象となるケースがほとんどです。

 

理学療法士に人気が高いリハビリ特化型のデイサービスですが、病院勤務とは業務内容も異なる点が多く、転職後に悩みを抱える人もたくさんいます。た。

 

そこで今回は、「リハビリ特化型デイサービスへ転職した理学療法士がもちやすい悩みについて」ついて述べます。

 

リハビリ特化型デイサービスにおける理学療法士の業務内容

リハビリ特化型デイサービスにおける理学療法士の業務内容は、介護保険を利用している方へのリハビリが中心となります。

 

例えば、利用者様の要望や身体機能を評価し、関節可動域や筋肉、軟部組織への徒手療法・運動療法を実施します。マンツーマンでの理学療法は 15?20 分程度であり、運動機器を使用した自己での運動療法がメインです。

 

そのため、徒手療法以外にも運動療法に対する知識やリスク管理も重要となります。

 

使用する機器は事業所によって異なるため、器具の特徴を把握して利用者様に説明し、運動意欲を高めることも理学療法士の仕事の一つとなります。また負荷量や回数なども利用者一人一人に合わせて設定しなければいけないため、利用者様における個別の体力情報を把握することも重要です。

 

理学療法業務以外の仕事

リハビリ特化型デイサービスでは、こうした理学療法業務以外の仕事を任せられます。そのため、知らずに転職した人の中には戸惑う人が多いのです。

 

例えば、リハビリ特化型デイサービスは、スタッフも少人数であることが多く、理学療法士であっても送迎や食事、入浴などの業務を任せられる事業所がたくさんあります。送迎に関しては朝、昼、夕方の時間帯に利用者様を在宅へ送迎します。

 

その際には、当然ながら車への移乗介助や運転の安全性が求められます。

 

その他にも、食事に関しては誤嚥などのリスク管理や栄養管理などの知識も必要となる場面もあります。またデイサービスでは、カルテや報告書、計画書など書類業務がたくさんあり、勤務終了後に記載するため、帰宅が遅くなることが多いです。

 

リハビリ特化型デイサービスへ転職した理学療法士がもちやすい悩み

ここまで述べたように、リハ特化型デイサービスは、総合病院などと求められる仕事内容が異なります。そのため、病院からデイサービスへ転職した後に悩む人は多いです。

 

以下に、理学療法士がリハ特化型デイサービスへ転職した後に抱えやすい悩みについて記します。

 

個別対応時間が短い

総合病院や回復期病院では、一人当たり 40?60分程度の個別介入(理学療法)が基本です。また、病棟別で対応する疾患もある程度限られてきます。

 

その一方でデイサービスでは、個別での対応時間は15分?20分程度であり、対応時間が短い分だけ対応する人数が多いです。また、対象者が高齢であるため、さまざまな疾患や既往歴がある利用者がほとんどであることも病院とは違います。

 

また、短時間の中で、身体機能を的確に評価し利用者の満足度を得ることが求められます。そのため、当然ですが、基礎的な知識(解剖学・生理学・運動学)や動作分析、ADL 評価など幅広い知識が必要です。さらに、身体機能のみではなく環境調整などの知識も必要となります。

 

このように、個別対応時間が短い上に、幅広い知識や技術が求められることに対して悩む理学療法士は多いです。

 

利用者情報が少ない中で高いリスク管理能力が求められる

デイサービスは病院と違って、主治医からの詳細な情報や画像所見などはないことがほとんどです。そのため、ケアマネージャー(介護支援専門員:ケアマネ)や本人、ご家族から得られる情報がメインとなり、理学療法士として情報収取のスキルが必要となります。

 

もちろん、デイサービスに医師などはいませんのでは、リスク管理がとても重要となります。

 

具体的には、利用者が訴える症状が理学療法の適応かどうかを判断し、適応でない場合は病院受診を促します。

 

例えば、利用者が昨日在宅で転倒した事例があったとします。受傷部位の疼痛の性質や炎症反応を確認し、必要であれば本人・ご家族に病院受診を促します。他にも体調不良時の鑑別診断(脳梗塞や心筋梗塞)や緊急対応時のスキルなども求められます。

 

もちろん、デイサービスには看護師も常勤していますので、看護師と共にリスク管理を行います(中規模以上)。ただ、それでも理学療法士に対して高いリスク管理能力が求められることは事実です。

 

このように、利用者の情報が少ない中で高いリスク管理能力を求められることも、デイサービスへ転職した理学療法士がもちやすい悩みだといえます。

 

高いコミュニケーション能力が求められる

既に述べたように、デイサービスでは情報源が少ないため、限られた情報源から適切に情報を取得することが重要となります。そのためには、主治医やケアマネージャー、本人、ご家族より情報を聴取するためのコミュニケーションスキルが必要です。

 

例えば、最初は家族との関係性はできていません。そうした中で、家族から上手く情報を聞き出すのは非常に難しいです。

 

また、主治医やケアマネージャーへの連絡に関しても、専門知識と利用者情報を把握し、要点を絞って会話する必要があるため、苦労する人が多いです。さらに、電話での対応がほとんどであるため、電話対応の能力も必要となります

 

このように、デイサービスへ転職した後にコミュニケーション能力で苦労する理学療法士は多いです。

 

利用者の満足度と経営状態のかねあい

デイサービスの利用者の中には、マッサージを希望される方も多く、マッサージによる満足度が高い利用者もいます。満足を感じるのは、個別対応時間やマッサージの有無、疼痛の変化、話しやすさなど、人それぞれ異なります。

 

理学療法士には、マッサージを実施することに抵抗がある人が多いです。ほとんどの理学療法士は「マッサージでは根本的な原因の改善には繋がらない」と考えているためです。

 

しかし、リハビリ特化型デイサービスでは、利用者の満足度も重要となります。その理由は、デイサービスの収益は利用者から得られる利用料が主であるためです。利用者の満足度を高めなければ、デイサービスのお客様がいなくなるため、経営を続けるのが困難となります。

 

雇用されている理学療法士としても、利用者からの満足度が得られずに利用者数が減ってしまうと、給料がもらえなくなるという現状に陥る可能性があります

 

病院では、リハビリ以外でも収益はたくさんあるため、理学療法に対する患者様の満足度が低くても病院の経営が悪化することは稀です。ただ、デイサービスはリハビリ内容に不満をもって施設を変えられると、その分だけ丸々収益が下がります。

 

つまり、理学療法に対する利用者の満足度がデイサービスの経営に直結するのです。

 

こうした利用者の満足度と自分のやりたいことのギャップや、それに伴う経営状態に悩んでいる理学療法士もたくさんいます。

 

利用者の健康状態の把握

満足度と関連して利用者の体調管理も経営には重要です。デイサービスの収益は、介護保険の区分(要支援 1?要介護 5)で金額が違い、要介護区分が増えるほど収益が上がります。

 

例えば、要介護1の人と要介護3の人であれば、同じ回数の利用であっても要介護3の人の方が金額は高くなります。

 

ただ、要介護度が高くなるほど重症例の方も増えます。そのため、体調管理ができずに定期的に通所することが難しくなり、定期的に通所出来なくなる人が多いのです。そうなると、当然ながら利用がない分だけデイサービスの収益は下がります。

 

そのため理学療法士として、運動能力のみではなく生活習慣(食事・睡眠)への介入による健康管理も重要となります。

 

こうした理学療法士の専門外の知識を求められることも、デイサービスへ転職した理学療法士が抱えやすい悩みの一つです。

 

リハ特化型デイサービスで働く理学療法士の悩みへの改善策

ここまで述べたように、理学療法士がデイサービスへ転職すると、共通して抱えやすい悩みがあります。

 

そこで以下に、デイサービスへ転職した理学療法士がもちやすい悩みへの改善策を記します。

 

短時間で評価、アプローチできるように工夫する

デイサービスでは個別対応の時間が短いため、短時間でも本人の要望に対して答えられるように、短時間で評価できるスキルを身につけることが大切です。そのためには、普段から利用者の観察や問題点を把握し、個別の際に問題点に対してアプローチする方法を選択しています。

 

例えば、車までの移乗時やトイレまでの移動を観察して、ある程度問題点の目星を付けておきます。そうすることで、短い時間で効率的に評価、アプローチが可能になります。

 

このように、短時間でも評価やアプローチ方法を工夫しながら実施していくと、次第に短時間で評価できるスキルは身についてきます。

 

身体機能評価のスキルを高める

デイサービスでは得られる利用者の情報が少ないです。そのため、本人・ご家族やケアマネージャーから適切な情報収集をすることはもちろん、評価や鑑別診断をしっかり行い利用者の身体から情報収集を行うことが重要です。

 

例えば、脊柱は各内臓と関連があり生活習慣が反映されやすい部位です。ストレスや暴飲暴食、運動不足などの生活習慣の乱れを脊柱の状態から評価できるようになれば、負担がかかっている臓器や生活習慣を、問診ではなく身体所見から把握できるようになります。

 

このように、利用者の身体からより多くの情報を収集できるようになり、利用者の生活習慣の乱れに対してアドバイスできるようになります。

 

常に相手が求めていることを考える

デイサービスで勤める場合、病院などと比較すると高いコミュニケーション能力が求められます。

 

コミュニケーションに関しては「相手が何を求めているのか?」を常に考えながら行動することを心がけると良いでしょう。

 

そうすることによって、利用者や家族、ケアマネージャーが求めていることを考えると、勉強しないといけない分野も少しずつ見えてきて会話のネタも多くなり、コミュニケーションが上手くなっていきます。

 

相手の満足度を考慮しながら対応する

利用者の満足度を得るためには、相手のことを知ることが重要と考えます。

 

利用者がどこで満足度を得ているかを、他のスタッフの言動などから読み取ることでサ
ービスの質も上がり、満足度を高めることができます。

 

マッサージでの満足度が高い人に関しては、本人の満足度が高いマッサージから介入し、初めに信頼関係を築いていきます。信頼関係が築けてきたら本人に現在の身体状態や改善方法などを少しずつ説明していき、本人の了承が得られたら、介入方法を変えていく方法を選択しています。

 

よく見られるダメな例としては「信頼関係が築けていないのに、理学療法士の考えを押し付けて利用者の満足度が得れない」というケースがあります。こうして初めに関係性が崩れてしまうと、関係性の修復には時間を要してしまい、満足度も下がってしまいます。

 

マッサージでも効果を得られることは十分にあります。マッサージだからと手を抜くのではなく、しっかり筋肉をイメージして触察することでより効果が出ますし、あなた自身の触察の練習にもなります。

 

治療方法は一つではありませんし、利用者の満足度を見ながらアプローチ方法を選択していくのも一つの方法だと考えます。

 

理学療法だけでなく、経営に興味・関心をもつ

デイサービスでは、管理者ではなくても経営状況を少しでも知ることは重要です。これは、デイサービスでなくても病院勤務での大切なことだと考えます。

 

理学療法士のほとんどは、勤めている病院や施設の経営状況への関心が少ない印象です。ただ、病院に勤めている人と比較すると、デイサービスへ転職した後に経営や収益について考えるようになる人は多いです。

 

例えば、「実際に自分がどれくらい収益を上げているのか?」「事業所の月の売り上げはどれくらいあるのか?」といったことを考えると、自分の役割を再認識できます

 

また、そうした経営に関して考えるようになると、利用者の体調不良や満足度の低下が経営に影響を与え、自分たちの給料にも影響することを実感できるようになります。

 

そして、経営状態を把握することで責任感も増えます。その結果、利用者へのサービスの質を高めるための手段を考えて行動するようになるため、事業所の質にも繋がり、口コミや紹介などで新規の利用者が増加する可能性もあります。このように、利用者数が増加すると理学療法士の給料にも繋がっていくのです。

 

今回述べたように、介護保険分野で在宅生活をサポートするデイサービスへ転職した理学療法士には、以上に挙げたような悩みを抱えている人がたくさんいます。

 

そうした人たちは、以上に記した解決方法を実践することで、悩みを解決することができるはずです。


リハビリ関係者が転職を考えるとき、転職サイトを活用するとより自分の希望に沿う求人を見つけることができるようになります。自分一人では頑張っても1〜2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉まで行うのは現実的ではありません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や施設を含め、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって特徴が大きく異なります。例えば、電話だけの対応で素早さを重視する会社があれば、面接まで同行することで難しい案件への対応を得意としている会社もあります。他には、大手企業に強みを発揮する会社があれば、地方求人を多く保有している会社もあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。


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