PT・OT・STの管理職者に必要なスキル:リハビリ求人・転職

理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などのリハビリ職者に限らず、キャリアアップは多くの人が望むことです。転職を考える理由の中でも、キャリアアップはよく挙げられるものの一つです。

 

そして、キャリアアップの中でも代表的なものに「管理職への昇進」というものがあります。管理職者になると、一般業務に加えて管理業務を行う必要があるため、その分、手当が付きます。

 

また、管理職というと、「専門的スキルが高い人がなるもの」と考えている人も少なくありませんが、実際にはそうではありません。管理職に必要なことは、専門的な技術だけではなく、その他にも、さまざま能力が求められます。

 

そのことを知っておくと、将来的にも管理職者に選ばれる可能性が高くなり、キャリアアップを狙いやすくなります。

 

そこで今回は、管理職者に求められるスキルについて述べます。

 

人徳

PT・OT・STといったリハビリ職者同士では、専門的なスキルが評価される傾向にあります。しかし実際に、管理職者として必要な能力は、そうした専門的な技術ではありません。

 

リハビリ職に限ったことではありませんが、管理職者として欠かせない能力の一つに「人徳」があります。

 

そこで以下に、管理職者に人徳が必要な理由について述べます。

 

「管理職者=専門的技術が高い人」ではない

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ職者では、「技術が高い人=仕事ができる人」と考える人もいます。そのため、管理職の人は、みんなリハビリの技術が高いと思われがちです。しかし、実際にはそうではありません。

 

高校の部活でも同じですが、一番技術が高い人が、キャプテンになるとは限りません。むしろ、そのようなケースは少ないように思います。

 

確かに、専門的な技術を持った人の方が、部下や後輩に指導する時には説得力があります。しかし、このように、人をまとめる役割である管理職者やキャプテンは、どのような世界であっても技術が高い人がなるわけではありません。

 

では、管理職者に必要なスキルとは何でしょうか。

 

管理職に必要なのは「人徳」

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ職者に限らず、管理職は、人をマネジメントし、引っ張っていかなければいけません。そのため、誰でも管理職ができるかというとそうではありません。

 

その人が、そもそも管理職に向いているか、いわゆる「リーダーとしての資質を持っているか」も大切なポイントになります。

 

管理職者になるために必要な資質とは、以下の3点です。

 

 ・前向きさ
 ・行動力
 ・気前が良い

 

これらの三つは、管理職者として必須の条件になります。この三つのうち、どれが欠けていても問題です。すべて揃って、初めて周りの人を引き付ける力が発揮されます。

 

そのため、逆に以上のような三つの条件に当てはまらない場合は、管理職者には向きません。

 

想像してみてください、「後ろ向きで暗い発言ばかり、非積極的で行動しない、おいしい話は独り占めする」。このような人が管理職者として、あなたの上司だったらどのように感じるでしょうか。付いていきたいと思わない人が大半だと思います。

 

そして、この三つ中でも最も大切なのが「気前が良いこと」です。これは、ただご飯などを奢ってくれるという意味ではありません。

 

例えば、気前が良い人は、仕事の手柄でおいしい話があった場合などにも、1人の功績にせずに、他人にも分け与えます。また、部下が失敗した場合は、自分が責任をかぶったり、フォローしたりします。こうなると、必然的に人は付いてくるようになります。

 

このように、気前が良いということは、「利己よりも利他の精神を持つこと」を意味します。これが、管理職者として最も重要な資質だといえます。

 

相手に気付かせる能力

管理職となった多くのPT・OT・STが苦労することの1つに、「上司や部下が思い通りに動いてくれない」ということがあります。例えば、「上司に企画を提案したのに一向に返事が返ってくる様子がない……」「部下にもっと勉強するようにいっても、全くやる気がみえない」といったことは、管理職者によくある悩みです。

 

人の心理を学ぶことは、そのような悩みを解消するために非常に役立ちます。相手の心理を読み取ることができれば、その人をあなたの思った通りに行動させることができるようになります。

 

そのため、管理職に就く、もしくはなりたいと考えているPT・OT・STは、人間の心理について学ぶことが大切だといえます。

 

そこで以下に、人間の心理を生かしたテクニックである「相手に気付かせて行動させる方法」について述べます。

 

人が行動する理由

人は、ある欲求を満たすために行動します。そして、人が動く理由には、大きく分けて「満足感を得る」「嫌なことを避ける」という2つがあります。

 

例えば、あなたが旅行という趣味を持っていたとします。そして、お金と時間を費やしてまで毎年のように海外旅行に行き続けるのは、旅行というあなたが好きなことをして、満足感を得ることができるためです。

 

このように、自分自身が満足感を得ることは、行動を高めるモチベーションの1つになります。

 

こうした欲求から起こる行動は、自主的なものであるため、実行するスピードや質などは高くなる傾向にあります。

 

その一方で、人は嫌なことから避けたいがために行動することもあります。

 

例えば、あなたが毎日上司から「○○について勉強しろ」といわれていたとします。ただ、あなたはそれについて勉強したいとは考えていません。しかし、上司から怒られることが嫌であるため、仕方がなく本を買ったり、勉強会に参加したりします。

 

このように、「嫌なことを避ける」ということも、行動するための1つの理由になります。

 

ただ、こうした欲求から起こった行動は、自主的なものではありません。そのため、やる気も高まらないですし、作業の効率も非常に悪くなります。

 

以上に述べたように、人が行動する理由は大きく分けて「満足感を得るため」「嫌なことを避けるため」の2つです。そして、どちらの欲求によって起こっているかによって、生み出される結果は大きく異なります。

 

多くの管理職者が行う失敗

基本的に人は、「自分自身が満足したいため」「嫌なことから逃げるため」という2つの欲求から行動を起こします。ただ、後者が原動力となっている場合には、良い結果が生まれることはありません。

 

管理職となったPT・OT・STの多くは、叱咤することで部下の行動を促します。

 

例えば、全く勉強していない部下のPT・OT・STに対して「医療職として日々学ぶことは当然だ」「朝30分早く出勤して文献を読みなさい」というように指導します。そして、部下は、翌日から実際に早く出勤することになりました。

 

ただ、このようにして起こった部下の行動は長続きせず、結果に結びつかないことがほとんどです。それは、部下が勉強をしている理由が、「あなたから怒られたくないから」というネガティブなものであるためです。

 

つまり、自主的な行動ではなく、他者であるあなたから無理やりさせられている状態です。

 

既に述べたように、このように「嫌なものを避けたい」という欲求から起こった行動は、やる気も高まりませんし作業効率も上がりません。そのため、良い結果は生まれません。

 

こうしたことから、管理職であるPT・OT・STは、こうした叱咤によって部下を動かすようなことは避けるべきだといえます。

 

自分で思いつき決断したかのように誘導する

叱咤して相手を行動させることは、「嫌なことを避けたい」という欲求が原動力となるため、良い結果につながる可能性は低いです。

 

そして、部下を行動させて、なおかつ良い結果を生み出すためには、その人自身の「満足感を高めたい」という欲求を刺激することが大切です。そうすることで、相手は自主的でポジティブなモチベーションを原動力として動くことになります。

 

具体的には、部下が「PT・OT・STには勉強が必要だ」ということを気付かせるような質問をすることがポイントです

 

例えば、先ほどの例でいうと、「PT・OT・STがキャリアアップするためには何が必要だと思う?」や「○○(部下)の家族がリハビリが必要になったときには、どのようなセラピストに担当してもらいたいと思う?」というように問いかけます。

 

人には、自分自身で思いついて決断したことに対しては、「成し遂げたい」「やりたい」という心理が起こります。つまり、部下自身に勉強の必要性を思いつかせると、部下は「満足感を高める」という欲求が原動力となって行動するようになります。

 

その結果、部下は自主的に行動するようになり、質の高い勉強を行うことができるようになります。

 

このように、管理職に就いたPT・OT・STは、「部下自身が思いつき決断したかのように誘導するテクニック」を用いることで、部下を自主的に行動させることができるようになります。

 

最初に「イエス」と答えさせる

人の心理を生かした管理テクニックの一つに、「最初に肯定的な返事をさせる」というものがあります。人には「自分が一度肯定した意見は後から変えにくい」という心理が働きます。

 

こうした人間の心理を生かすことで、部下の管理をスムーズに行えるようになります。

 

相手が拒否する理由を求めてはいけない

管理職であるPT・OT・STは、部下の行動を促さなければいけないときがあります。ただ、いくらあなたが指示や依頼をしても、なかなか動こうとしない部下も多くいます。

 

また中には、あなたの指示を拒否したり、意見に反対したりする部下もいるはずです。

 

例えば、あなたが部下に対して「カルテ棚の整理」を依頼したとします。そのことに対して相手は、「ちょっと最近担当の患者さんが多いので他のスタッフに依頼できませんか?」と拒否の答えを返したとします。

 

ただ、あなたはその部下に対してカルテ棚の整理を依頼したいと考えていたため、何とか説得しようとします。その結果、最終的にはその部下にカルテ棚の整理を行う了承を得たのですが、部下は一向に行動する気配がありません。

 

そのことに対してあなたは「お願いして、了解の返事を得たのになぜカルテ棚を整理しないのか」と疑問と不快感を持ちます。

 

ここでの問題は、あなたの依頼に対して最初に「ノー」と返答したことにあります。確かに、最終的に部下は「イエス」と答えていますが、初めに拒否を示していることが重要です。

 

人は誰でも、「自尊心」を持っています。自尊心とは、自分を肯定するような心です。つまり、人は無意識のうちに「自分は正しい」「自分は間違っていない」と考える傾向にあるといえます。

 

そして、自尊心が低くなると自分の価値を下げることにつながります。そのため、人は本能的に傷つけることを避けようとします。すると、人は無意識に自分が最初に出した答えを正当化するように行動します。

 

先ほどの例であれば、部下は最初に「忙しいからカルテ棚の整理はできない」と答えています。最終的に説得されていますが、「忙しいからやりたくない」というのが本心です。

 

もしこうした状態で、指示されたとおりにカルテ棚の整理を行ってしまうと、最初に返答した「忙しいからできない」という言葉を否定することになります。つまり、「自分が初めに言ったことは間違っていた」ということを認めて、自尊心を下げることになります。

 

そのため、自尊心が傷つくことを避けようとして「忙しくてカルテ棚の整理ができない」と思い込んで、実際に行動を起こさないようになります。そうすることで、自尊心を保つことができます。

 

このように、人は自尊心が下がることを嫌います。そのような理由から、最初に拒否の返答を行うと、その後にいくら肯定の答えを出しても、なかなか行動に移すことができません。管理職として働くPT・OT・STは、こうした人間の心理を理解しておくことが大切です。

 

部下の行動を促す具体的な方法

人は、自尊心を守るために、最初に口にしたことを肯定するような行動をする傾向にあります。

 

そうしたことから、管理職であるPT・OT・STが部下を行動させるためには、最初から部下に「イエス」と答えさせることが重要になります。

 

例えば、カルテ棚の整理を頼むときには、最初に「カルテ棚の整理をしてくれないか?」というような、拒否の答えが返ってくる可能性がある依頼は避けます。

 

そうではなくて、「○○(部下)、最近カルテ棚が少し散らかっていると思わないか?」や「カルテ棚が整理されていると、カルテの取り出しや片づけがスムーズになると思わないか?」というような、相手が「イエス」と答えやすいような質問を最初に行います。

 

このように、まずはとにかく相手から「そうですね」「その通りですね」「そう思います」などの肯定的な返答を引き出します

 

また、さらに「じゃあ、カルテ棚は整理した方が仕事がスムーズに進むよな?」といったように、相手が「イエス」と答えるような問いかけを続けます。そして、相手が肯定的な返事をした後に、「カルテ棚の整理をしてくれないか?」と依頼します

 

そうすると、部下の心理は肯定的な方向へ動いているため、自然と依頼に対しても「イエス」と答えるようになります。

 

さらに、ずっと肯定的な返答をしているため、カルテ棚の整理をしないと「自分の言ったことを否定することになる」という心理が強く働きます。つまり、行動しないと自尊心を傷つけることになります。

 

その結果、部下はすぐにカルテ棚の整理を行うようになります。

 

このように、管理職者であるPT・OT・STが部下を行動させるためには、依頼の方法を工夫しなければいけません。最も相手に行って欲しいことを頼む前に、何度も繰り返し相手が「イエス」と答えるような質問を問いかけることで、部下の行動を効率的に促すことができるようになります。

 

相手の興味を探る

人は誰でも、「人の話を聞くことよりも自分の話をしたい」と考えています。

 

管理職者は、部下のそうした心理を生かすことで、部下との信頼関係を構築することができるようになります。

 

人は自分の話を聞いて欲しい

PT・OT・STに限ったことではありませんが、誰でも人には「自分の話を聞いてもらいたい」という欲求があります。中には、「私は人の話を聞くことが好き」という人もいますが、基本的に人は、他人の話よりも自分のことに興味があります。

 

ただ、多くのPT・OT・STはそのことに気づいていないため、人と話をするときに自分のことばかりを話します。

 

例えば、あなたが担当している患者さんの中には、苦手だと思っている人と、逆に「この人と話をしたい」と感じている人がいると思います。そして、おそらくあなたが好感を持っている患者さんのほとんどは、あなたの話をよく聞いてくれる人ではないでしょうか。

 

その一方で、苦手だと感じている患者さんは、自分のことばかり一方的に話してくる人が多いと思います

 

このように人は、自分の話を聞いてくれる人に対して好感を抱くようになります。人間には、そうした心理があることを理解しておいてください。

 

相手の関心事を話題にする

人は、自分の話に興味を持ってくれる人に対して「良い人」というイメージを持つ傾向があります。こうした人間の心理を上手く活用することで、管理職になったときに、上司や部下との人間関係を上手く構築することができます。

 

PT・OT・STの管理職者の中には、こうした心理を知らないために、部下との関係性を上手く保てない人が多くいます。

 

例えば、部下と飲みに行ったときなどに、「自分の苦労話」や「経験談」「病院に対する思い」などを語る管理職者は少なくありません。そして、こうした人たちのほとんどは、「部下のためになる」と考えて話をします。

 

しかし、実際には部下であるPT・OT・STは、管理職者のそうした話には興味がありません。

 

多くの部下は、自分自身の「悩み」や「将来像」「仕事や病院に対する思い」といったことを、上司に聞いてもらいたいと思っています。そのため、そのように管理職であるPT・OT・STが自分のことしか話さないと、部下はその上司から自然と離れていくことになります。

 

そうしたことを避けるためにも、管理職者となったPT・OT・STは、部下の話を聞くことが大切です。

 

そして、部下の話を聞くときに重要なことが「相手の関心事を話題にする」ということになります。

 

PT・OT・STの中には、上司であるあなたと会話をする際に、恐縮して自分のことを話せない人が多くいます。そのため、逆に上司であるあなたの方から、相手が興味を持っていることを話題にすることで、部下に話をさせるようにします。

 

人は自分が興味を持っていることが話題になると、自然と話をするようになります。また既に述べたように、人は自分の話を聞いてくれた相手に対して好感を抱くようになります。

 

つまり、「部下の関心事を話題にする → 部下に話をさせる → 上司に好感を持つ」という流れができます。その結果、部下との関係性を構築できるようになります。

 

またこれは、あなたの上司(経営者など)に対しても同じように応用することができます。

 

こうしたことから、管理職に就いたPT・OT・STは、まずは、部下や上司が興味を持っていることを探ることが大切だといえます。

 

部下の自己評価を高める

人には誰でも、自己が重要でありたいという欲求があります。

 

管理職者であるPT・OT・STは、そうした人間の心理を生かすことで、部下を行動させることができるようになります。

 

そこで以下に、管理職のPT・OT・STが部下の自己評価を高める重要性について述べます。

 

自己の重要感について

PT・OT・STが管理職に就いた際には、「部下を動かす力」が必要になります。そして、部下に限ったことではありませんが、人を行動させるために欠かせないことが「相手に重要感を持たせる」ということです。

 

人には、生まれながらにしていくつかの欲求があります。

 

例えば、「健康で長生きしたい」「おいしいものを食べたい」「ぐっすり眠りたい」といったものは、誰もが持っている欲求です。

 

ただ、こうした健康欲や食欲、睡眠欲といった欲求は、多くの場合は満たすことができるものです。一方で、人間が元々持つ欲求の中でも「自己の重要感」というものは、めったに満たされることがない欲求です。

 

自己の重要感とは、つまり「偉くなりたい」「自分が重要な人物でありたい」という欲求です。

 

こうした欲求は、ほとんどの人が常に欲しているものです。しかし、食欲や睡眠欲などとは違って、そう簡単に満たされることはありません。

 

目立つ高級車に乗ったり、自分たちの子供の自慢をしたりすることは、そうした自己重要感を満たすために起こるものです。多くの人たちは、実際に自己の重要感が満たされないため、そうした行動をすることによって自己重要感を得ようとします。

 

また、自己の重要感を満たす方法は、人それぞれ異なります。そして、そのことが良い行動につながることもありますし、逆に悪い行動につながることもあります。

 

例えば、ある人にとっては、貧困な国の人々へ寄付をすることで自己重要感が満たされるとします。こうした行動は、貧しい国の人々にとって非常にありがたいことであり、人の役に立つ行動だといえます。

 

その一方で、銀行強盗や泥棒といったことを行い、テレビや新聞で報道されて目立つことで、自己重要感が満たされる人もいます。

 

このように、人間にとって自己の重要感を高めるということは、非常に重要なことです。そして、自己重要感を高める方法は人それぞれ異なっていることを知っておいてください。

 

自己重要感を与えると相手は動く

人間が生まれながらに持っている欲求の中でも、「自己の重要感」というものは、満たされにくいものです。そのため人は、自己の重要感を満たすためには、積極的に行動します。

 

部下を行動させるためには、こうした人間の心理を上手く利用することが大切です。

 

多くのPT・OT・STは、部下の行動が気に入らずに、相手を変えたいと思ったときには、叱咤したりけなしたりします。あなたのそうした言動は、相手の自己評価を下げることになります。その結果、部下は行動しないようになるだけでなく、あなたに反発心を抱くことになります。

 

そうしたことを避けるためにも、部下の行動を変えたいと思った場合には、相手を褒めて、激励することが大切です。つまり、相手の自己評価を高めることが重要になります。

 

人は、褒められると自己の重要感が高まります。その結果、上司であるあなたから「もっと褒められて、自己評価を高めて自己重要感を満たしたい」と考えるようになります。そのことが、自然と行動意欲につながり、部下はあなたが望むような行動をするようになります。

 

例えば、あなたの部下が患者さんに対して、自分の意見を押し付けるような発言ばかりしていたとします。そのことが、病院に対する患者さんからの評判を下げることにつながっているため、あなたは部下のそうした言動を変えたいと考えています。

 

そうした際に、あなたが「あなたの患者さんに対する言動が悪くて病院の評価が下がっています。だから、患者さんにあなたの意見を押し付けるようなことは止めなさい」と言ってしまうと、部下は自己評価を下げてしまうことになります。これでは、言動を変えることにつながる可能性は低いです。

 

その一方で、「○○(部下)は、最近本当に技術が向上して患者さんを良くしているよね。あと、患者さんの心理について考えると、もっと治療効果が高くなると思うよ」と伝えると、部下は「褒められた」と感じて自己評価を高めます。

 

そうなると、「もっと褒められたい」「自己評価を高めて自己重要感を満たしたい」という欲求が生まれます。そのため、自然と人の心理について勉強するようになったり、患者さんとの接し方を意識したりするようになります。

 

このように、管理職であるPT・OT・STが、部下の行動を変えたいと思ったときには、相手の自己評価を高めるように工夫することが大切です。そうすることで、部下は自己重要感が満たされるため、さらに欲求を満たそうとして言動を変えるようになります。

 

こうした人間の心理を上手く利用することで、人を行動させることができるようになります。

 

人の立場に身を置く

管理職者は一般職者と違ってリハビリ部全体を管理しなければいけません。そして、部を管理する上で大切なことは「人を動かす」ということです。

 

チームを管理していく際には、管理職という立場にあるあなたは、自分自身が先頭に立って動くのではなく、メンバーが行動することを管理することが大切です。つまり、プレイヤーではなく、マネジャーとしての役割を果たさなければいけません。

 

そのため、管理職者になった、もしくはなりたいと考えているあなたは、部下を行動させるための技術を学ぶことが大切になります。

 

そこで以下に、人の立場に身を置く大切さについて述べます。

 

欲求が起こり行動が生じる

あなたがPT・OT・STが管理職者になった場合、リハビリ部全体をマネジメントしていかなければいけません。つまり、あなたが行うべきことは、「適材適所に人材を配置すること」と「やる気を上手く引き出して行動させること」の2つになります。

 

そして、管理職になった多くのPT・OT・STが苦労することが「部下を行動させる」ということです。

 

例えば、あなたが患者さんのリピート率を計算したいと考えて部下に指示を出します。しかし、部下は一向に行動に移さず、リピート率の計算を行いません。その結果、あなたは部下の行動に苛立ちを感じます。

 

ここで、多くの管理職者は「部下に任せずに自分自身で行う」もしくは「部下を叱咤する」という行動を取ります。

 

ただ、前者のように管理者であるあなた自身が行動をすることは、マネジャーとして絶対やってはいけないことです。管理職者は、マネジメントに力を注ぐべきであり、できる限り現場のことは部下に任せるようにしなければいけません。

 

また、後者のように叱咤することも部下の行動を引き出すことにはつながりません。

 

確かに、あなたが厳しく指導することは、一時的には部下の行動を促すことにつながるかもしれません。

 

しかし、そうした行動は部下の自発的なものではないため、必ず長続きしません

 

人の行動は、何かしらの「欲求」が生じると、それを満たすために起こります。つまり、「欲求が起こった結果、行動が生じる」といえます。

 

そのため、管理職者であるPT・OT・STが部下を行動させるためには、まずは部下の欲求を引き起こすことが重要になります。そうすることで、自然と部下の自発的な行動を引き出すことができるようになります。

 

このように、「人は欲求が起こった結果として行動する」ということを理解しておいてください。

 

人の立場に身を置く大切さ

管理職者であるPT・OT・STが部下を動かしたいと考えた場合には、相手に何かしら欲求を引き起こすことが大切です。人は、欲求が生じた結果、行動を起こします。

 

そのため、部下を行動させる際には、「相手の立場に身を置く」ということが大切になります。部下の立場で物事を考えることで、相手が欲しているもの(欲求)を読み取ることができるようになります。

 

多くの管理職者は、自分自身のことばかり考えて部下を動かそうとします。

 

例えば、先ほどの例でいうと、「経営者から指示されたからリピート率を出してくれ」などと指示を出します。これでは、部下には何の欲求も起こりません。むしろ、「上司の仕事を押し付けられた」と感じてしまいモチベーションが下がります。

 

こうした際には、その部下の立場に立って相手が欲しているものを見つけることで、相手のモチベーションを上手く高めて行動させることができるようになります。

 

例えば、あなたがリピート率の計算をお願いしたいと考えている部下が、いつも「勉強会に行くお金が足りない」と言っていたとします。この言動から、部下は「もっと給料が上がって欲しい……」という欲求を持っていることが予測されます。

 

そこであなたは、「リピート率を計算してリハビリ部の売上を上げることがPT・OT・STの給料アップには欠かせないから、リピート率の計算をしてくれないか?」というようにお願いします。

 

そうすると、部下の「給料を上げたい」という欲求を刺激することができます。その結果、部下は自発的にリピート率を計算するようになります。

 

このように、管理職になったPT・OT・STが部下を行動させたい場合には、まずは相手の立場に身を置いて、その人の欲求を見つけることが重要になります。

 

今回述べたように、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ職者に限らず、管理職者になるためには、リーダーとしての資質が必要です。そして、部下が付いてくるリーダーとなるためには、さまざまなスキルを磨かなければいけません。

 

もし現在管理職をしている、もしくは今後、管理職を目指したいという人は、以上に上げたことだけでも意識するようにしましょう。そうすることで、周りに自然と人が集まるため、結果的にあなたのキャリアアップにつながるはずです。


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