管理職として転職するPT・OT・STが意識すべきこと

理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などのリハビリ職者に限らず、転職する際の条件として、給料面を考慮する人は多いです。

 

そして、給料が良い条件の1つとして、管理職であることがあります。管理職として入職すると、管理職者としての手当てが付きます。そのため、一般職よりその分は給料が高くなります。

 

しかし、良い転職につなげるためには、給料以外に考慮しなくてはいけないものがあります。もし、給料が高いという理由だけで管理職者として入職すると、入職後に後悔する可能性があります。管理職にしても同様ですが、求人の条件が良いものには、それなりの理由があります。

 

そこで今回は、「管理職として転職するPT・OT・STが注意すべきこと」について解説します。

 

管理職募集の求人で注意すべきこと

PT・OT・STにおける管理職者募集の求人を見つけた場合には、いくつか注意しなければいけないことがあります。確かに、管理職として転職することができれば、給料は上がります。

 

ただ、給料だけで転職先を決めてしまうと、ミスマッチを起こる可能性が高くなるのです。

 

以下に、管理職者募集の求人に応募する際に、注意する点について述べます。

 

仕事時間

一般職は、通常の業務時間通りに仕事を行うことがほとんどです。

 

例えば、9:00から18:00までが業務時間であり、12:00から13:00の間が休憩時間という規定の職場だとします。その場合は、一般職は時間通り12:00から休憩に入り、18:00には仕事が終り、帰宅することができます。

 

一方、管理職であれば、規定された時間通りに業務が終わらない場合が多いです。

 

管理職といっても、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などのリハビリ専門職者の場合、一般職と同じようにリハビリも行います。そして、管理職者はそれに加えて管理業務が加わります。

 

例えば、シフト作成や、リハビリ部がどれくらい収益を出しているかといったような仕事率の計算、人員配置の検討などがあります。これらを、一般職が行う仕事にプラスして行う必要があります。

 

そのため、業務前か業務後の時間を活用したり、昼休みの時間を削ったりして、仕事を行わなければなりません。

 

また、管理職者であれば、多くの職場で会議へ出席しなければなりません。その会議は、病院全体であったり、ある部署とのものであったり、さまざまです。そのような会議が1つではなく、複数ある場合もあります。

 

私は以前勤めた病院で管理職を経験したことがありました。そのときの一日のスケジュールで、業務後の会議が2種類、昼休みを削った会議も同様に2種類、計4つの会議に出席していた経験があります。

 

その時は、週に2日は昼休みの時間がほとんど取れないことに加えて、帰宅時間が遅くなっていました。慣れていない人の場合、体の不調を患ってしまう可能性が高くなってしまいます。

 

管理職者は、一般職と比較すると仕事をする時間が長くなります。管理職者であれば当たり前のことですが、想像しているより仕事量が多いです。私が経験していたときは、仕事量が多いため、ストレスに悩まされたことが多くありました。

 

特に女性で子供が小さい場合などは、帰宅時間が遅くなる可能性が高いです。すると、子育てに当てられる時間が少なくなり、家事の負担が大きくなります。そのため、注意が必要です。

 

精神的なストレス

管理職者は、一般職と比べて精神的に受けるストレスが大きくなります。これは、私自身の経験談でもあります。

 

私自身も一般職から管理職者に変わった後に、精神的なストレスが強くなったことを実感しました。今まで経験したことなかったような胃の痛みや、頭痛などの症状に悩まされました。

 

私の経験から、管理職者として精神的なストレスを受ける要因は、大きく2つあると考えます。それは「責任の重さ」と「人間関係」です。

 

 ・責任の重さ
管理職者は一般職と異なり、さまざまな責任を負わなければなりません。通常では、部下が何かミスをした場合は、上司が責められます。

 

個人的な考えですが、管理職者は、一般職が行いたいと考えていることを、行いやすい環境を作るという役割が含まれていると思います。その際に、管理職者は「何かあったら自分が責任を持つから思いっきりやりなさい」という位の気持ちでいる必要があると考えています。

 

そのため、どうしても責任を負わなければならない機会が増えます。部下も1人ではないことがほとんどであるため、スタッフの数だけ、そのようなことが多くなります。

 

他にも、患者さんの数が少なくなり、リハ部の売り上げが下がった場合に責められるのは、管理職者です。

 

このように、一般職と比較して、管理職者は責任が重くなります。

 

 ・人間関係
管理職者の役割として、経営者と一般職の「橋渡し」のようなものがあります。経営者の意向を一般職に伝えるのも管理職者の仕事ですし、逆に、一般職者の希望を経営者に届けるのも管理職者になります。

 

そのため、「どっちつかず」といった状態になってしまうことがあります。もちろん、中間管理職としての能力が高い人は、その役割を上手く果たすことができると思います。

 

しかし、ほとんどの人はそうではありません。管理職であれば、自分が思っていることと違うことを業務として行わないといけない場合があります。そのほかに、本当は言いたくないことでも、経営者の意向として一般職に伝えないといけないこともあります。

 

また、経営者に対して言いにくいことも、一般職の意見として伝えなければならない場合もあります。

 

そのため、とても人間関係に対して気を使うようになります。一般職に対しても、経営者に対しても、「伝えるタイミング」や「伝え方」というものを、とても考えて接するようになります。

 

さらに、普通に会話をする時でも、「その内容について話をしても大丈夫な人であるのか」ということも、一般職以上に考えなければならない場面が多くなります。

 

このように管理職者は、人間関係において、思った以上に気を使わなければなりません。

 

管理職として働く上で意識すべきポイント

職場でキャリアアップするにしても転職によってキャリアアップするにしても、PT・OT・STが管理職に就くためには、役職者としての役割を果たせるような能力を身に付けておく必要があります。

 

そのため、管理職になりたいと考えている人は、働く上で意識すべきポイントがあります。

 

心理学を学ぶ

そして、PT・OT・STが管理職としての役割を果たすために必要な能力として大切なものに、「人を動かす力」が挙げられます。当然ながら管理職者は、部下に対して指示を出して、リハビリ部をまとめなければいけません。

 

そうした際に、「いかに部下を行動させれるか?」ということは、部を管理する上で非常に重要なポイントになります。

 

以下に、「管理職のPT・OT・STが人の心理を学ぶべき理由」について述べます。

 

 ・人は強制的な力では行動しない
PT・OT・STの中には、他人を動かそうとするときに、強制的に行動させようとする人が少なくありません。

 

例えば、部下が全く勉強をしていないとします。あなたは上司として部下にもっと自主的に勉強して欲しいと考えています。その際、多くの人は、部下に対して「もっと勉強しないとダメだぞ」「リハビリのプロとしてもっと勉強しなさい」というように、勉強することを押し付けようとします。

 

また他にも、部全体で強制参加の勉強会を開くことで、無理やり勉強させようとする人もいます。

 

しかし実際には、こうした行動は、部下が勉強することにはつながりません。むしろ、このように他者に対して強制的に何かをさせようとすると、人は逆に行動しなくなります

 

人は、生まれながらにして「相手より優位にありたい」という願望を持っています。そのため、他者から命令されたり、強制的に何かをさせられたりしようとすると、「自尊心」が傷つきます。その結果、さらにモチベーションが下がるか、もしくは指示をしたあなたに対して反発心を持つことになります。

 

このように、人は他者から強制的な力を加えられても行動を変えることはありません。

 

 ・上手く動かすポイントは相手の心理を利用する
管理職となったPT・OT・STは、リハビリ部を管理するために、部下を行動させなければいけないようなことが多々あります。そうした際に、叱咤したり、強制的に何かをさせたりしようとしても、部下を行動させることはできません。

 

人は、他人から命令や強制的な指示を受けると自尊心が傷つき、逆に行動しなくなります。

 

管理職のPT・OT・STが「部下の行動を変えたい」と思ったときには、「人間の心理を考える」ということが重要になります。部下の心理を上手く活用することで、相手を上手く行動させることができます。

 

例えば、既に述べたように、人は「他者より優位にありたい」という欲求を持っています。つまり、人は褒められることを好みます。そのため、人は褒められるとモチベーションが高くなって、自然と行動するようになります。

 

こうした人間の心理を、部下の指導にも応用します。

 

先ほどの例で挙げたように、あなたは部下に「もっと勉強して欲しい」と考えているとします。そうした場合には、まず、その部下の「良いところ」を探すようにします。そして、部下の優れているところをしっかり褒めた後に、勉強することを促すようにすると、部下は自然と行動するようになります。

 

例を挙げると、「○○は1つのことを集中して行う能力を持っているね」というように、まずは相手の長所を褒めます。そしてその後に「その力を活かすと、もっとセラピストとしてのスキルアップができると思うよ」というように、行動を促すような言葉掛けをします。

 

このときのポイントは、あなたが相手の行動を強制していないということです。あくまで行動するかどうかは部下が選択します。そうすることで、相手の自尊心を傷つけずに部下の行動を促すことができます。

 

このように、人の心理を理解して応用することで、上手く部下の行動を変えることができるようになります。

 

治療技術を押し付けない

管理職であるPT・OT・STの中には、自分が使っている治療手技を部下にも強制的に勉強させようとする人が多いです。ただ、管理職者としてそうした行為は避けるべきだといえます。そして、違うことを学びたいと思っている人をいくら説得しようと思って議論しても、その人の考え方を変えることはできません。

 

特に管理職として働くPT・OT・STは、こうした人間の心理について学んでおくことが大切です。

 

そこで以下に、「管理職のPT・OT・STが部下へ治療手技を押し付けてはいけない理由」について解説します。

 

 ・押し付けや議論を避けるべき理由
PT・OT・STに限らず、誰でも人は「自己の重要感と優越感を高めたい」という欲求を持っています。つまり、「自分の存在は重要である」「自分の意見は正しい」「自分は他者より賢い」と考える傾向にあります。

 

こんなことをいうと「私はそんなことはない」と感じる人もいると思います。しかし実際には、ほとんどの人は自己重要感や優越感を高めることを好みます。

 

例えば、セラピストであるあなたが、数年間かけて学んだ治療手技があるとします。そして、そのことについて上司から「そんな技術は役に立たないから違うものを勉強しろ」と言われたらどう感じるでしょうか。

 

間違いなく、ほとんどの人は「そんなことはない」「上司の考えが間違っている」と考えるはずです。

 

その一方で、上司から「素晴らしい治療手技を学んでいるね。今度みんなに教えてくれないか?」と言われて、悪い気持ちがする人はいないはずです。これは、上司の言葉によって自己重要感や優越感が高まるためです。

 

このように、人には自己重要感や優越感を感じたいという欲求があるため、自分の考え方や行動について批判されることを嫌います。

 

そして、自分の思考を否定されたときには、「自分が間違えているのではないか?」と考え直す人は少ないです。むしろ、逆に「自分が正しい」という考え方が強まる場合がほとんどです。

 

そのため、もし部下の行動や思考を変えたいと考えても、相手に対して押し付けたり、相手と議論したりすることは避けるべきだといえます。

 

既に述べたように、そうした押し付けや議論は、相手の思考や行動を変えるどころか、反対に相手の考え方を強化することにつながります。

 

その結果、さらにあなたは、その人の思考や行動を変えることができなくなります。

 

こうしたことから、PT・OT・STの管理職であるあなたが、もし「部下を指導して考え方や仕事に対する姿勢を変えたい」と思ったときには、必ず押し付けや議論は避けるべきだといえます。

 

 ・相手の思考・行動を変えるポイント
人には、「自己重要感や優越感を高めたい」という欲求があります。そのため、相手から意見を押し付けられたり、自分の考えとは違うことを勧められたりすることを嫌います。そうしたことは、むしろ「自分の考え方の方が正しい」という思考を強めることになります。

 

こうしたことから、PT・OT・STの管理職であるあなたは、部下に自分が推奨する治療手技や考え方を押し付けるべきではありません。

 

そして、もし部下の思考や行動を変えたいと考えた場合には、部下の考え方に反論せずに、話をじっくりと聞くようにしましょう。さらに、相手の良いところを見つけて褒めると、より効果的です。

 

こうしたことを心がけて行動していると、部下はあなたに対して好意を抱いたり、信頼感を持ったりします。その結果、最終的にはあなたの意見を聞いてくれるようになります。

 

このように、相手の思考や行動を変えるポイントは「押し付けや議論を避けること」にあります。さらに、相手の良いところを褒めることで、その人の重要感や優越感を高めることができます。

 

そうしたことが、結果的に部下の思考や行動を変えることにつながります。

 

今回述べたように、管理職者募集の求人は、給料の条件面が良いところがほとんどです。そして、それには「仕事時間が長くなる」や「精神的なストレスが強くなる」といった理由があります。

 

もちろん、すべての職場がそうとは限りません。しかし、多くの場合は、管理職者には、何かしらの負担がかかりますので、そのことを理解した上で応募するようにしましょう。

 

また、管理職として働く際には、以上に挙げたポイントを意識するようにしましょう。


リハビリ関係者が転職を考えるとき、転職サイトを活用するとより自分の希望に沿う求人を見つけることができるようになります。自分一人では頑張っても1〜2社へのアプローチであり、さらに労働条件や年収の交渉まで行うのは現実的ではありません。

一方で専門のコンサルタントに頼めば、100社ほどの求人から最適の条件を選択できるだけでなく、病院や施設を含め、その他企業との交渉まですべて行ってくれます。

ただ、転職サイトによって特徴が大きく異なります。例えば、電話だけの対応で素早さを重視する会社があれば、面接まで同行することで難しい案件への対応を得意としている会社もあります。他には、大手企業に強みを発揮する会社があれば、地方求人を多く保有している会社もあります。

これらを理解したうえで専門のコンサルタントを活用するようにしましょう。以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれの転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができます。


注目の人気記事


 ・管理人による転職体験記

理学療法士として、私が実際に転職サイトを利用して転職した経験を述べています。見学の際に感じたことや、失敗した経験から、転職の際に必要だと感じたことなどを詳細に記しています。
管理人による転職体験記

 ・転職サイト利用の流れ

転職サイトを活用するとはいっても、初めて利用する人がほとんどなので「どのような流れで進んでいくのか分からない」という不安が残ります。実際には難しいことは何一つないのですが、どのような手順で進んでいくのかを解説しています。
転職サイト利用の流れ

 ・転職サイトを有効活用する方法

良い求人を見つけ、転職を成功させるときは転職サイトの利用が一番の近道です。しかし、リハビリ関連職者の中でも、転職サイトを利用したことがないという人は多いです。そこで、転職サイトの有効な活用方法について記しています。
転職サイトを有効活用する方法

サイトマップ
HOME 転職体験記 転職サイトとは 転職サイトの流れ 転職サイト活用法 おススメ転職サイト