作業療法士(OT)が精神科・心療内科で働く際の仕事内容、注意点

作業療法士(OT)の中には、多くはありませんが精神科や心療内科で働いている人もいます。
精神科での作業療法の対象は、主に認知症や統合失調症の患者さんになります。
そして、精神科で働く作業療法士の仕事内容は広範囲に及びますが、基本的に作業療法を行う目的は他の病院や施設と変わりません。
今回は、「精神科の作業療法士(OT)の働き方や、注意点」について解説します。

もくじ

精神障害(心療内科)領域におけるOTの役割

作業療法士が精神障害領域の仕事に関わる職場としては、病院の心療内科や精神科のデイケア、精神福祉センター、精神障害者支援センターなどの施設があります。その中で作業療法を行うことで、患者さんの精神機能や耐力、対人関係能力、日常生活や社会生活の適応能力向上を図ります。
作業療法士が関わる具体的な疾患名には、以下のようなものが挙げられます。

認知症 統合失調症 気分障害(うつ病、躁うつ病) 神経症 人格障害 心身症 てんかん 薬物依存症

アルコール依存症

このように作業療法士は、理学療法士や言語聴覚士といった、他のリハビリ職者が関わることがない疾患を持つ患者さんと接する機会があります。
また、精神障害領域も身体障害領域と同様で、急性期や回復期といったように、病期に合わせて作業療法を行う目的や内容が変わります。

急性期の精神科作業療法

急性期の場合ストレスの発散や症状の軽減、落ちてしまった体力の回復、生活リズムの改善といったことを主な目的として作業療法を行います。そのために、環境を整えてリラックスや安心できる場を作ったり、ストレッチなどの簡単な体操で運動を行ったりします。
この時期は、できる限り難しい課題や運動などは避けて、患者さん自身の心身状況の回復に努めます。

回復期の精神科作業療法

急性期の状態が少し落ち着いてくると、病院における生活の質の向上や、退院後の社会生活に適応するために必要な機能を回復させることを目的に作業療法を実施します。
そのために、手工芸などの創作活動や、スポーツ、ゲームなどの活動的な作業をプログラムとして組み込みます。また、実際に買い物に行ったり調理をしたりするなど、実生活に近い活動を多く取り入れていきます。
さらにそれだけではなく、グループワークを通して自分の気持ちを上手く伝えたり、逆に相手から言われたことへ対応したりする練習もします。こうしたリハビリは、「ソーシャルスキルトレーニング」と呼ばれ、社会生活に適応するために行われるものです。
以下に、精神科で作業療法士が行う具体的なプログラムの例を記載します。

創作的活動

・編み物

・書道

・塗り絵

・折り紙

・ビーズ細工

スポーツ、レクリエーション活動

・カラオケ

・集団ゲーム

・ストレッチ

・風船バレー

生活支援活動

・買い物

・グループワーク

・料理

・外出

リラクゼーション活動

・マッサージ

・アロマ

このように作業療法士は、他のリハビリ職者と違い精神障害領域のリハビリにも関わります。このことは、「身体障害領域とは違った視点でリハビリテーションについて考えることができる」という、作業療法士の魅力でもあります。
しかし、精神障害領域のリハビリとして、作業療法を積極的に取り入れているところは多くありません。
また作業療法を行っている病院でも、精神障害領域での作業療法士の立場は強くないことが多いです。このことには、精神障害領域では「作業療法の目的があいまいとなりやすい」ということも関係しています。
そのため、特に精神障害領域で働く場合には、作業療法の目的を明確化し、他の職種にも作業療法の役割を認識してもらえるように働きかけることが大切だといえます。

精神科で働く注意点

精神科での作業療法は、大変なこともたくさんあります。
例えば、患者さんと上手くコミュニケーションが取れなかったり、患者さんから暴言を吐かれたりすることは多々あります。
また、退院した人が警察沙汰を起こしてすぐに再入院することも少なくありません。

精神科の作業療法士求人を見つける方法

精神科における作業療法士の仕事には、総合病院や整形外科などでは感じられないような魅力があります。ただ、精神科の作業療法士求人は、人気が高い上に数が限られているため、簡単には見つかりません。
そこで、以下に精神科における作業療法士の求人を効率的に見つける方法について記します。

精神科の作業療法士求人が多い県で働く

作業療法士の中には、精神科で働きたいと考えている人はたくさんいます。ただ、精神科は求人数が少なく条件も良い職場が多いため、人気があり求人が見つかりにくいです。また精神科の病院は、なかなか欠員が出ないことも、求人数が限られている要因です。
ただそうした中でも、都道府県によって精神科における作業療法士求人の数には偏りがあります。
全国の中で、県の総人口当たりの精神科病院数が多いのは鹿児島や大分、熊本、長崎など、九州が上位を占めています。そうなると、精神科における作業療法士の求人数は九州で多いように思うかもしれません。
しかし実際には、九州における精神科の作業療法士求人数は多くありません。
精神科の作業療法士求人は、東京や千葉、神奈川といった関東と、大阪、愛知に多い傾向にあります。
この中でも、東京などの関東、愛知には、精神科に特化した病院やクリニックなどの求人が多いです。
それに対して、大阪は精神病患者さん専門の訪問リハを行っているところの求人が目立ちます。
当然、各県に精神科の作業療法士求人は出ています。しかしその中でも、東京や千葉、大阪、愛知は精神科の求人数が多いため、精神科への転職を希望している人は、要望に合った求人情報が見つかりやすい地域だといえます。

総合病院などで働く作業療法士について詳しくまとめた記事も面白いですよ
👉 作業療法士が総合病院で働く際の働き方、メリット、注意点

精神科の作業療法士求人案件に強い転職サイトを活用する

精神科の作業療法士求人は、東京や千葉、神奈川、大阪、愛知などに多く出ている傾向にあります。そのため、こうした地域で精神科の求人案件を探すと、希望に合った求人情報が見つかりやすいといえます。
ただそうはいっても、その他の県で精神科の求人案件を見つけたい人も多いはずです。
しかし、精神科における作業療法士の求人は数が少ない上に人気が高いため、なかなか見つけることはできません。あなた自身が求人情報を探すのであれば、よほどタイミングが合わないと、条件の揃った精神科の求人と出会うことは少ないです。
そうした場合には、精神科の求人案件を多く扱っている転職サイトを活用することをお勧めします。
転職サイトであれば、表に出ていないような「非公開求人」を多く扱っているため、精神科の作業療法士求人も見つかりやすくなります。そして、精神科の求人案件を多く扱っている転職サイトは、マイナビとMEDFiT、PTOT人材バンクです
そのため、これらの転職サイトに登録することで、精神科の求人情報を多く得ることができるようになります。
ただ、この3つの転職サイトそれぞれが抱えている求人数には地域によって偏りがあります。例えば、マイナビコメディカルは関東や関西などの求人案件は多く扱っていますが、九州における求人情報はあまり持っていません。
それに対してMEDFiTやPTOT人材バンクであれば、九州における精神科の求人情報を豊富に抱えています。
しかし、扱っている求人数は少なくても、転職後の定着率が高い求人が多く、作業療法士の中でも人気があるのはマイナビです。そのため、マイナビに登録しておくと、数は限られていますが、好条件求人を紹介してもらえる可能性があります。
こうしたことからも、精神科の作業療法士求人を探す場合には、マイナビコメディカルとMEDFiT、PTOT人材バンクの3つの転職サイトに登録すべきだといえます。そうすることで、MEDFiTとPTOT人材バンクから多くの求人を紹介してもらいながら、数は少ないですがマイナビからも好条件の求人情報を得ることができます。
今回述べたように、精神科における作業療法士求人は、人気が高い上に数が限られています。そのため、なかなか希望する条件に合った求人情報を見つけることができません。
ただそうした中でも、精神科の作業療法士求人が多い県へ転職したり、求人案件を豊富に扱っている転職サイトを活用したりすることで、あなたの希望を満たした精神科の作業療法士求人は見つかりやすくなります。
こうした方法を使って、ぜひ精神科への転職を成功させてください。
ただし、マイナビコメディカルを利用する際には、対応地域を確認した上で登録するように注意してください。

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一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や施設を含め、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって特徴が大きく異なります。例えば、電話だけの対応で素早さを重視する会社があれば、面接まで同行することで難しい案件への対応を得意としている会社もあります。他には、大手企業に強みを発揮する会社があれば、地方求人を多く保有している会社もあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

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