PT・OT・STの収入に関する用語と給与に影響する因子

理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などのリハビリ職者に限らず、転職する際は求人情報を必ず確認します。そして、記載されている情報は転職先を決める大きな要因になります。

 

つまり、求人情報を適切に読み取ることはとても大切なことだといえます。ただ、そのためには求人情報に記載されている「言葉の意味」を理解していることが必須になります。

 

特に、収入に関する用語は、「基本給」や「年収」「給料」など、さまざまな単語が使われています。多くの人は、これらの言葉を同じような意味で捉えていますが、実際には異なります。

 

そのため、求人情報を正確に読み取るためには、収入に関する用語を正しく把握しておくことが欠かせません。

 

そこで今回は、「求人情報に記載されている収入に関する用語と給与に影響する因子」について解説します。

 

基本給とは

求人情報には、給与に関することがいくつか書かれています。その中でも、ほとんどの企業の求人情報には「基本給」が記載されています。

 

基本給(給料)という言葉は、あなたの収入全てを表しているものではありません。具体的に基本給とは、給与から手当等を差し引いた賃金を指します。基本給には、役職手当や残業手当、通勤手当などは含まれません。

 

そのため、基本給だけでは収入の高低は判断できません。例えば、基本給が低くてもこのような手当てが多い場合は、その人の給与は高くなります。

 

その一方で、基本給に家族手当や住宅手当といった諸手当を全て入れたものを給与といいます。給与には、賞与も含まれます。つまり、給与とは、会社から受け取る全ての報酬のことを指します。

 

まずは、こうした基本給(給料)と給与の違いを理解しておく必要があります。以下に、基本給と給与の関係性について記します。

 

 給与=基本給(給料)+諸手当+賞与

 

そして、ほとんどの企業は、年齢や勤続年数、職種、能力によって、その人の基本給を定めています。また基本給は、賞与などを計算するときの基準になっているところが多いです。

 

例えば、賞与(ボーナス)が3ヶ月と記載されている場合は、賞与の総額は「1ヶ月分の基本給×3ヶ月分」と計算によって算出されます。

 

そのため、基本給が高いところは、基本給に伴ってボーナスも多くなるため、必然的に年収が増えます。逆に、基本給が低く手当によって月収が高くなっているようなケースは、支給される賞与額が少なくなるため、年収は低い可能性が高いといえます。

 

このように、基本給に関しては総合的に考えた上で判断することが大切です。

 

賞与とは

PT・OT・STが転職を希望する企業(病院、施設)の求人情報には、「賞与」というものが記載されていますことがほとんどです。賞与とは、いわゆるボーナスのことであり「基本給や手当などの定期的に支払われる定期給とは別に、労働者が貰うことができる特別な給与」のことをいいます。

 

賞与が支給される時期は、働いている職場によって異なりますが、夏と冬の2回支給されるところが大半です。企業によっては、春、夏、冬と3回に分けて支払われるところもあります。

 

また、賞与の額は前年度の実績を元に計算されるのが一般的です。そのため、病院や施設の業績が悪い場合は賞与額が少なかったり支給されなかったりすることもあります。法律上では、「賞与は必ず出さなければいけない」ということは決められていません。

 

さらに、賞与額は個人の実績によっても支給額が異なります。当然、経営者や上司からの評価が高ければ賞与が多くなる可能性が高いです

 

そして、入社して間もない場合は、賞与が支給されないところがほとんどです。多くの病院や施設では、6ヵ月以上勤務した人に対して賞与が支払われるような制度になっています。転職する際には、そのことも考慮して転職時期を考える人もいます。

 

もちろん、中には賞与という制度自体を導入していないところもあります。そのような場合には、求人情報にも「賞与」という記載はありません。

 

賞与は、収入額に大きく影響するものです。そのため、こうしたボーナスに関する基本的なことだけでも把握しておくようにしましょう。

 

収入と所得の違い

PT・OT・STが、収入について考える際に、基本給と賞与という用語の意味を理解しておくことは大切です。

 

また、収入に関する用語には、収入と所得のように、似たような言葉がたくさんあります。こうした用語の違いについて理解しておくことは、求人情報を正確に読み取る際に重要になります。

 

サラリーマンにとっては、収入と所得という言葉は基本給や給料やと比べると、接する頻度が少ない用語かもしれません。しかし、この2つの違いを明確にしておくことは大切です。

 

具体的には、収入とは、給与から所得税や住民税といった税金と社会保険料を引く前の金額です。法律上では、月の給与や賞与などを全て含めた、年間に支払われる報酬の合計を指します。つまり、いわゆる年収と呼ばれるものが収入となります。

 

一方で所得とは、収入から「必要経費」を差し引いたものを指します。

 

サラリーマンの場合、必要経費を個人で計算することはありません。これは「会社には多くの社員が在籍しており、一人ひとりの必要経費を細かく把握することが困難である」ということが関係しています。

 

ただそうだからといって、「サラリーマンだけ必要経費が認められない」となると不平等です。そこでサラリーマンの場合は、「給与所得控除」と呼ばれる、収入に応じて決められた額が必要経費として計算されます。

 

つまり、サラリーマンの所得は、以下のような式で表されます。

 

 所得額=収入−給与所得控除額(必要経費)

 

そして所得税や住民税といったものは、この所得額を元に計算されます。そのため、所得額が高くなれば支払う税金も多くなりますし、逆に所得額が低ければ税金は安くなります。

 

個人事業主の人がよく「経費によって税金を節約する」ということを言いますが、それは必要経費を高くすることで、所得額を抑えるということを意味しています。その結果、支払う税金の額が抑えられます。

 

固定給制と歩合制とは

一般的に使われている給与形態には、いくつかの種類があります。そして、就職する職場や、あなた自身の働き方によって給与形態が異なる場合があるため、それぞれの給与形態について理解しておく必要があります。

 

そこで以下に、基本的な3つの給与形態について記します。

 

固定給制

時間や日、月、年などのある時間単位に対して、決まった額が支払われます。ほとんどの企業で使われているような月給制は固定給制ですが、求人情報上には固定給とは記載されていません。

 

固定給+歩合制

決められた固定給に、売り上げなどの業績に応じた額がプラスされます。ほとんどの場合、固定給は変動しないため、支給額が基本給以下になることはありません。このような給与システムは、営業職などの実績が評価されやすい職種で用いられていることが多いです。

 

完全歩合給制

固定給は一切なく、報酬額が業績によって全て決められるシステムです。固定給+歩合制と同じように、営業職や保険の販売員などに多いシステムです。

 

完全歩合給制では、固定給がないため、完全にあなたの実力によって貰える額が決まります。能力が高く実績が残せる人は高い収入を望めますが、成果が出せない場合は全く報酬がないこともあるため不安定なシステムだといえます。

 

給与、年収に影響する因子

このように、PT・OT・STの収入を理解するためには、さまざまな用語を適切に理解しておくことが大切です。

 

その上で、収入に影響する因子を知っておくと、転職時に給与交渉を行う際などに役立ちます。以下に、収入に関係する主な2つの要素について記します。

 

個人の能力

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ職者に限ったことではありませんが、個人的な能力は給料に影響する大きな要因です。

 

当然ながら、病院であっても、利益を出さないと経営は成り立ちません。スタッフを雇うこともレントゲンやMRI、物理療法などの設備を購入することも、病院としての収益があるからできることです。

 

つまり、病院や施設の経営者がスタッフに対して最も求めることは、収益を上げることです。そのことに関する能力が高いスタッフを雇いたいと思うのは、経営者として当然です。

 

例えば、コミュニケーション能力が高く、外部で講師を行うような人であれば、スタッフのコミュニケーション教育をお願いすることができます。

 

病院で働くためには。患者さんとのコミュニケーション能力が必須です。むしろ、コミュニケーションができていないのに、良質な医療を提供することはできません。つまり、スタッフのコミュニケーション能力の向上は、結果的に病院の質を高め、来院する患者さんの数を増やします。

 

また、リハビリの専門的な技術においても、外部で講師をするような能力を持っているような人であれば、病院内のスタッフへの教育ができます。

 

さらに、院内教育だけでなく、外部で講師を行うことは、病院の名前を有名にすることにつながります。そうなると、入職希望者が増え、優秀な人材が入りやすくなります。その結果、求人にかかる費用は減りますし、病院の質も上がります。

 

このように、能力が高い人が入ることによって、病院の質も上がり、結果的に病院全体の収益アップにもつながります。

 

そのため、転職する際は、今まで学んできたことや経験してきたこと、実際に行ってきたことなど、あなたの能力を明確にアピールできるようにしておきましょう。そのことが、あなたの年収を上げることに良い影響を与えるはずです。

 

需要と供給

モノの需要と供給と同じように、リハビリ職者の年収も需要と供給のバランスで決まります。

 

例えば、田舎では、高齢者の人口率が高い地域がほとんどです。そのため、リハビリを必要としている人も必然的に多くなります。その一方で、若い人は田舎より都会を好む傾向にあるため、田舎で働く若者は少ないです。

 

また、リハビリ職者には、「卒後に田舎の老健や病院などに就職したい」と考える人は少ないです。ほとんどの人は、都心部にある整形外科病院や総合病院を希望します。

 

そうなると、田舎の老健や病院などでは、リハビリ職者の需要が高くなるため、必然的に給料面の条件も高待遇の傾向にあります。一方、都心部で人気のある整形外科病院などは、リハビリ職者の希望者が多く、供給過多の状態となっているため、給料は低い傾向にあります。

 

このように、働く地域も年収には大きく影響します。

 

ただ、都心部の人気がある病院であっても、先ほど述べたような、評価されるような能力を持っている人は、年収が高くなる可能性もあります。

 

今回述べたように、求人情報には収入に関するさまざまな用語が使われています。転職する際は、これらの違いを理解した上で、適切に求人情報を読み取ることが大切になります。


リハビリ関係者が転職を考えるとき、転職サイトを活用するとより自分の希望に沿う求人を見つけることができるようになります。自分一人では頑張っても1〜2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉まで行うのは現実的ではありません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や施設を含め、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって特徴が大きく異なります。例えば、電話だけの対応で素早さを重視する会社があれば、面接まで同行することで難しい案件への対応を得意としている会社もあります。他には、大手企業に強みを発揮する会社があれば、地方求人を多く保有している会社もあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。


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