作業療法士(OT)が認知症に対する作業療法を勉強するメリット

作業療法士(OT)は、理学療法士(PT)や言語聴覚士(ST)など、他のリハビリ職者と違い、精神障害領域のリハビリにも関わります。精神障害領域に関与できることは、作業療法士における魅力の1つでもあります。
その中でも、認知症の患者さんや利用者さんに対する作業療法は、とても大切なものであり、需要が高いものでもあります。しかし、リハビリというと、どうしても骨折といった整形外科的疾患などの身体領域に関わりたいと言う人が多いです。
そこで今回は、作業療法士が認知症に関わるメリットについて述べます。

もくじ

認知症に対する作業療法とは

認知症は、多くの人が患っている疾患であるため、その症状などもよく知られています。代表的な症状は、記憶障害や見当識障害であり、進行性の病気です。
問題は、このような障害によって、不安が強くなることにあります。自分がしたことや、他の人から言われたことを忘れるため、常に不安を抱えて生活することになります。そして、この不安が、さまざまな行動や症状を引き起こします。
このような症状は、「認知症の行動と心理症状(BPSD)」と呼ばれています。具体的なBPSDには、以下のようなものがあります。
・徘徊
・妄想
・うつ
・暴力
・不眠
見てわかるように、BPSDの問題は、本人だけの問題にとどまりません。家族はもちろんのこと、地域の住民にも影響を与えます。
実際、認知症を患った人の家族に話を聞くと、「夜間の徘徊が心配で眠れない」「何か言うとすぐに暴力を振るわれるから恐い」など、さまざまな事を聞きます。このように、BPSDは、認知症の中でも大きな問題であるといえます。
そして、認知症の人に対して行われる作業療法の目的は、主にBPSDの軽減になります。作業療法士は、BPSDの改善のために、作業活動や環境調整などを行います。
作業療法を行うことで、認知症自体が改善することは難しいかもしれません。しかし、BPSDの症状を軽減させることで、本人だけでなく家族の負担を大きく減らすことができます。
そのため、認知症の人に対して作業療法を行うことは、とても大切なことだといえます。
また、BPSDは、人によって出現する症状が異なります。それは、認知症以前の生活習慣や人格などが影響しているとされています。そのため、患者さんや利用者さんの全体像を捉えた上で、関わり方を工夫していくことが大切になります。
このように、特に認知症に対する作業療法は、その人全体の生活を考える能力が必然的に高くなる分野だといえます。

認知症の人は増えている

このように、認知症の人においては、BPSDを改善することが大切だといえます。そして、認知症の人は、年々増加しています。
厚生労働省の発表によると、2015年の時点で全国に約462万人の認知症高齢者がいると推計されています。さらに、その後は、約10年間で、その数が1.5倍にも増えると予測されています。
つまり、認知症に対する作業療法の需要は増えてくることが見込まれます。
実際に、介護保険分野では、年々認知症に対する取り組みに力を入れています。その中でも、専門家である作業療法士の役割は重要になってくると考えられます。
特に、医療と介護の連携は欠かせないものです。その中で、医療、介護分野の両方に精通した専門家として、作業療法士が在籍していることは、その施設の強みにもなります。つまり、医療や介護施設の経営者としても、作業療法士がいることはメリットとなるといえます。
今回述べたように、作業療法士が行う認知症に対する作業療法は、社会的にも、組織的にも需要が高くなっていくと考えられます。そのため、作業療法士として認知症を勉強しておくことは、社会貢献だけでなく、あなたのキャリアアップにもつながるといえます。


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