シングルマザーのPT・OT・STが転職時に注意すべきこと

 

理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などのリハビリ職者には、母子家庭(シングルマザー)の人は多くいます。そして、そのような状況にある人が転職する場合、注意しなければいけない点がいくつかあります。

 

その中でも、「母子手当」について知っていることは大切です。

 

シングルマザーの場合、母子手当という制度によって、現金の支給や医療費や税金の減額、家賃の補助など、生活する上で欠かせないサポートを受けることができます。そして、母子手当をもらうためには条件があるため、転職先によっては母子手当が少なくなってしまうような場合もあります。

 

そのため、転職前には必ず母子手当に及ぼす影響を確認する必要があります。

 

また、シングルマザーの場合には、労働環境にも十分意識しなければいけません。残業や休日出勤が当たり前であるような職場であれば、子育てに大きな影響を及ぼうことになります。

 

そこで今回は、「母子家庭(シングルマザー)PT・OT・STが転職時に注意すべきこと」について解説します。

 

シングルマザーが母子手当で注意すべきこと

シングルマザーで働いている人にとって、母子手当は生活する上で、大きなサポートになります。そのため、シングルマザーの人は、母子手当について学んでおくことが大切です。

 

そこで以下に、母子手当で注意すべきことについて記します。

 

母子手当とは

母子手当の基本は「児童扶養手当」になります。児童扶養手当とは、未婚の母親や離婚・死別で母子家庭、もしくは父親家庭になった人を対象に支給されるものです。

 

児童扶養手当が支給される条件は以下のものになります。

 

・父母が離婚した
・父または母が死亡した
・母が未婚のまま懐妊した児童
・父または母が生死不明
・父または母が一定程度の障害を持っている
・父または母に遺棄(放置)されている児童
・父または母が1年以上拘禁されている児童
・孤児

 

以上のような条件を満たしている場合に、各市町村の役所や役場で手続きを行うことで支給されます。児童扶養手当は、手続きをしないと貰うことができないため、注意してください。

 

また児童扶養手当の額は、収入と扶養家族の人数によって変化します。具体的には、全額支給の場合、児童が1人では42,000円/月、2人では47,000円/月、3人では50,000円/月が支給されます。一部支給の最低額は、それぞれ、9,910円/月、14,910円/月、17,910円/月になります。(2016年現在)

 

母子手当の補助内容

さらに母子手当は、児童扶養手当以外にも住宅手当や医療費の助成、所得税や住民税の減税などさまざまな補助があります。

 

以下に、母子家庭が受けることができる9つの手当と助成金についてまとめます。

 

・児童手当
・児童扶養手当
・児童育成手当
・特別児童扶養手当
・遺族年金
・母子家庭、父子家庭住宅手当
・生活保護
・ひとり親家族等医療費助成制度
・乳幼児や義務教育集学時の医療費助成

 

さらに、母子家庭では以下の7つ減免、割引制度があります。

 

・所得税、住民税の減免制度
・国民年金、国民健康保険の免除
・交通機関の割引制度
・粗大ごみ等処理手数料の減免制度
・上下水道の減免制度
・非課税貯蓄制度
・保育料の免除と減額

 

このように母子家庭では、一定の条件を満たしていれば、さまざまな補助や減免、割引を受けることができます。そして、転職の際に注意しなければいけないことは、転職することで、その条件から外れてしまう場合があるということです。

 

シングルマザーが転職で一番注意すべきは年収

PT・OT・STに限らず、転職すると、ほとんどの人は収入が変わります。年収が増える場合も減る場合もあります。

 

通常、転職することによって年収が増えることはうれしいことですが、シングルマザーの人の場合は注意が必要です。それは、わずかに給料が増えることで、母子手当が減額、廃止されてしまい、逆に収入が減ってしまうことがあるためです。

 

例えば、母子手当の中心である児童扶養手当の場合、年収によってもらえる額が大きく異なります。

 

扶養一人の場合、全額支給されるのは年収が570,000円未満であり、年収が2,300,000円を超えてしまうと、全く支給されないことになります。扶養二人の場合、全額支給は年収が950,000円未満であり、年収が2,680,000円を超えると、児童扶養手当は廃止されます。

 

そのため、転職する際には、転職先の正確な年収を確認しておく必要があります。このことを知らずに入職すると、1年間働いた後に、いきなり手当の廃止ということになりかねません。

 

また、注意しないといけないことは、昇給やボーナスのアップです。わずか数千円給料が上がったり数万円ボーナスが多くなったりしただけで、規定の年収を超えてしまう場合もあります。さらに、母子手当の支給に関する年収には、養育費の8割も含まれるということを頭に入れておいてください。

 

私の知り合いにも、年間数万円の昇給で、数十万円の児童扶養手当が廃止された人がいました。

 

これは、母子家庭の人にとっては、とても大きなことです。ほんの少ない昇給であっても、それが原因で母子手当が全額手に入らない場合があります。

 

特に、最初は一人の子供を育てることだけでも、多くの労力を割いてしまいます。この状況で使えるお金まで減ってしまうことは、あなた自身が身体的にも精神的にも大きな負担を抱えてしまいます。

 

シングルマザーが母子手当を確実に手に入れるには

こうした事態にならないためには、あなた自身が母子手当について学び、自分自身で管理しておくことが大切です。

 

もちろん、理解がある会社の場合、会社側が注意してくれることもあるかもしれません。しかし、個人個人の状況を把握している会社は少ないです。そのため、あなた自身で管理しておくことが確実です。

 

また、よくわからない時は、市役所などに相談することも1つの方法です。市役所の「子ども支援課」や「子ども政策課」などに話を聞きに行くと、いろいろな情報を教えてくれてアドバイスをもらえるはずです。

 

特にPT・OT・STなどのリハビリ職者は、専門職であるため一般的な女性よりは収入が高いことが多いです。そうしたことから、こうした事態はよく起こりがちなことですので注意が必要です。

 

シングルマザーが労働環境で注意すべきこと

シングルマザーとして働く場合、子どもを一人で育てなければいけないため、労働環境にも注意しなければいけません。労働環境が劣悪な職場に転職してしまうと、子育てに悪影響が及ぶことになります。

 

そこで以下に、シングルマザーが労働環境で注意すべきことについて記します。

 

就業時間

就業時間は、その病院や施設によって、さまざまです。例えば、就業時間が短く、早く帰れる施設として、デイサービスや通所リハビリテーションなどが挙げられます。

 

一方クリニックなどでは、どうしても帰宅時間が遅くなりがちです。

 

多くのクリニックでは、院長が1人で診察しているため、昼休みまで診察が食い込んでしまうことがあります。そうした状況で昼休みが短いと、院長はご飯を食べる余裕がないまま、午後からの診療を行わなければいけなくなります。

 

そうした事態を避けるために、クリニックには、昼休みの時間を長くし、終業時間を遅くして対応しているところが多くあります。その結果、終業時間が遅くなります。

 

例えば、就業時間は、8:30出勤で60分昼休憩、17:30分終業の8時間勤務が一般的です。それに対してクリニックなどでは、9:00出勤で90分休憩、18:30終業で同じ8時間勤務という形を取っているところが多くあります。

 

このように18:30まで仕事があるようなクリニックでは、どうしても帰るのが遅くなります。そのため、当然ながらその分だけ子育てをする時間が少なくなってしまいます。さらに、就業時間が長いと帰宅後に疲労がたまりやすくなります。

 

そうなると、子育てに手を抜きがちになってしまうだけでなく、あなたの生活に支障が出ます。

 

1人親の場合、自分以外に子供の面倒を見てくれる人がいないケースも少なくありません。ただ、そのように実家などで両親が世話をしてくれるのであれば問題ありませんが、みんながそうではありません。

 

そのため、1人親の人は、終業時間や残業の有無を事前に確認しておくことが大切です。できれば、終業時間が短く、早く帰れる職場を選べるとベストです。

 

職場の理解

子供が小さい場合などは、急に早退しなければいけないようなこともあります。例えば、「保育園に預けている子どもが体調を崩して、仕事の途中で迎えに行かなければいけなくなった」という状況は珍しいものではありません。

 

ただ、PT・OT・STでは、担当している患者さんがおり、予約制にしているところが多いです。そのため、急な早退の場合は、予約が入っている患者さんに電話をして、日にちを変えてもらうか、他のスタッフで対応することになります。

 

そうなると、当然ながら電話や、早退する人が担当予定であった患者さんの対応など、他のスタッフの仕事量が増えます。

 

この時に、他のスタッフがどれだけ状況を理解しているかで、働きやすさが大きく変わります。あなたの事情を全く知らない職場では、他のスタッフからの不満が多く出るため、とても仕事がしにくくなります。

 

また、1人親であれば、就業後の職場での勉強会や会議などにも参加することが難しくなります。リハビリの職場の世界ではありませんが、実際の職場でも、こうしたことが問題となった事例は多くあります。

 

以下に記すのは、実際にあった産後に復帰したある女性社員Aさんの話です。

 

Aさんは仕事の処理能力が早く、さまざまな人から信頼と尊敬の念を持たれていました。Aさんの問題はシングルマザーであるため、早く帰らなくてはいけないため、会議の時間を他の人がその人に合わせなくてはいけませんでした。

 

ただ、ほとんどの人はその人の仕事ぶりに満足していたため、誰も不満はありませんでした。

 

しかし、社員の中で、人事担当の方(Bさん)だけは、Aさんの「早く帰る」という条件に不満を持っていました。そして、ある日からAさんに厳しく口出しするようになりました。

 

その後、Bさんは上司に無許可でAさんに辞職を促しました。その後、部長との話合いによって、Aさんは辞職せずに済みました。

 

ただ、一人でもこのような方がいると、あなたの仕事の足を引っ張る可能性もあります。また、経営者の考え方によっても、職場での働きやすさは大きく変わります。

 

例えば、先ほど例のように、シングルマザーで業務後の勉強会や会議に出席することが難しいとします。そのような場合に、経営者がどれほど理解しているかで、その人の評価が変わります。

 

理解のある経営者であれば、就業後の勉強会や会議に不参加でも、特に何も影響しません。しかし、あまり理解のない経営者であれば、勉強会などの法人の行事へ参加しないことで、マイナス評価をすることもあります

 

そのため、1人親の人が働く場合は、職場のスタッフだけではなく経営者の理解も必要ということがいえます。

 

今回述べたように、母子家庭の場合、転職する際に注意しなければいけないことが多くあります。その中でも、年収が変わることによる母子手当への影響は必ず確認する必要があります。

 

また、職場環境もシングルマザーの人が、転職時に注意すべきことの一つです。

 

そのため転職する際は、このようなケースがあるということを頭に入れて、転職先を探すことが大切です。何も知らずに転職すると、本当にちょっとしたことで、生活に大きな影響を及ぼすことになりかねないため、注意が必要です。



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