作業療法士は残業が当たり前?残業なしで帰宅できるOT求人の見つけ方

作業療法士(OT)が転職する際、多くの作業療法士が転職先に求める条件の1つとして「残業なく定時で帰宅できる」ということが挙げられます。
時間の使い方は人それぞれですが、残業なく定時で帰宅することで、プライベートの時間が確保できたり、仕事で疲れた心身を回復させる時間に充てたりすることができます。
また作業療法士の場合、業務後の時間を使って講習会が行われることも少なくありません。もし残業があるような職場であれば、そのような勉強会に参加することも難しくなります。
そのため、作業療法士が転職する際には、「残業なしで定時に帰宅できる」という条件は、ぜひ求めるべき条件だといえます。
ただ、作業療法士の求人情報に載っている情報だけでは、本当に残業なく定時に帰宅できるのかどうかはわかりません。求人情報に「残業なし」と書いてあった職場に転職したのに、「実際は毎日残業をしなければいけなかった」ということも、少なくありません。
そこで今回は、「残業なしで定時に帰宅できる作業療法士求人の見つけ方」について述べます。

もくじ

作業療法士が残業なしで帰宅できる職場の特徴

残業なしで定時の帰宅できる職場に転職したいと考えている場合には、まずはそうした職場の特徴を理解しておくことが大切です。そうすることで、条件を絞って求人を探すことができるようになります。
以下に、残業なしで定時に帰宅できる職場の特徴について記します。

公務員の作業療法士として働くことができる職場

国や県、市が運営している病院などで働く作業療法士は、公務員に準ずる待遇を受けることができます
そして、このように作業療法士が公務員として働くことができる職場では、残業なく定時に帰宅できるところが多いです。
さらに、公務員として勤めることができる職場は「土日祝日休み」といったように、休日も多いことがほとんどです。そのため、「プライベートを充実させたい」「積極的に勉強会に参加したい」と考えている作業療法士には、お勧めの転職先です。

業務時間内に書類作成時間が確保してある職場

作業療法士は、患者さんに対するリハビリを行うことが主な業務となります。ただ実務以外にも、それに伴って必要になる「カルテの記載」や「計画書の作成」などの書類作成業務も行わなければいけません。
そして、本来であれば業務時間内にカルテ記載の時間を設けなければいけません
しかし、全ての職場で業務時間内にカルテ作成の時間が用意してあるわけではありません。実際、私が最初に勤めたクリニックでは、書類作成の時間は全く設けられておらず、業務時間はビッチリ患者さんの予約が入っているような状態でした。
そうなると、どうしても業務時間外に書類作成を行う必要があります。
一方で、2つ目に勤めたクリニックでは、1時間ごとにカルテ記載の時間が用意してありました。そのため、業務時間内に書類作成も終わらせることができたため、ほとんど毎日、残業なく定時で帰宅することができていました。
このように、業務時間内にカルテを記載する時間があると、業務時間後に残って書類作成を行うことはなくなります
そのため転職する際は、業務時間内にカルテ記載の時間が設けてあるかを確認することが大切です。そして、そのような時間を十分に確保してあるようであれば、残業なく定時で帰宅できるような職場である可能性が高いといえます。

手術がない職場

作業療法士が勤務する整形外科病院などでは、手術が行われる病院もあります。
そのような病院は、手術の見学や手術後のリハビリが行えるため、作業療法士の転職先としては人気が高い病院です。特に、学校を卒業してすぐの人たちは、手術後のリハビリなどに興味を持っており、手術が行われている病院への就職を希望する人が多くいます。
ただ、このように手術が行われる病院では、残業を行うことが多くなる可能性が高いです。
それは、業務後にドクターと作業療法士によるカンファレンスがあったり、手術後の患者さんの状態を確認しに行ったりする必要があるためです。その結果、定時に帰宅できないような日が多く出てきます。
一方で、クリニックであれば、患者さんへの作業療法業務が終了すれば、
帰宅することができます。クリニックで業務終了後に、定期的にドクターとカンファレンスを行うようなところはほとんどありません。また、入院患者さんもいないため、業務終了後に患者さんの様子を見に行くこともありません。
そのため、入院施設があるような病院と比べると、作業療法士がクリニックへ転職すると、残業なく定時で帰宅しやすい可能性が高くなるといえます。
ただ既に述べたように、クリニックであっても業務時間内にカルテ記載の時間が確保してないような職場では、定時に帰宅できないことが多くなるということを理解しておいてください。

作業療法士一人当たりの担当患者数が少ない職場

作業療法士は、患者さんに対して20分を1単位としてリハビリを行います。そして、患者さんの病態や疾患によって。リハビリを行う時間は異なります。
例えば、回復時期にあって積極的に作業療法士によるリハビリを行った方が良い患者さんに対しては60分(3単位)の時間を確保します。一方で、クリニックなどでは、基本的に1人当たり20分(1単位)で対応します。
このように、作業療法士が患者さんにリハビリを行う時間は、患者さんの状態などによって変わります。また、働く職場によっても、1人当たりのリハビリ時間が異なってくる場合があります。
私が最初に勤めたクリニックは、基本的に1人当たり20分(1単位)で対応していました。しかし、同じクリニックであっても、次に転職したクリニックでは、1人当たり40分(2単位)でのリハビリが基本となっていました。このように、患者さんの状態などとは関係なく、職場の方針によってもリハビリを行う時間は異なります。
そして、1人当たり20分でリハビリを行うとなると、どうしても担当する患者さんの数は多くなります。そうなると、自然とカルテや作成する計画書の数も増えるため、業務内では仕事が終わらなくなります
その結果、業務時間外に書類作成を行う必要がでてくるため、残業が多くなります。
このような理由から、作業療法士が担当する患者さんの数が少ない職場は、残業が少なく定時で帰宅できる可能性が高いところであるといえます。
そのため、転職先には「作業療法士1人当たりの担当患者数」を確認することが大切です。

作業療法士の残業が多い職場の特徴

作業療法士の転職先である病院や施設の中には、逆に「残業が多そうな職場」にもいくつかの特徴があります。そうした職場への転職を避けることで、残業なく定時に帰宅できるところへ転職することができます。
残業が多い職場の特徴を以下に記します。

作業療法士の数が多い

作業療法士が在籍する病院や施設の中には、同じ診療科で同程度の規模の病院であっても、作業療法士が多い職場と、そうでないところがあります。
作業療法士の数が多い病院や施設では、医者や経営者の方針として「リハビリを推奨していく」と考えられているところがほとんどです。そのため、そのような職場には、スキルアップなどの意識が高い作業療法士が集まりやすい傾向にあります。
そうなると、必然的に院内での新人教育やスキルアップのための勉強会などが多く行われるようになります。
このような取り組みのほとんどは時間外に行われます。その結果、当然ながら帰宅する時間が遅くなります。
このような勉強会が、月に1回程度であれば苦にならない作業療法士も多いと思います。しかし、そのように意識の高い作業療法士が集まっているような職場では、業務後に週2,3回勉強会を開催したりします。
確かに、作業療法士として熱心に勉強することは大切です。ただ、残業なく定時に帰宅したいと考えている人にとっては苦となります。
このように、作業療法士の数が多い職場は、定時に帰宅できないことが多くなる可能性が高いといえます。

夜遅くまで職場の電気がついている

作業療法士が勤める病院や施設には、「いつも夜遅くまで電気がついている」「毎日朝早く人が出勤して、夜遅くも人が出入りしている」というところもあります。
これは、実際に病院や施設の前を通ってみることで確認できます。
このように、夜遅くまで職場の電気がついているようなところは、毎日遅くまで残業しているスタッフがいる可能性が高いです。先ほど述べたような、院内勉強会が多いところも、遅くまで病院の照明がついている日が多くなります。
もしかしたら、残っているのは一部の管理職者だけかもしれません。しかし、たとえそうであっても、管理職者が残業を日常的に行っているような職場は、「残業する人=仕事ができる人」という風潮になりがちです。
その結果、自然と残業をする人が増えてきます。
以上のような理由から、夜遅くまで電気がついているような病院や施設は、残業が多い可能性が高い職場だといえます。

作業療法士が残業なしの職場へ転職すべき理由

ここまで述べたように、作業療法士として残業がない職場には、いくつかの特徴があります。これらを元に転職先を探せば、残業がない職場を見つけることができるようになるのです。
それでは、最後に作業療法士が残業なしの職場へ転職するべき理由について解説します。

作業療法士が「残業なし」「通勤時間短」で得られるもの

作業療法士が、残業無く通勤時間が短い職場に転職することで得られる最大のメリットは、「自由な時間を確保できること」です。つまり、プライベートととして使うことができる時間が増えるということです。
多くの場合は、1日における作業療法士の業務時間は7~8時間です。そして、職場にいる時間は、実務時間の8時間に昼休みの1時間が追加されるため、実際の拘束時間は9時間前後になります。
さらに、この9時間に加わるのが残業時間と通勤時間です。あなたが自由に使える時間は、24時間から仕事を行うによって拘束される全ての時間を引くことで計算できます
つまり、作業療法士が自由に使うことができる時間を増やすためには、仕事での拘束時間を短くすることが重要だといえます。
そうはいっても、拘束時間の中でも、実務時間や昼休みの時間を削ることはほとんど不可能です。そのため、作業療法士がプライベートな時間を確保するためには、いかに残業時間と通勤時間を短くするかがポイントになります。
例えば、通勤時間が片道5分の人と1時間の人では、1日でプライベートに使える時間は約2時間違ってきます。そうなると、1ヶ月では約60時間(3日)、1年で約720時間(30日)もの違いが出ます。
残業も同様で、「たった1日1時間」と考える人もいると思いますが、年間で計算すると、かなりの時間を費やしていることがわかります。
このように、作業療法士が自由に使えるプライベートな時間を作るためには、残業と通勤時間を短くすることが不可欠です。そして、残業や通勤時間の差は、1日だとわずかな違いのように感じますが、1年などの大きな単位で考えることで、どれほど多くの時間を費やしているのかを実感することができます。

作業療法士が残業を減らしてプライベートな時間を確保すべき理由

作業療法士は、残業時間と通勤時間を少なくすることで、自由に使えるプライベートな時間を増やすことができます。そして、そのような時間をできるだけ確保することは、作業療法士にとってはとても大切なことです。
作業療法士がプライベートな時間を確保すべき理由には、以下の2つが挙げられます。

患者さんに対する作業療法の質が高まる

作業療法士が自由に使える時間が増えることは、さまざまな点から患者さんに対するサービスの質を向上させることにつながります。
具体的には、プライベートな時間が増えることで、作業療法士の健康増進につながります。
例えば、残業無く早く帰宅出るということは、体を休める時間を十分に確保することができます。またそれだけではなく、仕事帰りにジムに行って運動したり、マッサージを受けることでリフレッシュしたりすることもできます。
もし毎日残業があって、なおかつ職場から家までが遠いと、このように休憩や運動、リフレッシュに充てる時間を確保することができません。
その結果、睡眠不足や運動不足となり、作業療法士自身が不健康となります。
患者さんと接する仕事である作業療法士は、特に自分自身の心身が健康であることが大切です。そのため、このようにプライベートな時間が十分にあることで、作業療法士自体の健康維持につながり、結果的に患者さんに提供するサービスの質が上がることになります。
さらに、患者さんに質の高いサービスを行うためには、作業療法士は日々勉強しなければいけません。
そうした勉強は、仕事以外の自由な時間に行う必要があります。そのため、プライベートで自由に使える時間が増えるほど勉強も行いやすくなります。その結果、作業療法士の知識や技術の向上につながり、患者さんへ提供するサービスの質が高くなります。
このように、作業療法士が自由に使うことができる時間が増えると、患者さんに対するサービスの質を向上させることができるようになります。

作業療法士自身の人生が充実する

作業療法士の中には、「仕事が趣味」というような人もいます。しかし、ほとんどの人は、仕事だけではなく趣味や家族と過ごす時間、リラックスする時間がなければ、人生を充実したものとすることはできません。
そのため、仕事以外のプライベートな時間はとても大切になります。
そのような時間を確保することで、子供と毎日お風呂に入ることができたり、趣味である読書に十分な時間を充てたりすることができます。
人生を充実させるものは、人によって異なります。しかし、仕事ばかりしていて時間に追われている人で「人生が充実している」と感じる人は少ないはずです。もしかしたら「死ぬまで働けたら本望」と本気で考えている人もいるかもしれませんが、大半の人はそうではありません。
このように、プライベートに使うことができる時間を増やすことで、あなたが本当に行いたいことをできる時間が多くなります。その結果、あなたの人生における充実度は、より高まるはずです。
以上のことから、残業や通勤時間はできるだけ短い職場を選択することが大切だといえます。
今回述べたように、作業療法士が残業なく定時で帰宅しやすい職場には、いくつかの特徴があります。こうしたことを意識して転職先を探すと、残業なく定時で帰ることができる職場へ転職できる可能性が高くなります。
ただ既に述べたように、いくら求人情報に「残業なし」と書いてあっても、本当に残業がないかは働いてみないとわかりません。また、作業療法士の求人情報で「残業ゼロ」と記載してあるものは多くありません。
そのような場合は、作業療法士専門の転職サイトを利用することをお勧めします。
転職サイトに登録すると、業界事情に詳しいアドバイザーが担当として付きます。そして、経験豊富で広い情報網を持つアドバイザーが、あなたの希望に合った求人情報を探してくれます。
また転職サイトでは、一般の求人情報やインターネット上に載っていないような「非公開求人」をたくさん抱えているため、あなたが希望している「残業なし」という条件の求人も見つかりやすくなります。
そのため、転職先に「残業なし」などのこだわった条件を求める場合には、作業療法士転職サイトを活用することが、転職を成功する近道になります。


リハビリ転職で失敗しないために必要な理想の求人・転職先の探し方とは!


リハビリ関係者が転職を考えるとき、転職サイトを活用するとより自分の希望に沿う求人を見つけることができるようになります。自分一人では頑張っても1~2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉まで行うのは現実的ではありません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や施設を含め、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって特徴が大きく異なります。例えば、電話だけの対応で素早さを重視する会社があれば、面接まで同行することで難しい案件への対応を得意としている会社もあります。他には、大手企業に強みを発揮する会社があれば、地方求人を多く保有している会社もあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。

オススメ転職サイトの特徴と違い →


注目の人気記事

管理人による転職体験記

理学療法士として、私が実際に転職サイトを利用して転職した経験を述べています。見学の際に感じたことや、失敗した経験から、転職の際に必要だと感じたことなどを詳細に記しています。

→ 管理人による転職体験記

転職サイト利用の流れ

転職サイトを活用するとはいっても、初めて利用する人がほとんどなので「どのような流れで進んでいくのか分からない」という不安が残ります。実際には難しいことは何一つないのですが、どのような手順で進んでいくのかを解説しています。

→ 転職サイト利用の流れ

転職サイトを有効活用する方法

良い求人を見つけ、転職を成功させるときは転職サイトの利用が一番の近道です。しかし、リハビリ関連職者の中でも、転職サイトを利用したことがないという人は多いです。そこで、転職サイトの有効な活用方法について記しています。

→ 転職サイトを有効活用する方法

  • マイナビ
  • 人材バンク
  • メドフィット