理学療法士(PT)が整形外科クリニックへ転職する際のポイント

 

理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などのリハビリ関連職が転職する際は、整形外科病院や循環器専門病院、デイサービス、通所リハビリといったようにさまざまな選択肢があります。

 

その中から転職先を選択する基準は、人それぞれ異なります。しかし、どの職場に就職・転職する際でも、業務の内容を把握した上で転職先を選ぶことが大切です。

 

一言で理学療法を行う仕事といっても、職場によって業務の内容や1日の流れは異なります。そのため、それぞれの職場におけるメリットやデメリット、一日の理学療法業務の流れ、仕事内容の詳細などを知っておくことは大切です。

 

また、そうした違いを理解した上で、転職する前にはいくつか確認しておくべきことがあります。

 

そこで今回は、「整形外科クリニックにおける理学療法業務の内容と、一日の流れ」「理学療法士が整形外科クリニックへ転職するメリット・デメリット」「転職する前に確認すべきこと」について解説します。

 

整形外科クリニックとは

クリニックとは、日本語で「診療所」といい、基本的には「入院がなく、入院患者のためのベッドは無床、もしくはあっても19床以下の病院」のことを指します。そのため、通院される患者さんが理学療法の対象になります。

 

また整形クリニックでは、ほとんどの患者さんが、「変形性膝関節症」や「腰椎椎間板ヘルニア」など、整形的な疾患によって通院されています。これは、クリニックで請求できる保険点数にも関係しています。保険点数とは「診療報酬点数」のことであり、簡単に説明すると医療行為の値段を表します。

 

例えば、理学療法を行うことで請求できる点数は、何段階かに分かれています。運動器疾患でいうと、「運動器リハビリテーション料」というものが、以下に記すように、3段階に決められています。

 

運動器リハビリテーション料T

185点

運動器リハビリテーション料U

146点

運動器リハビリテーション料V

77点

*平成28年

 

このとき、保険点数は「1点=10円」で計算します。そのため、運動器リハビリテーションTを請求した場合、病院側は1800円を受け取ることになります。そして、患者さんが実際に払うお金は、その人の保険によって異なります。通常では、3割負担であるため540円となります。ただ実際には、これに再診料などが追加されるため、もう少し増えます。

 

そして、この3段階の保険点数ををそれぞれ請求するためには、病院が満たさなければいけない施設基準があります。それは、施設の大きさや勤務している理学療法士の数によって決められています。

 

こうした請求できる点数ごとに施設基準が違うのは、その他の疾患でも同様です。病院がある一定以上の条件を満たしていない場合には、保険点数として請求することができません。

 

また、このような保険点数は、その他の疾患でも同じように定められています。例えば、脳卒中の後遺症に対するリハビリでも点数は以下のようになります。

 

脳血管リハビリテーション料T

245点

脳血管リハビリテーション料U

200点

脳血管リハビリテーション料V

100点

*平成28年

 

そして脳血管リハビリテーション料に関しては、運動器リハビリテーション料とは違い、理学療法士だけではなく、作業療法士も常勤している必要があります。脳血管リハビリテーション料Vは作業療法士がいなくても請求できますが、これでは点数が低いため病院の利益は出ません。

 

このように、請求できる保険点数は施設の広さや常勤しているスタッフの職種、人数によって異なります。

 

当然ながら整形クリニックでは、脳血管疾患リハビリテーション料ではなく、運動器リハビリテーション量を請求できるような施設や人員配置をしています。こうした理由からも整形クリニックでは、理学療法士が対応する患者さんは整形疾患を持った人が主になります。

 

業務の内容と一日の流れ

整形外科クリニックには、主に整形外科的な疾患を患った患者さんが通院されます。そして、理学療法士はそのような患者さんに対してリハビリを行います。整形外科クリニックでは、リハビリ職者の中でも理学療法士が勤めている場合が多いです。

 

そして対応する患者さんは、スポーツで怪我をした小中学生から加齢の影響で腰痛などが生じている高齢者まで、さまざまな年齢層の方がいます。

 

そして、そのような患者さんが訴える症状の多くは、「痛み」や「痺れ」です

 

また症状がある部位としては、ひざ関節や腰、肩、首、股関節など、さまざまな部位があります。その中でも、ひざ関節と腰の不調で来院される患者さんは多いです。

 

整形外科クリニックで理学療法が処方される場合には、必ず医者によって診断名がつけられます。そこで、整形外科クリニックで理学療法がオーダーされる疾患の例を以下に挙げます。

 

 首の疾患
・頚椎椎間板ヘルニア

 

 肩の疾患
・肩関節周囲炎

 

 手の疾患
・橈骨遠位端骨折

 

 腰の疾患
・変形性脊椎症
・腰椎椎間板ヘルニア
・腰部脊柱管狭窄症
・脊椎圧迫骨折

 

 股関節の疾患
・変形性股関節症

 

 膝の疾患
・変形性膝関節症
・半月板損傷

 

これらは一例ですが、代表的なものは以上のような疾患になります。

 

また理学療法が処方される診断名は、勤めるクリニックによって大きく異なると考えておいてください

 

例えば、私が最初の職場では、頸や肩、腰、股関節、膝などの疾患は、理学療法がオーダーされていました。一方で、肘や手指などの病名に関して理学療法士が対応することは、ほとんどありませんでした。

 

しかし2つ目の職場では、「肘内障」や「腱鞘炎」といったような肘や指の診断名でも理学療法が処方されていました。つまり、職場によって理学療法士として対応する疾患が異なるため、行う治療も違います。

 

そのため転職する前には、転職先のクリニックでは「どのような診断名で理学療法が処方されるのか」ということを確認しておいた方がよいでしょう。

 

そして整形外科クリニックでの主な業務は、このような整形外科的な診断を受けた患者さんに対するリハビリになります。そのため、「立ち上がり訓練」や「歩行訓練」といった、動作訓練のような一般的にイメージされるリハビリと違って、徒手療法やストレッチといった機能改善を目的としたリハビリが中心になります。

 

また、ほとんどの患者さんが自分自身で通院されるため、歩行や立ち上がり、トイレ動作の介助などの身体介護に理学療法士が関わることはあまりありません。

 

このように、整形外科クリニックの業務内容としては基本的には患者さんの機能改善が主になります。これらに加えて、担当患者さんのカルテ記入やリハビリ計画書の作成などの業務があります。

 

1日の流れ

先ほども述べたように、整形外科クリニックにおける理学療法士の業務は患者さんに対するリハビリが主になります。これが、デイサービスなどになるとまた異なります。

 

デイサービスでは、利用者さんの送迎やレクレーションなど、理学療法士であってもさまざまな業務を行わなければなりません。

 

一方で整形外科クリニックでは、送迎やレクレーションなどの業務を理学療法士が行うことはほとんどありません。理学療法士における業務時間のほとんどは、患者さんと1対1で行うリハビリになります。

 

以下に、業務の流れとして、1例を載せます。

 

8:30    出勤、掃除
8:45〜  朝礼
9:00〜  患者さん対応
13:00〜  昼休み(90分)
14;30〜  患者さん対応
18:30〜  掃除、業務終了

 

入院がある総合病院やデイサービスなどの介護保険施設との一番の違いは、休憩時間が長いため業務終了時間が遅いことです。

 

総合病院などでは、昼休憩が60分であるところが多いです。一方、整形外科クリニックでは、90〜120分のところがほとんどです。これは、患者さんが多い場合には昼過ぎまで診察が行われるためです。休憩時間が短いと、医者が休む時間がなくなります。

 

また、外来は仕事が終わった後に通院される人も少なくありません。そのため、昼休みを長くし、業務終了時間を遅くしているところがほとんどです。

 

カルテの記載や計画書などの書類の作成は、患者さん対応の空いた時間や昼休み、業務終了後に行います。そのため、人によって異なりますが、帰宅時間は業務終了の30〜60分後になると考えておいた方が良いでしょう。

 

最後に、整形外科クリニックにおける業務の特徴をまとめます。

 

・業務のほとんどは患者さんに対する1対1のリハビリ
・昼休みが長く、業務終了時間が遅い

 

理学療法士が働く整形外科クリニックには、他の職場とは以上のような違いがあります。理学療法士として整形外科クリニックへの転職を希望している際は、このことを理解した上で選択をするようにしましょう。そうすることで、入職後に「想像していた業務と違った」などと、後悔することが少なくなるはずです。

 

整形外科クリニックにおける理学療法士の給料事情

理学療法士が整形外科クリニックへ転職する際に気になる条件の一つとして、「給料」が挙げられます。どのような職場でもそうですが、転職先における収入を気にしない人はいません。

 

そして、整形外科のクリニックは、職場によって給料や収入にバラつきがあります。それは、同じ整形外科クリニックであっても、母体の大きさが違うためです。

 

例えば、整形外科クリニックの中には、一人の医者が個人でクリニックだけを経営しているような場合もあります。また、入院施設があり手術を行うような「整形外科病院」にクリニックが併設されているようなケースもあります。

 

当然ながら、後者のように入院施設を運営しているクリニックの方が、母体は大きいといえます。

 

そして、クリニックに限ったことではありませんが、母体が大きい職場は福利厚生などが充実している傾向にあります。その結果、母体が大きなクリニックで働いている理学療法士の方が、年収は高くなります。

 

また、整形外科のクリニックは、地域によっても理学療法士の待遇が大きく変わります。

 

具体的には、神奈川などでは、「週休2.5日」「年収400万円以上」という整形外科クリニックの求人はよく見ます。その一方で、熊本などでは、そうした好条件の整形外科クリニックの理学療法士求人はほとんど存在しません。

 

このように、整形外科クリニックの理学療法士における給料は、職場や地域によってピンきりであるのが現状です。

 

理学療法士が整形外科クリニックへ転職するメリット

理学療法士として整形クリニックで働くことの一番のメリットは、「治療医学を学びやすい」ということです。

 

理学療法士には、「環境面などに働きかけること」と「身体機能を改善させること」という2つの側面から、「患者の社会復帰を支援する」という役割があります

 

例えば前者であれば、筋力や可動域といった体の機能はそのままだけれども、装具や杖などの補装具、もしくは手すりやスロープなどを使用することによって、社会復帰を支援することになります。これは、入院施設がある病院に勤める理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ職者が特に求められる能力です。

 

一方で後者は、筋力低下や関節可動域制限などの「機能障害」が原因で体に痛みが生じ、その疼痛によって仕事ができない人などに対して治療を行います。つまり、理学療法によって障害された機能の改善を図ることで社会復帰を支援します。こちらは、整形クリニックに勤める理学療法士に特に求められやすい能力になります。

 

そうはいっても、理学療法士としてはどちらの能力も必要です。これは、勤める先が病院でもクリニックでも同じです。なぜなら、その患者さんは、どちらの問題も抱えている場合が多いためです。

 

ただ、整形クリニックに通院する患者さんは、機能面な問題が大きい人がほとんどです。そのため、理学療法士として機能障害について深く考える機会が多くなります。これは、悪い意味では視野が狭くなりがちになります。一方で良い意味では、身体機能に関してかなり強くなります

 

そもそも、装具などの環境面に対してアプローチする場合でも、身体機能を最大限改善させた上で環境面を整えるということが大切です。しかし。改善できる機能障害があったとしても、理学療法士が身体機能を良くする治療技術を持っていないと、体に機能障害を残したまま装具などで代償させることになります

 

入院施設がある病院に勤めていると、退院後の生活があるためどうしても装具などに頼ってしまいがちです。その結果、改善する可能性があった機能障害を残したまま装具を使用したり、手すりを付けたりと環境面の調整を行ってしまうことになります。

 

確かに、退院した後に安全に生活をするためには、できるだけ環境面を整備することは大切です。ただ、そのことが患者さんの機能回復を妨げることにつながる可能性があることを忘れてはいけません。

 

つまり、患者さんの体の回復の可能性を消してしまうということです。これでは、リハビリにおける本来の「最大限の社会復帰を支援する」という目的が、達成できなくなってしまうことになりかねません。。

 

こうしたことは、理学療法士としては絶対に避けなければならないことです。

 

確かに、専門家として適切な「落とし所」を見つけることが大切です。治らないものは治りません。例えば、脳梗塞で生じた麻痺などを、後遺症無く100パーセント良くすることは不可能です。そうした場合には、環境面を整えて生活の質を向上させる必要があります。

 

しかし、理学療法士として治せるものは治さなければなりません。そして、治すには機能障害を改善するということが必須です。

 

整形クリニックでは、このような治療家としての「機能障害を改善させる」という治療技術を高めることができます。このことが、理学療法士が整形外科クリニックで働く最大のメリットだといえます。

 

理学療法士が整形外科クリニックへ転職するデメリット

整形外科クリニックへ理学療法士が転職すると、「身体機能に強くなり治療技術が向上しやすい」というメリットがあります。私も卒業後の就職先と、その次の職場は整形外科クリニックでした。そして実際に、身体機能や治療技術をたくさん学ぶことができました。

 

ただその一方で、整形外科クリニックで働く際には注意しなければいけないこともあります。デメリットというわけではありませんが、クリニックへ転職して苦労しやすいことを理解しておくことで、転職後のミスマッチを防ぐことができるようになります。

 

そこで、以下に理学療法士が整形外科クリニックで働く際に起こりやすい苦労について記します。

 

担当患者数が多い

整形外科のクリニックでは、患者さんのリハビリは基本的に1単位(20分間)で行います。その一方で、入院施設などでは3単位(60分間)やそれ以上の時間をかけてリハビリを行うところがほとんどです。

 

そのためクリニックでは、1日に行うリハビリの単位数が同じでも、入院施設などとは比べ物にならない位、担当する患者さんの数が多くなります。

 

例えば、1日の単位数が同じでも、1人当たり3単位行う病院と比べると、担当者数は3倍近くになります。

 

そして、当然ながら1人1人の患者さんの特徴は異なるため、理学療法士として考えなければいけないことも担当者の数だけ増えます。また、理学療法士が1人に対して行うリハビリ時間が1単位と短いことも、入院施設で働いていた人からすると大変に感じるはずです。

 

整形外科クリニックでは、理学療法士は20分の中で必要なことを全て行わなければなりません。そして、整形外科クリニックに来院される患者さんの多くは、短くても次のリハビリまでに2〜3日、長い人では2週間程度空きます。

 

そのため、理学療法士は20分という短い時間で、「次に来院されるまでの期間に注意すること」や「患者さん自身で行った方が良いこと」など、さまざまなことを患者さんに対して伝えておかなければなりません。

 

20分の間に問診から生活指導まで行うのは、1単位でのリハビリに慣れている理学療法士でも大変なことです。ましてや、1人当たり3単位(60分間)の時間を使って日常的にリハビリを行っていた人にとっては、特に時間が足りないと感じるはずです。

 

さらに、理学療法を行うためには最低でも3ヵ月に1回、リハビリの計画書を作成しなければなりません。こうした計画書は、担当者の数だけ作らなければいけないため、整形外科クリニックに勤めている場合には、作成する計画書の数は膨大になります。

 

実際に私は、担当者が100人に近くになったこともあります。そうなると、毎月100枚の計画書を作成することになります。

 

担当者数が多いということは、理学療法士としてさまざまな状態の人と関わることができるというメリットでもあります。しかし既に述べたように、考えることや計画書の数が多くなるため苦労する人も少なくありません。

 

リハビリの頻度が患者さんの都合になる

入院施設と違い、整形外科のクリニックでは家で生活している人が病院へ通院してリハビリを受けます。

 

患者さんが入院している場合は、担当者は病院で生活しているため、ある程度は理学療法士の都合によってリハビリの時間帯や量を調節できます

 

例えば、1日に1回しかリハビリを行っていない人でも、看護師さんに協力してもらうことで自主的な運動を促してもらったり、歩く回数などを増やしてもらったりすることができます。

 

一方、整形外科のクリニックでは、仕事や家事などがあるため週に1回通うことすら難しい人もいます。そのため、痛みが強い時期などで状況をこまめに確認したい場合でも、「次回のリハビリが2週間後」などということは多々あります。

 

そうなると、期間が空きすぎて患者さんの状態が大きく変わってしまっていることも少なくありません。

 

このように、理学療法士が行いたいペースでリハビリが行えないことも、入院施設で働いていた人にとっては苦労することだといいます。

 

帰宅時間が遅い

理学療法士が働く病院の仕事は、17時半に終わるところが多いです。また、理学療法士が勤務するデイサービスや通所リハビリなどの介護保険施設も、17時から17時半までには業務が終了する場所がほとんどです。

 

一方、整形外科クリニックでは、17時半に理学療法の業務が終了ことは少ないです。整形外科クリニックでは、多くの場合が18時半までであり、遅いところでは19時までということもあります。実際に私が最初に就職したクリニックは、19時まで仕事がありました。

 

このような場合、だいたい理学療法の業務終了時間30分前に受付が閉まります。そのため、その時間までに受付を済ませている人は診察を受けることができます。

 

患者さんの数が少ない時は、受付を終えた後すぐに診察を受けることができます。しかし、ほとんどの場合は既に数名から数十名の患者さんが診察を待っています。そのため、受付を済ませた後も、診察までは少なくても数十分は時間があります。

 

そして、クリニックによっては診察を受けた後に理学療法が処方されることもあります。そのような場合、19時過ぎであろうが、理学療法士は患者さんに対応しなければなりません。実際に私がクリニックに勤めていたときは、21時からリハビリを実施した日もあります。

 

さらに、患者さんの対応が終わった後は、カルテなどの雑務が残っています。また既に述べたように、患者さん1人ひとりの計画書も作成しなければ行けません。そのため、もし定時に業務が終了しても帰宅は早くても30分後になります。

 

このように、理学療法士として整形外科クリニックで働く場合、患者さん対応という業務が終了した後に、カルテ記載だけでなく計画書の作成まで行わなければなりません。

 

つまり整形外科クリニックにおける帰宅時間は、「求人情報やホームページなどに書かれてあるリハビリ終了時間+1時間」と考えておいた方がよいでしょう。

 

こうしたカルテや計画書の作成は、病院であろうがクリニックであろうが共通です。しかし、基本的にクリニックは、理学療法の業務終了時間が遅い傾向にあります。

 

その結果、クリニックに勤める場合は、入院がある病院などに比べると帰宅時間は遅くなります。

 

クリニック自体の将来性が不安定である

一般的に、病院やクリニックに勤めている理学療法士は「将来も仕事がなくなることはない」と考えている人が多くいます。しかし、そのようなことはありません。特に、クリニックで働いている理学療法士は注意が必要です。

 

大きな病院では、経営者と医者が違う人であることが多いです。つまり、医者は雇われている場合がほとんどです。それに対して、クリニックの場合、医者が経営者、もしくは医者の奥さんが経営者というケースが多いです

 

そのようなクリニックでは、現在の院長や奥さんが高齢になって仕事を辞める時に、クリニック自体を閉鎖する可能性があります。

 

そうなると、そのクリニックで働いていた、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ職者はもちろんのこと、受付や看護師なども職を失いことになります。

 

そのため、事前に「経営者はどのような人がしているのか」「院長の跡取りはいるのか」など、クリニックの将来に関することの情報も得ておくことが重要です。

 

そして、そのクリニックの将来性を知った上で、転職先として選択することが大切です。

 

整形外科クリニックへ転職する際に確認すべきこと

同じ整形外科クリニックであっても、その職場によって、それぞれの特徴があります。そして、そのようなちょっとした違いを考えずに就職したことによって、入職後に後悔することもあります。

 

そこで以下に、整形外科クリニックに就職する際に、確認しておくべきポイントについて述べます。

 

予約制の有無

整形外科クリニックの場合、基本的には通院の患者さんに理学療法を行うようになります。そして、時間毎に予約を取る場合と、予約を取らずに来院された順に対応する2つのパターンがあります

 

予約を取る場合は、20分を1単位として、「9:00〜」「9:20〜」というように、20分毎に予約枠を作るところがほとんどです。

 

他にも、「9:00〜10:00」というように、1時間という時間の予約を3人取り、その中で来院された順や他の治療との兼ね合いを見ながら、理学療法士が時間を調整して順番を決めるという形をとる職場もあります。

 

このように、予約を取ることのメリットは、日によって担当する患者さんの数にばらつきがないことです。

 

もちろん、少しは日によって患者さんの数は変わります。しかし、予約制であるため、予約してある以上に患者さんに入ることはありません。そのため、ある程度落ち着いて患者さんに対応することができます。

 

また、自分の予約枠に予約することで、継続して患者さんにリハビリを実施することができます

 

一方、予約制ではない場合、日によって担当する患者さんの数にばらつきが出やすくなります。例えば、天気が良い日は、多くの人が来院されることが多いです。逆に雨の日や寒い日は、患者さんが少なくなります。

 

さらに、予約制でない場合は、来院された順に対応するため、担当する人もバラバラになる可能性が高くなります。

 

しかし、予約制でないことのメリットもあります。それは、その日に診察を受けてリハビリの処方が出た患者さんに、すぐに対応できる可能性が高くなるということです。

 

予約制の場合、すでに予約が入っている患者さんの対応が優先になります。そのため、その日に処方をされた患者さんに対応できない場合が少なくありません。そのようなケースでは、次回の予約を取って帰ってもらうことになります。

 

そうは言っても、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ職者として、落ち着いて患者さんに入ることは重要ですし、同じ患者さんを継続して担当することで経過を見ることも大切です。

 

そのため、個人的には外来の整形外科クリニックに就職する際は、予約制である方が良いと思います。

 

もし予約制がない職場に就職した場合は、以下のような後悔が起こる可能性があります。

 

 ・1人の患者さんを継続して担当できない
 ・時間に追われ、ゆっくり治療を行うことができない

 

予約制を行っているクリニックに転職することで、このような事態は避けることができます。

 

予約制にもメリット、デメリットがあります。あなたがどちらの形態を望むにしても、整形外科への就職を希望する際は、予約制の有無は確認しておいた方が良いでしょう。

 

事前に確認しておくことで、以前の職場と形態が違ったとしても、入職前から気持ちの準備ができます。それだけで、仕事のイメージも明確にできるため、初日から慌てることなく、業務が行えるはずです。

 

患者さん一人当たりの対応時間

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの専門職者が行うリハビリは、20分を1単位として行われます。そして、整形外科のクリニックでは、患者の治療時間は1単位で行っている病院と、2単位行っているところの2つのパターンがあります。

 

1単位で対応しているところが多い印象ですが、中には、2単位で行うことが基本のところもあります。

 

私が最初に就職したクリニックは1単位での対応が基本でした。その次の職場では、臨機応変に1単位と2単位を使い分けて行っていました。

 

個人的には、リハビリを行うのに必要な単位数は人によって異なるため、臨機応変に1単位と2単位を変えることができる方が良いと思います。その方が、その人に合せて対応ができるため、サービスの質も向上します。

 

1単位での請求が基本になっている職場では、場合によっては時間が足りないこともあります。長く続けたいと思っても次の患者さんが待っているため、リハビリを終わらなければなりません。

 

そのため、リハビリ中に焦ったり、中途半端なところで終わらないといけなかったりすることもあります。

 

このような理由からも、臨機応変に対応時間を変えてよい職場の方が良いと考えます。

 

患者さんの年齢層

また、クリニックに通院される患者さんには、幅広い年齢層の方々がいます。そして、それは各診療所によって異なります。

 

患者さんのほとんどが、60歳より若い人であるところもあります。また、10代の学生が多いところもありますし、80歳代以上の患者さんが大半を占めるようなクリニックも存在します。

 

そして、患者さんの年齢層によって、疾患や訴える症状は異なります。

 

例えば、若い人であれば、スポーツによる怪我などで通院される人が多いです。一方、80歳以上になると、慢性的な腰痛や膝痛などで長期間通っている人がほとんどです。

 

そのため、あなたがどのような疾患や障害を持った患者さんに対してのリハビリを行いたいかで、就職先を選択する必要があります。

 

あなたが、もしもスポーツ疾患に関わりたいと思っていたとしたとします。そこで、就職した病院に通院される患者さんが高齢者が多ければ、スポーツ疾患を患った患者さんに対応する機会は、少なくなります。

 

このような理由から、通院される患者さんの年齢層は確認しておくべきことだといえます。

 

今回述べたように、理学療法士が整形外科クリニックで働く場合には、治療技術を磨きやすかったり、たくさんの患者さんと関わることができるというメリットがあります。ただ、その一方で、リハビリの時間や頻度、帰宅時間などで苦労することが多いです。

 

特に入院施設などで時間をかけてリハビリを行っていた理学療法士にとっては、感じやすいことだと思います。また、母体が大きな病院と比較して、将来性に不安を持つ人も少なくありません。

 

クリニックへ転職する際には、こうした事情を知った上で選択すると、「想像していたのと違った」と感じることが少なくなるはずです。その結果、転職後のミスマッチを防ぐことができます。

 

ただ、担当する患者さんの数や計画書を作成しなければいけない頻度は、整形外科クリニックでもそれぞれの施設によって異なります。しかし、そうした内部事情は求人情報から読み取ることができません。そのため、こうした情報を得るためには、病院側へ直接問い合わせなければいけません。

 

そうはいっても、このような内部事情に関しては、「病院側には直接聞きにくい」と感じる人が多いです。その結果、曖昧な情報のまま転職して、入職後に「こんなつもりではなかった……」といううようにミスマッチが起こることにつながります。

 

そうしたことを避けるためにも、整形外科クリニックへの転職を成功させたいと考えるのであれば、理学療法士専門の転職サイトを活用するようにしましょう。

 

転職サイトを利用することで、「気になるけど直接は聞きにくい」という情報に関しても、アドバイザーが代わりに問い合わせてくれます。またアドバイザーは、病院側との条件交渉も行ってくれるため、よりあなたの希望する条件を満たした転職先へ転職できる可能性が高くなります。

 

こうしたことから、以上に述べた「整形外科で理学療法士に起こりやすい苦労」を理解した上で転職サイトを利用して転職すると、よりあなたの希望に合った職場へ転職できるようになります。

 

ぜひ転職サイトを有効に活用して、整形外科クリニックへの転職を成功させてください。



リハビリ関係者が転職を考えるとき、転職サイトを活用するとより自分の希望に沿う求人を見つけることができるようになります。自分一人では頑張っても1〜2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉まで行うのは現実的ではありません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や施設を含め、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって特徴が大きく異なります。例えば、電話だけの対応で素早さを重視する会社があれば、面接まで同行することで難しい案件への対応を得意としている会社もあります。他には、大手企業に強みを発揮する会社があれば、地方求人を多く保有している会社もあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。


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