作業療法士が転職時の履歴書・面接で必要になる志望動機のポイント

作業療法士(OT)が転職する際は、ほとんどの場合、面接で志望動機を聞かれます。
そして、多くの人は志望動機を面接内で問われることがわかっているため、事前に準備します。その際に、どのような動機を述べればいいのか悩む人は少なくないようです。
そこで今回は、作業療法の面接における志望動機について述べます。

もくじ

作業療法士の転職面接における志望動機・自己PRのポイント

作業療法士として転職する際、面接では必ず志望動機を問われます。志望動機を答えるときに、いかに面接官に対して自己PRをできるかが、転職を成功させるためのポイントとなります。
以下に、作業療法士の転職面接における志望動機・自己PRのポイントについて記します。

作業療法士が転職面接でよく聞かれる質問

作業療法士の面接において、志望動機を問われる際に、よく「理学療法士」という名前が出ます。
作業療法士と理学療法士は、同じリハビリ関連職であり、名前も似ている上に、行っていることも重なる部分があります。そのため、リハビリ職者以外では、その違いを明確に認識できていない人が多いです。
そのため、リハビリ専門職者の中には、「作業療法士と理学療法士の違いを明確にしたい」と考えている人が少なくありません。
そこで、面接中に「なぜ理学療法士ではなく、作業療法士なのか?」という質問をされることがあります。そのような場合には、できるだけ明確な回答を準備しておくことが大切です。
それは、ここであなたの作業療法士に対する強い思いを話すことができれば、採用選考に有利になる可能性が高いためです
例えば、上記のような質問に対して「安定してそうだから」「高齢者が増えそうだから」という理由より、「祖母が作業療法士にお世話になり、その時、私も障害を持った人の役に立つような仕事をしたいと思ったから」という答えの方が、面接担当者に対して良い印象を与えるのは明らかです。
また、「より対象者の生活面に関わりたいと思ったため、主に身体機能面にアプローチする理学療法士ではなく、作業療法士を選びました」など、理学療法士との違いを明確に述べるような理由は特に効果的だといえます。
さらに、このようにあなたが作業療法士を目指した理由を明確にしておくことは、面接だけでなく、あなたの今後に影響します。
どのような職業でも、仕事を行っていると必ず壁にぶつかることがあります。そのような時に、あなたが作業療法士を目指した理由がはっきりしていると、そのことが、目の前に現れた壁を乗り越える糧になります。
このことを面接担当者も理解しているため、作業療法士に対する思いが強い人を選考しやすくなります。

作業療法士転職面接時の志望動機は正直に答える

あなたが、その転職先を選択した理由は必ずあるはずです。それは、「給料が良い」「家から近い」「残業がない」など、人それぞれだと思います。
そしてその志望動機を答える際には、良い印象を与えようと下手に飾った言葉を使用するのは避けるべきです
例えば、先ほど挙げたような「給料が良い」「家から近い」などの理由は、確かに面接担当者に対して、あまり良い印象を与えないかもしれません。しかし、どこかで見つけてきたような聞こえの良い言葉は、相手に見抜かれる可能性が高いです。
面接では、作業療法士としてのやる気や向上心を評価される職場もありますが、人柄を重視しているところの方が多いです。
そのため、志望動機をあなたの考えと全く違うことを答えることは、避けた方がよいでしょう。
例え転職先を選んだのが「給料が良い」という理由であっても、具体的にお金が必要な理由があるはずです。
それは「勉強会にたくさん参加したいため」「結婚して奥さんを養っていく必要がでてきたため」「子供の進学にお金が必要になったため」など、人それぞれだと思います。
そして実際に志望動機を答える際には、ただ単に「給料が良いから」と答えるのではなく、「結婚したので、以前の職場の収入では生活できなくなった」など、高い収入を求める理由に、さらに具体的な内容を+αとして述べるだけでも、相手に与える印象は大きく変わります。
このように、志望動機は正直に述べ、なおかつ答え方を少し工夫することが大切です。

作業療法士の履歴書・面接における志望動機の例

履歴書に志望動機を書くときには、あなたの立場や転職先が力を入れていることによって、注意すべきことが異なります。そこで以下に、新卒者と既卒者、整形外科病院へ転職する時の志望動機について、ポイントを述べながら例文を記します。

新卒者における作業療法士の志望動機例

新卒者という立場で就職する人は、既卒者とは違い社会人としての経験がありません。そのため、経験や能力をアピールするのではなく、既に述べたような「病院への理念」や「入職後に行いたいこと」などをアピールします。
以下に、新卒の作業療法士における志望動機の例文を記します。

このたび、医療職としての基礎を身に付けたいと考えて貴院を志望しました。
貴院は理念として「ホスピタリティマインド」を挙げられています。また、社員研修として定期的に接遇研修を実施していると伺っています。そして、実際に施設見学をさせていただいたときに、受付スタッフはもちろんのこと、看護師や作業療法士など、全スタッフの接遇能力の高さを実感しました。
医療従事者としての専門的な能力だけではなく接遇能力は必要不可欠です。貴院であれば、接遇能力を学べるだけでなく、実践しやすい環境であると思い応募しました。
入職後は、院外の接遇に関する勉強会などにも積極的に参加します。さらに、将来的には私自身が院内研修として、接遇に関する情報発信を行っていきたいと考えています。

このように、新卒者であれば「理念への共感」や「入職後に行いたいこと」をアピールすることで、他の応募者との違いを作ることができます。

既卒者における作業療法士の志望動機例

既卒者の場合は、新卒者と違ってこれまでの作業療法士としての経験を取り入れた志望動機にすることが大切です。
以下に、既卒者が書く志望動機の例文を記します。

今回、介護保険施設の中でも認知症を専門とする貴施設を志望します。
私はこれまで回復期病棟の作業療法士として10年間勤めてきました。その中で、どのような病気であっても「認知症を患っている患者様は治療に難渋する」ということを実感したのです。
こうした経験から、認知症に対するアプローチや認知症患者への接し方の重要性を感じたため、認知症を専門的に学びたいと思い応募しました。
入職後は、貴施設で実務経験を積ませてもらい「認知症ケア専門士」の資格を取得します。そして、貴施設を通じて地域に対して認知症を理解する大切さを伝えていければと考えています。

以上のように、既卒者であれば施設や病院の事業内容だけでなく、これまでの作業療法士としての経験を組み合わせた内容にすると、採用担当者の心に刺さる志望動機となります。

整形外科病院への転職における作業療法士の志望動機例

また、転職先が専門としている分野によっても、志望動機の内容は変える必要があります。
例えば、整形外科病院への転職であれば、以下のような志望動機にします。

このたび、人工肩関節置換術後のリハビリに力を入れている貴院を志望します。
私は、これまで整形外科クリニックに勤務してきました。そして、人工肩関節の患者様を担当してきた中で、術後にリハビリを実施した人とそうでない人の経過の違いを目の当たりにし、術後におけるリハビリの重要性を感じたのです。
貴院は、人工肩関節置換術を専門とする医師が在籍しています。またそれだけではなく、術後のリハビリにも力を入れていることで有名です。
そのため、貴院で人工肩関節置換術後のリハビリを学び、多くの患者さんが手術後、スムーズに生活が送れるように支援していきたいと考えています。また、作業療法士として人工肩関節置換術後に関する研究を実施し、積極的に学会へ参加していきたいと考えています。

このように、転職先の病院が力を入れていることをアピールすれば、履歴書で高い評価を受けることができるようになります。
今回述べたように、作業療法士の面接では、理学療法士と比較される様な質問がされる場合があります。その際に、明確に答えることができるように、もう一度、作業療法士を目指した理由を振り返っておきましょう。
また、面接中における質問に対する答えは、正直に述べることが大切です。その際、相手に与える印象を考えて、答え方には注意するようにしましょう。
そして、あなたの立場や転職先に応じて対応の仕方を工夫することが大切です。
さらに、面接での質問に対する対策を行いたい場合には、リハビリ職者専門のアドバイザーを活用することは有効な手段になります。転職サイトとは、あなたの転職活動全般をサポートしてくれるサービスです。
転職サイトに登録すると、担当のアドバイザーがつきます。そして、転職支援の経験が豊富なアドバイザーが、あなたの面接に対してアドバイスをしてくれます。
転職サイトのアドバイザーは、多くのPT・OT・STにおける転職活動を支援した経験があります。そのため、PT・OT・STにおける志望動機のポイントなどを理解しており、適切なアドバイスを行ってくれる可能性が高いです。
そして、リハビリ職者専門の転職サイトは無料で利用できるため、転職活動時に活用しないのは非常にもったいないといえます。
今回述べたように、志望動機など転職活動で悩むことがあった場合には、ぜひ転職サイトのアドバイザーを上手く活用して、転職を成功させましょう。


リハビリ転職で失敗しないために必要な理想の求人・転職先の探し方とは!


リハビリ関係者が転職を考えるとき、転職サイトを活用するとより自分の希望に沿う求人を見つけることができるようになります。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉まで行うのは現実的ではありません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や施設を含め、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって特徴が大きく異なります。例えば、電話だけの対応で素早さを重視する会社があれば、面接まで同行することで難しい案件への対応を得意としている会社もあります。他には、大手企業に強みを発揮する会社があれば、地方求人を多く保有している会社もあります。

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